“汝”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なんじ21.8%
9.0%
うぬ6.7%
なれ6.3%
おのれ5.7%
なんぢ5.6%
われ5.3%
てめえ4.8%
きさま4.1%
おの3.6%
こと2.9%
2.3%
そなた2.2%
いまし2.1%
そち1.8%
うな1.7%
おまえ1.6%
おまへ1.5%
てまえ1.1%
にし1.0%
みまし1.0%
わりゃ0.7%
おめえ0.7%
わり0.6%
0.6%
てまい0.5%
ぬし0.5%
ワケ0.4%
おまい0.4%
おぬし0.2%
ナレ0.2%
おんみ0.2%
てめ0.2%
わけ0.2%
ナンジ0.2%
いし0.1%
おどれ0.1%
ウヌ0.1%
ンガ0.1%
てめへ0.1%
なむじ0.1%
うぬっ0.1%
おこと0.1%
おのし0.1%
おはん0.1%
おみ0.1%
おめ0.1%
これ0.1%
じょ0.1%
そっち0.1%
そんた0.1%
わぬし0.1%
ユー0.1%
ヴォイ0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
故に我々は神に対することによって人格であり、而してまた神を媒介とすることによって私はなんじに対し、人格は人格に対するということでもある。
絶対矛盾的自己同一 (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)
なんじ珠運しゅうん能々よくよく用心して人にあざむかれぬようすべしと師匠教訓されしを、何の悪口なと冷笑あざわらいしが、なる程
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
 わが在りし一日片時子の為めに宜しかりしを疑はぬのみ 又 が母は生きて持ちつる心ほど暗き所にありと思ふな しかし結局思ひ過ぎであつた。
晶子鑑賞 (新字旧仮名) / 平野万里(著)
応仁おうにんの乱か何かにつた人の歌に、「も知るや都は野べの夕雲雀ゆふひばりあがるを見ても落つる涙は」と云ふのがあります。
「なにを云やあがるんだ。うぬの知ったことじゃあねえ」と、又蔵は面をふくらせて這い起きた。「ぐずぐず云やあがると今度はうぬが相手だぞ」
半七捕物帳:11 朝顔屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかいまこそあまったるうえてをるうぬ今夜こんや推參すゐさんに、やがてにがあぢせてくれうぞ。
「嬉し悲しの色さへ見せぬなれが眼は、鉄と黄金こがね混合まじへたる冷き宝石の如し。」と云ひたるも、この種の女の眼にはあらざるか。
夜あるき (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
人なみ/\の心より、思へばなれはこの我を、憎きものとぞうらむらん、われも斯くこそ思ひしが、のりの庭にてなれにあひし、人のことの葉きゝけるに
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
番「おのれ一昨日おとといこの店で帯を締め直す時に落した手紙は、お嬢さんに頼まれて粂之助の処へ届けようとしたのじゃないか」
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おのれくさったあぎとをば、まッのやうに押開おしひらいて、(と廟の扉をぢあけながら)おのれへの面當つらあて
さりながら飼鳥かひどり遊戲あそびにあらざるを、なんぢ心附こゝろづかざりけむ、飼鳥かひどりこのもの
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「ふん、海賊のおきまりのおどし文句だ。『止れ、我、なんぢに語るべき用事あり。』と言ふんだらう。信号簿をくつて見るまでもないや。」
怪艦ウルフ号 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
「ぬかしてよ。われや汝で、何ぜ俺とこを母屋やなんてたれるのや。どこで聞いて来た。他家ひとんとこへ来るなら来るで、ちゃんとして来い。」
南北 (新字新仮名) / 横光利一(著)
「おつかゞくなつてこまんなわればかしぢやねえんだから」勘次かんじしばらあひだおいてぽつさりとしていつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
てめえ未来このさきに持っている果報の邪魔じゃまはおれはしねえ、つらいと汝てめえがおもうなら辛いつきあいはさせたくねえから。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
畜生ちくしやうめ、そしてへんなものをあらふとおもつた。てめえ、そりや間男まをとこおに腹卷はらまきぢやねえかい。」
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
五重塔をきさま作れ今すぐつくれとおそろしい人にいいつけられ、狼狽うろたえて飛び起きさまに道具箱へ手を突っ込んだは半分夢で半分うつつ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「はあ、うそふまい、馬鹿野郎ばかやらうきさまおやぢと、おれ兄弟分きやうだいぶんだぞ。これ。」
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おのれ化物、再び姿を現わさば真二つと、刀の柄に手をかけて霎時しばしの間、くらき水中を睨み詰めていたが、ただ渦巻落つる水の音のみで、その後は更に音の沙汰もない。
河童小僧 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
又九郎はおのれ斬りやアがったなと空鉄砲からでっぽうを持って永禪和尚に打って掛るをぱずして、
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
——また、左様に首尾よく調ととのい終らば、おことらには、伊勢伊賀などの内で、関所の地を、それぞれ功としてつかわすであろう。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「身内の者どもが、柳の間で酒もりしておる。おことらも、打ち交じって、遊んでゆけ。筑前も相手になって遣わしたいが、風邪ゆえ早うやすむ」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いらはいったい、何のために、かくは勝家の討って出るを、はばめるのか。勝家を迎えるあいだに、なぜ目に見えている敵をささえぬか」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さうすつとまた駄目だめりやつてう、すぐうつてふんだぞなんておこつたてえになあ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そなたってかうとおもって、今日きょうはわざわざ老人としより姿すがたけて出現てまいった。
上人庭下駄脱ぎすてて上にあがり、さあそなた此方こちへ、と云いさしてに持たれし花を早速さそく釣花活つりはないけに投げこまるるにぞ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ここにその二柱の王、「粮は惜まず。然れどもいましは誰そ」とのりたまへば、答へて曰さく、「は山代の豕甘ゐかひ一〇なり」とまをしき。
酔つて疲れて私の瞼はイラ痒いとは云へ、人よいましがそのやうなことを気にするのであれば、あゝ、それは世間をばかり心の中に相手として置いてゐるからだ。
わし役目やくめはここまでそち案内あんないすればそれでんだので、これからきはそち一人ひとりくのじゃ。
「何だ。今となってその説は、それは滝川一益かずますなどが大事を取って申した説で、そちの策は、それに反対であったはずではないか」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「キッコ、うなの木ペン見せろ。」にわかに巡査じゅんさ慶助けいすけが来てキッコの鉛筆えんぴつをとってしまいました。
みじかい木ぺん (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
『嘘でねえでヤ。俺ア真実ほんとに、うなアせえ承知してえれば、夫婦いつしよになりてえど思つてるのに。』
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「ほんとに何人もいないから、遠慮はいりません」少女の方を見て、「お客さんは、はにかんでいらっしゃるから、おまえだちがあげておやりよ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
言句もんくばかり言ってるさ、構わないでおくがい。なあにおまえが先へ来たって何も仔細しさいはなかろうじゃないか。」
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あの眼のクルクルと大きい厭味な洋服姿の秋月の奴が現在おまへのゐる前であのキザな十題話の落しに面白をかしく間男の意見をして見せた。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「あの鵞鳥の事を言はつしやりますのか。あれはおまへ折角のお越ぢやからと思つて、たつた今絞め殺して汁の身に入れときましたぢや。」
てまえと己が兄弟ということを知らないで畜生同様夫婦に成って、永い間悪い事をしたが、もう命の納め時だ、己も今すぐあとから往くよ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
またお座敷には、奥方様のほか誰方どなたもおいでがないと、目を丸くして申しますので、何を寝惚ねぼけおるぞ、てまえが薄眠い顔をしておるで、お遊びなされたであろ
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「大丈夫か? 耕平が大丈夫ならいい。俺はもう先のねえ人間だ。耕平が助かればそれでいい。俺など構ってねえで、にしあ、耕平の方さ行ってやれ。」
(新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
にし何処のふとだかね? ワルソウのふとだか、それとももつと遠くのふとだか? いつから煉瓦積になつたのけ?」
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
雀来よ、雀来よ来よ、いとせめてめよこの米、ひもじくばふふめこの米、みましらが饑ゑずしあらば、うまからば、うれしくかはゆく鳴くならば、白玉あはれ。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ここに伊耶那岐の命、詔りたまはく、「愛しき我が汝妹なにもの命、みまし然したまはば、は一日に千五百ちいほ産屋うぶやを立てむ」とのりたまひき。
罪人「やい、わりゃア何者だ、死者狂いのおいらを何故なぜ止めるか、ふざけやアがると其の分には棄置すておかねえぞ」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わりゃア何者? ……見ればまだ小娘! ……それなのに、妾の、頼母様のことを! ……」
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
マア、聞きてえとおもってもらおう。おらあおめえの運は汝にまかせてえ、おらが横車を云おう気は持たねえ、正直にかくさず云ってくれ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そん時だ、われの、顔は真蒼まっさおだ、そういうおめえつらは黄色いぜ、ととまの間で、てんでんがいったあ。——あやかし火が通ったよ。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わりゃ、はいはいで、用を済まいた顔色がんしょくで、人間並に桟敷裏を足ばかりで立って行くが、帰ったら番頭に何と言うて返事さらすんや。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わりらが媾曳あいびきの邪魔べこく気だな、俺らがする事にわれが手だしはいんねえだ。首ねっこべひんぬかれんな」
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
……むら鳥の我が群れいなば、ひけ鳥の我がひけいなば、泣かじとはは言ふ登母、やまとの一本薄 うなかぶし汝が泣かさまく 朝雨のきりに立たむぞ……
副詞表情の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
……群鳥ムラトリの吾が群れ往なば、ひけ鳥のわが引け往なば、泣かじとはは言ふとも、やまとのひと本薄モトスヽキ、うなかぶし汝が泣かさまく、朝雨のさ霧に立たむぞ……(古事記上巻)
日本文章の発想法の起り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
小「てまいは何んだ、賊だな、音羽が左様のことでわしに無心をいうわけはない、また金はもとより懐中には無いが、寄り附くとゆるさんぞ」
庄「なに宜く先程は失敬を致したな、一分いちぶん立たんからてまいを殺し、美代吉をも殺害せつがいして切腹いたす心得だ」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
何故なぜですと伺ったら「そりゃそうくさい、おどんが、ぬしいよか詩の出来るごつ、いつでん金光こんこう様にお願いしとるけんくさい。」といわれた。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
こっからここまじゃあ俺らがもん、そこからそこまじゃあぬしがもんと、区別う付けて置くから、はあ人のもんまで欲しくなる。
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
ふん。ワケは聞き出したね。南家ナンケ孃子ヲトメは、どうなつた——。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
ふん。ワケは聞き出したね。南家ナンケ孃子ヲトメは、どうなつた——。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
するとしゅっこが、吉郎、おまい上流かみからって来い、追え、追え、と云いながら、じぶんはだまって立って見ていた。
さいかち淵 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
きんさんおまい情無い、わたしにそんなことを聞かなくちゃアならない事をしておくれかエ。エ、エ、エ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
チッバ やア、下司げす下郎げらう敵手あひてにしておぬしけんかうでな? ベンヺーリオー、こちをけ、いのちってくれう。
「松公、おぬしは放生の亀の話を知っておるか」
放生津物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
酒精アルコルよりもなほ強くナレ立琴リイルも歌ひえぬ
詩語としての日本語 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
笑いつつ嘲笑いつつ我に黙せよとナレは叫ぶ
小鳥の如き我は (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
おんみはあたかも奴隷しもべのやうなり、金銀用度も皆兄まかせにて我が所有ものといふものもなく、ただることと食ふこととに不足なさざるばかりなれば奴隷といふてもかるべし
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
こはかねてよりの覚悟なりけれど、大阪に到着の夜、父上の寝物語りに、両三日来中江なかえ先生、栗原亮一くりはらりょういち氏らしきりにわれに説きて、おんみ葉石はいしと結婚せしむべきことを勧められぬ、依っていずれ帰国の上、義兄らにも相談して、いよいよ挙行すべしと答えおきたりとあり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
舁「てめえは幇間か何んだかおらッちは知らねえ、どうせ舁夫かごやだから洒落なんざア知るもんか、おらッち二人を乗っけて担げよ、サア担がれよう、ヤイ担げ/\」
てめのような、青侍に、カスを喰って泣き寝入りをするような闘鶏師とりしたあ、闘鶏師がちがう」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふん。わけは聞き出したね。南家なんけ嬢子おとめは、どうなった——。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
おい、わけたち。大伴氏上家うじのかみけも、築土垣を引き廻そうかな。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
「『最上』ヨ、ナンジノ高角砲ハ役ニ立タヌゾ。」
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
中世以降、兵権武門ニ帰シ、兵農始テ分レ、遂ニ封建ノ治ヲ成ス、戊辰ノ一新ハ、実ニ千有余年来ノ一大変革ナリ、此際ニ当リ、海陸兵制モ亦時ニ従ヒ、ヨロシキヲ制セサルヘカラス、今本邦、古昔ノ制ニ基キ、海外各国ノ式ヲ斟酌シ、全国募兵ノ法ヲ設ケ、国家保護ノ基ヲ立テント欲ス、ナンジ百官有司、厚ク朕カ意ヲ体シ、普ク之ヲ全国ニ告諭セヨ。
「ひとのものでも自分のものでも、この野郎、それ本当の木綿ものなんだど。きょう日、スフの股引なんど、いしらに穿かせたら半日でらしちまァわ。」
(新字新仮名) / 犬田卯(著)
「何だと、きいた風なこと吐かしやがって、いしら、はア、俺家のおっ母とでもいっしょになれ……今日限り、縁を切っから、はア……」
(新字新仮名) / 犬田卯(著)
「うむ、おどれから先に……当前あたりまえじゃい。うむ、放せ、口惜くやしいわい。」
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おどれ、俺の店まで、呼出しに、汝、逢曳あいびきにうせおって、姦通まおとこめ。」
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ウヌ等、よう開けぬ
中村仲蔵 (新字新仮名) / 山中貞雄(著)
仲蔵! ウヌ
中村仲蔵 (新字新仮名) / 山中貞雄(著)
ンガ阿母オガあねダテ二十歳ハダヂしたヲドゴたけアせ。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
はいホロゲ、ンガめしの上のはいホロゲ、はゝゝゝゝゝ。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
鐵が親の気持も好かろしてめへの寝覚も好といふものだと心付けて下すつた其時は、嗚呼何様して此様こんな仁慈なさけ深かろと有難くて有難くて私は泣きました、鐵に謝罪る訳は無いが親方の一言に堪忍がまんして私も謝罪に行きましたが
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
困りきつて逃亡かけおちとまで思つたところを、黙つて親方から療治手当も為てやつて下された上、かけら半分叱言らしいことをわつちに云はれず、たゞ物和しく、清やてめへ喧嘩は時のはづみで仕方は無いが気の毒とおもつたら謝罪あやまつて置け
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「わしの如き、老年になっても、まだ佞人ねいじんの策におち、檻車に生き恥をさらされるような不覚をするのだ。おことらはことに年も若いし、世の経験に浅い身だ。くれぐれも、平時の処世に細心でなければ危ないぞ。戦を覚悟の戦場よりも、心をゆるめがちの平時のほうが、どれほど危険が多いか知れない」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……(下人に對ひて)おのしそばってゐながら、わし隨意的えいやうにされてゐるのを、てゐるとはなんこッちゃい。
「月照上人は近衛殿から、おい懇篤こんとくに頼まれたお方じゃ! それにおいには義兄弟じゃ! 安全の場所へおかくまいするまでは、上人の身辺で荒々しい所業など、どうあろうと起こしてはならぬ! それを何んじゃ斬るの突くのと! もうおはんの力など借りぬ! おい一人で送って行く! 帰れ帰れ、おはん帰れ!」
犬神娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「わかったわかった、それでこそおみも当家の士じゃ」
討たせてやらぬ敵討 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
おめちの畑にできた子だ、
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
これこれ部屋へやなかるのはたれだ、たれるんだ、これ。」
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其の仲の兄もまた亡せたれば、孤身るところなく、つい皇覚寺こうかくじに入りて僧とり、を得んがため合淝ごうひに至り、こうじょえいの諸州に托鉢たくはつ修行し、三歳の間は草鞋そうあい竹笠ちくりゅうき雲水の身を過したまえりという。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
また別話だが、ある所の藪にスズメが巣をかけて、そのなかに卵を産んでいると、山母がきて、スズメ スズメ、おれに卵を一つくれろ、くれなかったらそっちをとって食うぞといってとって食ってしまった。
東奥異聞 (新字新仮名) / 佐々木喜善(著)
そこにサルがきて、そんたちはなにしに餅をついているといった。
東奥異聞 (新字新仮名) / 佐々木喜善(著)
上「それでも葛籠を明けて中から出る品物がえらい紋付や熨斗目のしめぬい裲襠うちかけでもあると、う云う貧乏長屋に有る物でないと云う処から、偶然ひょっとして足を附けられてはならんから、さり夜中にそっと明けてわぬしと二人で代物しろものを分けるがえゝワ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
外国の芝居なんか読んで、(ユー! 家庭破壊者ホームブレーカーよ!)なんて、夫人マダムに追い出される女なんて、どんなに嫌だろうと思っていましたのに、私自身いわれてしまったんですもの。まるで、伝家の宝刀をつきつけられた賊のようでしたわ。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
ひけらく。ヴォイはわが父なり、汝いたく我をはげまして物言はしめ、また我を高うして我にまさる者とならしむ 一六—一八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)