“滞”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
とどこお63.1%
とどこ6.6%
とどこほ4.9%
とゞこほ4.1%
とどこおり4.1%
とゞこお4.1%
たま2.5%
とど2.5%
とどま1.6%
こだわ0.8%
0.8%
とどこう0.8%
とゞこほり0.8%
とゞごほ0.8%
とゞま0.8%
トドコオ0.8%
トドコホ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「お前は勤めの身でないか。花代さえとどこおりなく貰って行ったら、誰も不足をいう者はあるまい。まだほかにむずかしいおきてでもあるか」
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
すなわち問屋の払いを踏み倒すか、雇人の給料を不払いにするか、家賃をとどこらすか、いずれにしても不始末は免れないのだ。
その人とりや、ものにとどこほらず、事にちやくせず、神儒しんじゆを尊んで神儒をばくし、仏老ぶつらうあがめて仏老を排す。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此場合に二条殿には御嫌疑の為め御役御免に相成、御婚姻御用係を命ぜらる、万事御用向担当とゞこほり無く御婚儀相済あひすませられたり云々。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
葬列はとどこおりなく、彼が家の隣の墓地に入った。此春墓地拡張の相談がきまって、三あまりの小杉山をひらいた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
宿料をとゞこおらせた客だからとて、追い出すからにはそれ相当の立退科を出して然るべき筋合かも知れぬとさえ考えられた。
この握りめし (新字新仮名) / 岸田国士(著)
まさか、蕎麦屋そばやで、かけ一、御酒なしでも済まないので、苦心の結果、場末の浪花節を聞いたという。こんなのは月賦が必ずたまる。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その時、巨大な風船の右の遠方にいまひとつの小さい、若い赤い風船がやはり昇りつめたところにとどまっているのを眼にいれた。これには二十六歳で死んだ立原道造という男がのっていた。
我が愛する詩人の伝記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
ぴきの鯉魚にも天地の全理がふくまれるのを知ると同時に、恋愛のみが全人生でなく、そういう一部に分外にとどまるべきでないとも知ることです。
鯉魚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
しかし電車や自動車などは彼女の為めに道を開いて居る様で、彼女は自由に何のこだわりもなく道を横切って其等を切り抜けた。後に続く彼は又、忌々いまいましい程交通機関や通行人に妨げられた。
偽刑事 (新字新仮名) / 川田功(著)
実は自分は梅子さんもらいたいと兼ねて思っていたのであるから、井下伯に頼んで梅子さんだけめて置いてあとから交渉して貰う積りでいた
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
途中でとどこうりもれもせず、そして、運命の岩盤の底からでさえも新しい水を誘い出して流れに力を加え、たゆむことなく「永遠」の海に向かって流れることをやめないならば
次郎物語:03 第三部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
かくて兎も角も其夜となり、式どもとゞこほりなく相済み、さて嫁女と共にねやに入るに、の嫁女奈美殿、屏風の中にひれ伏してシミ/″\と泣き給ふていなり。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
其上妻は暇の無い中から時々小説とかお伽噺とか女子書翰文とか自分の歌集とかを作つて、其の原稿料で家賃のとゞごほりや薬価やくかや牛乳代のしにする。
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
杉山はなほ暫く東京にとゞまつて居た様子であつたが、耳にするその近状はいづれも面白からぬ事ばかりで、やれ吉原通よしはらがよひを始めたの、筆屋の娘を何うかしたの
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
風ハトドコオ柳陰リュウイン太平ノ酒旗シュキ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ははあ、文盲もんもうとみえるな。読んで聞かせる。その裏面うらを返してみい。——楮幣チヨヘイハ銅幣『乾坤通宝ケンコンツウホウ』ト同ジクアハセ用ヒ、一切ノ交易ニトドコホリアルナカレ——としてあるのだ。よくおぼえておけ。