“とど”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:トド
語句割合
44.5%
24.8%
8.8%
4.8%
4.8%
4.2%
2.2%
2.0%
0.4%
0.4%
0.3%
宿0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.1%
結局0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それからこの一致はひとり一時代の水平的関係だけにとどまらず、古くあった地名も今ある地名も人の名前ほどには時代の変化がない。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
その後も郷里へ帰省するたびに、時間の許すかぎりは方々を旅行したので、九州の主なる土地には靴の跡をとどめているというわけです。
怪獣 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
されど近年かくの如きものを見ること稀なれば淺草觀音堂のむかしなど思出でゝ杖をとどむること暫くなり。歸宅後一睡。寤めて後小説執筆。
荷風戦後日歴 第一 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
「どうか、この荷物にもつ無事ぶじ先方せんぽうとどけてくれ。そうすればかえりにあんころもちをってやるぞ。」と、おとこは、うしにいったのであります。
ある男と牛の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼はこのままむなしくかえらないと決心して、病いと称してここに軍をとどめ、毎日四方を駈けめぐって険阻の奥まで探り明かした。
女がそう云ってとうとするので、哲郎は絡んでいた指を解いた。と、女は起って棚のきいろなボール箱に手をやろうとしたがとどかなかった。
青い紐 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
かばかり堅固なるかこいの内よりそもいかにして脱け出でけん、なお人形のうしろより声をいだして無法なる婚姻をとどめしも、なんじなるか。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夜陰にとどろく車ありて、一散にとばきたりけるが、焼場やけばきはとどまりて、ひらり下立おりたちし人は、ただちに鰐淵が跡の前に尋ね行きてあゆみとどめたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
物質から来る連想の例では「居風呂すえふろの屋根」「とどひのき」「赤い小宮」と三つ続くようなのがある。
連句雑俎 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
良し、姫よ。我は奴国なこく宿禰すくねの子。我の父は長羅のために殺された。爾を奪う兵士つわものを奴国の宮にとどめて殺された。長羅は我の敵である。もし爾が不弥の国になかりせば、我の父は我とともに今宵を
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
その日は一日さうして孤島にとどまつて私は又しても退屈さうに湖上を遠く眺めて早く夜が明けて明日になることを思つた。
湖光島影:琵琶湖めぐり (旧字旧仮名) / 近松秋江(著)
太空そらは一片の雲も宿とどめないが黒味わたッて、廿四日の月は未だのぼらず、霊あるが如き星のきらめきは、仰げば身もしまるほどである。
里の今昔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
向うから来た釜形かまがたとがった帽子をずいて古ぼけた外套がいとう猫背ねこぜに着たじいさんがそこへ歩みをとどめて演説者を見る。演説者はぴたりと演説をやめてつかつかとこの村夫子そんぷうしのたたずめる前に出て来る。
カーライル博物館 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その笛の音いろのとどかんところには
忘春詩集:02 忘春詩集 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
鉄をかばい、なだめてもとどめてもかしらってがえんぜず、「よう、頼むよ。後生だから。」と心弱き美人は声曇らすに、お丹ようやく手をゆるべ、と座に直りて煙管を杖、片手に煙草を引寄せたり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
太祖の崩ぜるはうるう五月なり、諸王の入京にゅうけいとどめられてよろこばずして帰れるの後、六月に至って戸部侍郎こぶじろう卓敬たくけいというもの、密疏みっそたてまつる。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
かくの如き事もありしなれば、太祖みずから崩後の動揺を防ぎ、暗中の飛躍をとどめて、ことに厳しく皇太孫允炆よろしく大位に登るべしとは詔をのこされたるなるべし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
結局とどの詰まり、さっきはこちらから紙と鉛筆とを持ち出したが、今度は向うから紙とペンとを持ち出してきた。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
どうすればいいんだい? こうしたらどうだろう! と小田原評議よろしくあった結局とどのつまりが、用心しながら中の物をあまり揺り動かさぬように、そろそろとじ開けてみたが一番いいだろう
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
これ此樣こんなうつくしいはなさいてあるに、えだたかくてわたしにはれぬ、のぶさんはせいたかければおとどきましよ、後生ごせうつてくだされと一むれのなかにては年長としかさなるをつけてたのめば
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
『人死亡みまかる時に、若くはわなきて自らしたがひ、或は絞きて殉はしめ、及びあながちにゆきし人の馬を殉へるが如き旧俗は、皆悉くとどめよ』
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
一四あしがちる難波なにはて、一五須磨明石の浦ふく風を身に一六しめつも、行々一七讃岐さぬき真尾坂みをざかはやしといふにしばらく一八つゑとどむ。
と上人が下したまうつるの一声のお言葉に群雀のともがら鳴りをとどめて、振り上げしこぶしかくすにところなく、禅僧の問答にありやありやと云いかけしまま一喝されて腰のくだけたるごとき風情なるもあり
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
トいいさして文三は顔に手をてて黙ッてしまう。こころとどめてく見れば、壁に写ッた影法師が、慄然ぶるぶるとばかり震えている。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そはいつもこの店先にある日用諸雑記の帳なるか、もしそれならばわれ覚えたり、いざいざ書いて得させんとて、新しき帳を開き、ことごとく写しとどめて与えにければ、主の男はかつ感じかつ歓びけり
袁紹の追討令で、追手の軍に追われたり、諸城の太守にとどめられたり、さんざんな憂き目に遭ったが、ついに黄河のほとりまで逃げのびて、一しゅうを拾い、からくも江東へ逃げ渡った。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
力有るもたれか得てとどめむ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
土水木各々をその納音で見れば、お久美は大駅土、大く土にとどまる。