“と”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
6.3%
6.0%
5.7%
4.8%
4.8%
4.2%
3.6%
3.3%
2.8%
2.2%
(他:3835)56.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其時丑松は膳に向ひ乍ら、かくも斯うして生きながらへ来た今日迄こんにちまでを不思議に難有ありがたく考へた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
美奈子は、かくその青年が、自分の家に出入りしていると云うことを知ったことが、可なり大きいよろこびだった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
のくらゐなことが……なんの……小兒こどものうち歌留多かるたりにつたとおもへば――」
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
此奴こいつ先刻さつきぼくが飲んだんだから」と云つて、洋盃コツプげたが、〓躇ちうちよした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
で、その存在そんざいをたしかめると、安心あんしんしたやうにまたすぐあなところりてた。
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
薄赤くなった継子は急にいもとの方へかかって行った。百合子は頓興とんきょうな声を出してすぐそこを退いた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
実はうからいて居たのであるけれども、うちがまだきまらないので、今日けふ迄其儘にしてあつたのである。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
――「蝮蛇ふくだ手をせば壮士おのが腕を断つ」それを声をたてて云い、彼はふと自分の腕を見まわした。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
そこでその科学者は直ちにメスをって、その脳髄を取出した屍体の全部を十万分の一ミリメートルの薄さに切りきざんだ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
酒呑さけのみが酒を解する如く、筆をる人が万年筆を解しなければ済まない時期が来るのはもう遠い事ではなかろうと思う。
余と万年筆 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
絵端書が済んで、しばらく世間話をした後で、岡田とお兼さんはまた来ると云って、母や兄がめるのも聞かずに帰って行った。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
また、あお海辺うみべつらなる電線でんせんまって、うみほうていたこともあります。
つばめの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おびき、きぬぎ、板戸いたどうへいましめた、のありさまは、こゝにふまい。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
山桜やまざくらも散ってたけのこが出る四月の末、熊本城のかこみけたので、避難の一家は急いで帰途に就いた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
資産から云ったって、木下家の郷里の持ものは、人にられさえしなければ、こんな家とは格段の相違があるのだといっていた。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そして自分の事を書いてある遺書かきおきのあるのをどうかして知っていて、それをろうと部屋中探したに違いないとね。
ニッケルの文鎮 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
かくまでに元気旺盛おうせいな吾輩の事であるから鼠の一疋や二疋はとろうとする意志さえあれば、寝ていても訳なくれる。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と言つて笑つてゐた。成程皮を忘れてはならない、らぬ狸でも皮算用をする世の中に、飼つた狸の皮算用を忘れてはならない。
そして静かな冬の日のさしかけている下河原の街を歩いて、数年前一度知っている心あたりの旅館をうと、快く通してくれた。
黒髪 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
大活動だいかつどうひんせるヴエスヴイオをひナポリから郵船ゆうせん筥崎丸はこざきまる便乘びんじよう
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
工夫の人は立って、たなから帽子をとり、道具を入れた布の袋を持って、の掛金を外してまるのを待ってゐました。
化物丁場 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
その二つの人影と、一点の小さな灯は、やがて、境のを開けて、三十三間堂の永い縁の端へ立つと、こう低い声で話していた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この世界の英傑のなかに、ちょうどわれわれのまっているこの箱根山の近所に生まれた人で二宮金次郎という人がありました。
後世への最大遺物 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
「はははしかしそんなにもなく笑わなくってもいいさ。少し笑う――適宜てきぎに、――そうするといい心持ちだ」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しか貴方あなたは一たい何處どこへお出掛でかけにならうとふのです?』院長ゐんちやうふた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「どうして、おまえは、そんなにまれわったように、おもしろそうにわらうようになったか?」といました。
笑わない娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
旦那様のあだを今年のうちに捜し出して、本望ほんもうげた上でお詫びいたします、あゝ勿体ない、口が曲ります
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ああ、彼はその初一念をげて、外面げめんに、内心に、今は全くこの世からなる魔道につるを得たりけるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
晃 月影に……(空へかざす)なお光るんだ。これでも鎌をぐことを覚えたぜ。――こっちだ、こっちだ。(と先へ立つ。)
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
時に五助は反故紙ほごがみしごいてすました剃刀かみそりぬぐいをかけたが、持直しててのひらへ。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鹹水しおみずにもけるとか云って大連でくれた豆石鹸まめシャボンでも、行李こうりの底から出せばよかったと思った。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こと陸稻をかぼもちあしよわいので、すこればぐくた/\にけようとする。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
照之助は黙ってそっと這入って来ましたので、わたくしは探りながらその手をって、お居間の方へ案内してまいりました。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
私はその歯をって海へ投げ込んだ時、あたかも二尾の大きいふかが蒼黒い脊をあらわして、船を追うように近づいて来た。
はなしの話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
いまこの厄難やくなんさいして、吾等われらみちたゞ二つある、その一つは
処が明政府は既に李如松を提督に任命して、朝鮮救援の軍を遼東に集中しつつあったので、今更惟敬の説をり上げ様としない。
碧蹄館の戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
右左からほしいままに公道をおかした雑草や雑木の枝を、一同らした鎌で遠慮会釈えしゃくもなく切払う。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
寒中など水鼻汁みずっぱなをたらしながら、井戸水で、月の光りでかまいでいたり、丸太石をころがしていたりする。
自分の一生をしてかゝった仕事が、空虚な幻影であることが、分った時ほど、人間の心が弛緩しかんし堕落することはない。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「――とあればなおさら、死をしても、わし達は、鎌倉殿へ直接お訴えしてみるのが、残されたただ一つの道ではあるまいか」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こぶしむねつていのるかとおもへば、すぐゆびあな穿つたりしてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
こぶしむねっていのるかとおもえば、すぐゆびあな穿ったりしている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
わずかに百日もたぬ間にこれほどに処女しょじょと商売人とは変わるものかと、いた口がしばらくじなかった。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
月にもこころじ、花にも耳をふさぎ、太陽にも胸をひらかず、ただ冷たく凝結していた自分というものが、顧みられる。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とうとう倉地の心と全くけ合った自分の心を見いだした時、葉子の魂の願いは生きようという事よりも死のうという事だった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
読者の知ってるとおり、彼らの間には常に、絶壁と冷ややかさと気兼ねとが、砕きかさなければならない氷が、介在していた。
老人は早速その田を耕して稲を植えた。そして、熱心にはぐさったり肥料をやったりしたので、稲はよくみのった。
位牌田 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
出やうがはやいと魔劫まごふれないから何時いつかはこれをもつて居るものにわざはひするものじや
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
然しひるまず私は息もつかずにびあがると、昔、シャムガルが牛を殺した直突の腕を、ゼーロンの脇腹目がけて突きとおした。
ゼーロン (新字新仮名) / 牧野信一(著)
そこで母鳥ははどり子供達こどもたちをぞろぞろ水際みずぎわれてて、ポシャンとみました。
工夫の人は立って、たなから帽子をとり、道具を入れた布の袋を持って、の掛金を外してまるのを待ってゐました。
化物丁場 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
務はその下に往くとぴったり足をめてその枝をじっと見あげた後に両手を兵児帯へこおびに掛けていそがしそうに解いた。
白っぽい洋服 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
しかも彼は姉や兄たちの孝行を一人で引き受けたかのように、肩揚げのおりないうちからよく働いて、年をった母を大切にした。
半七捕物帳:12 猫騒動 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「あアン! 何が障子じゃ? 年はりとうない。魚があぶくいとるようで、さっぱり聞えぬ。何じゃイ、あアン?」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
けつしてういふ相場さうばるものではいとべんふるつていてたが、かぬ。
谷忠兵衛のく、こういう理由と、かれの真実から溢れた大局の見とおしは、他の家老、重臣、元親の血族たちまでを動かして、
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
火事装束しょうぞく! おのれッ何やつ? トトト覆面ふくめんを? ウヌ! 覆面をがぬかッ! ツウッ……!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
考える方に妙に体中の力が吸い取られて、手の方がだるいようになると一緒に、ガクンと骨がれたように、感じたのである。
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
彼女はその修繕するところに附纏つきまとって、珍らしそうに見ているうちに、彼女にいくらかの電気の知識がり入れられた。
老妓抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
この周囲の泥沙でいさやなぎの多いところで、復一は金魚に卵を産みつけさせる柳のひげ根をりに来てここを発見した。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
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