“汝”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
なんじ21.8%
9.0%
うぬ6.7%
なれ6.3%
おのれ5.7%
なんぢ5.6%
われ5.3%
てめえ4.8%
きさま4.1%
おの3.6%
(他:224)27.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
故に我々は神に対することによって人格であり、而してまた神を媒介とすることによって私はなんじに対し、人格は人格に対するということでもある。
絶対矛盾的自己同一 (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)
なんじ珠運しゅうん能々よくよく用心して人にあざむかれぬようすべしと師匠教訓されしを、何の悪口なと冷笑あざわらいしが、なる程
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あわれ水よ、おおいなる宇宙を三分して、その一を有するなんじ、瀬となり、滝となり、ふちとなり、のあたり我が怪しき恋となりぬ。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
 わが在りし一日片時子の為めに宜しかりしを疑はぬのみ 又 が母は生きて持ちつる心ほど暗き所にありと思ふな しかし結局思ひ過ぎであつた。
晶子鑑賞 (新字旧仮名) / 平野万里(著)
応仁おうにんの乱か何かにつた人の歌に、「も知るや都は野べの夕雲雀ゆふひばりあがるを見ても落つる涙は」と云ふのがあります。
可愛かわゆき児の、何とて小親にのみはなつき寄る、はじめてが頬に口つけしはわれなるを、かいなくかれらるるものかは。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「なにを云やあがるんだ。うぬの知ったことじゃあねえ」と、又蔵は面をふくらせて這い起きた。「ぐずぐず云やあがると今度はうぬが相手だぞ」
半七捕物帳:11 朝顔屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかいまこそあまったるうえてをるうぬ今夜こんや推參すゐさんに、やがてにがあぢせてくれうぞ。
先生よしなに、とは言い得ないで、秘し隠しをする料簡りょうけんじゃ、うぬが家を野天のでんにして、おんなとさかっていたいのだろう。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「嬉し悲しの色さへ見せぬなれが眼は、鉄と黄金こがね混合まじへたる冷き宝石の如し。」と云ひたるも、この種の女の眼にはあらざるか。
夜あるき (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「わが欲情、隊商カラバンの如くかたに向ふ時、なれが眼は病める我が疲れし心を潤す用水の水なり。」と云ひ、又、
夜あるき (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
人なみ/\の心より、思へばなれはこの我を、憎きものとぞうらむらん、われも斯くこそ思ひしが、のりの庭にてなれにあひし、人のことの葉きゝけるに
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
番「おのれ一昨日おとといこの店で帯を締め直す時に落した手紙は、お嬢さんに頼まれて粂之助の処へ届けようとしたのじゃないか」
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おのれくさったあぎとをば、まッのやうに押開おしひらいて、(と廟の扉をぢあけながら)おのれへの面當つらあて
「やあおのれよくもよくも、我等の味方を箭先にかけ、二人までも射て取ったな。もはや許さぬ、槍を喰らって、この世をおさらば、往生遂げろ!」
弓道中祖伝 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
なんぢ炎威えんゐたゝかへ、うみやまくさいし白熱はくねつして、なんぢまなこくらまんとす。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「ふん、海賊のおきまりのおどし文句だ。『止れ、我、なんぢに語るべき用事あり。』と言ふんだらう。信号簿をくつて見るまでもないや。」
怪艦ウルフ号 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
しかして國沴こくてん一偈いちげつくなんぢ流水りうすゐかへるをおくるべしとて、よつぎんじてふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「ぬかしてよ。われや汝で、何ぜ俺とこを母屋やなんてたれるのや。どこで聞いて来た。他家ひとんとこへ来るなら来るで、ちゃんとして来い。」
南北 (新字新仮名) / 横光利一(著)
しの「それに就いて、勇助どんはわれと一緒に若旦那へいて出たが、勇助どんはけえらねえが、なにか矢張やっぱり汝がと一緒か」
われ何處どこくんだ。こうれ」勘次かんじつかまうとしたがおつぎはねぢつてさつさとく。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
畜生ちくしやうめ、そしてへんなものをあらふとおもつた。てめえ、そりや間男まをとこおに腹卷はらまきぢやねえかい。」
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『何をもじもじして居るのだ。どうもてめえは煮え切らねえ男だ。刀鍛冶が、そんな鈍じゃあ駄目だ。もっと、すっぱりと、歯切れをよくしろよ、歯切れを』
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『おおたつ洒落しゃれた苦情をいうなあ。この賭場とばばかりじゃねえ。何処の場でも、てめえの小細工は名うての事じゃねえか』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五重塔をきさま作れ今すぐつくれとおそろしい人にいいつけられ、狼狽うろたえて飛び起きさまに道具箱へ手を突っ込んだは半分夢で半分うつつ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
三「コレ/\甚藏、きさまが云うと己が殺して死骸を引取って、葬りでもした様にうたぐって、おかしくそんな事を云うのか」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「はあ、うそふまい、馬鹿野郎ばかやらうきさまおやぢと、おれ兄弟分きやうだいぶんだぞ。これ。」
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おのれ化物、再び姿を現わさば真二つと、刀の柄に手をかけて霎時しばしの間、くらき水中を睨み詰めていたが、ただ渦巻落つる水の音のみで、その後は更に音の沙汰もない。
河童小僧 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
又九郎はおのれ斬りやアがったなと空鉄砲からでっぽうを持って永禪和尚に打って掛るをぱずして、
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「黙れ黙れッ、気儘きままに云わしておけば好き勝手な囈言たわごとおのれ如きに身の指図を受けようか」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「御主君には、何としても、お聞き入れはないのだ。道三様のみかお父上もまた、部屋住へやずみの分際で、おことらが知ったことではないと——」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
——また、左様に首尾よく調ととのい終らば、おことらには、伊勢伊賀などの内で、関所の地を、それぞれ功としてつかわすであろう。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「身内の者どもが、柳の間で酒もりしておる。おことらも、打ち交じって、遊んでゆけ。筑前も相手になって遣わしたいが、風邪ゆえ早うやすむ」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いらはいったい、何のために、かくは勝家の討って出るを、はばめるのか。勝家を迎えるあいだに、なぜ目に見えている敵をささえぬか」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「このわっぱめッ。そげな悪性あくしょう真似まねしさらすと、れが父者ててじゃのように、れも今に、闇討ち食ってくたばりさらすぞ」
剣の四君子:03 林崎甚助 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よき、それえゝ加減かげんにするもんだよりや」おつぎはまだ茶碗ちやわんはなさない與吉よきちいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そなたってかうとおもって、今日きょうはわざわざ老人としより姿すがたけて出現てまいった。
上人庭下駄脱ぎすてて上にあがり、さあそなた此方こちへ、と云いさしてに持たれし花を早速さそく釣花活つりはないけに投げこまるるにぞ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そなたすてられてなにとしてかにはつべき、こゝろおさなければにあまることもらん
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
酔つて疲れて私の瞼はイラ痒いとは云へ、人よいましがそのやうなことを気にするのであれば、あゝ、それは世間をばかり心の中に相手として置いてゐるからだ。
垂乳根たらちねははさはらばいたづらにいましわれことるべしや 〔巻十一・二五一七〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ここに天つ神の御子「いましは誰そ」と問はしければ、答へ白さく、「は國つ神名は贄持にへもつの子」とまをしき。
そち修行しゅぎょうもここで一段落だんらくついたようじゃ。これからべつ修行場しゅぎょうばれてまいる……。』
「何だ。今となってその説は、それは滝川一益かずますなどが大事を取って申した説で、そちの策は、それに反対であったはずではないか」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『そうじゃ……今度こんど修行場しゅぎょうばはきっとそちるぞ……。すぐ出掛でかけるとしよう……。』
「キッコ、うなの木ペン見せろ。」にわかに巡査じゅんさ慶助けいすけが来てキッコの鉛筆えんぴつをとってしまいました。
みじかい木ぺん (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
『嘘でねえでヤ。俺ア眞實ほんとに、うなアせえ承知してえれば、夫婦いつしよになりてえど思つてるのに。』
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『嘘でねえでヤ。俺ア真実ほんとに、うなアせえ承知してえれば、夫婦いつしよになりてえど思つてるのに。』
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「ほんとに何人もいないから、遠慮はいりません」少女の方を見て、「お客さんは、はにかんでいらっしゃるから、おまえだちがあげておやりよ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
言句もんくばかり言ってるさ、構わないでおくがい。なあにおまえが先へ来たって何も仔細しさいはなかろうじゃないか。」
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「帰れ、帰れ、帰っておくれ、畜生ちくしょうおまえが女狂いをしたばかりに、とうとう俺を殺しちまった、帰れ、帰っちまえ」
一握の髪の毛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「あの鵞鳥の事を言はつしやりますのか。あれはおまへ折角のお越ぢやからと思つて、たつた今絞め殺して汁の身に入れときましたぢや。」
日出雄ひでをや、おまへちゝとは、これから長時しばらくあひだわかれるのだが、おまへ兼々かね/″\ちゝふやうに
さりながらあの市ヶ谷の監獄生活は誠に貴い省察と静思との時間をおまへに与へたと、鏡の中から悲しげな両の瞳が熟視みつめる……
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
てまえと己が兄弟ということを知らないで畜生同様夫婦に成って、永い間悪い事をしたが、もう命の納め時だ、己も今すぐあとから往くよ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
成程此奴こいつは何うもひどい下手だナ、てまえは、エヽ骨の上などを揉む奴が有るものか、少しは考えてれ、ひどく痛いワ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
作「これこれ長助、手暴くせんがい、腹立紛れにてまえが毀すといかんから、矢張やっぱり千代お前検めるがい」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
にしこそ身体からだを大事にしろ。知らねえ他国で、病気でもしたら……」梅三爺は、涙にさえぎられて、言い続けることが出来なかった。
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
咽喉のど渇いて仕様ねえがら、蜜柑買わせっさやったのに、飴玉など買って……ほして、その飴玉はやあ? にしあ、一人で食ってしまったのがあ?」
蜜柑 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
「耕平! にしあ早く立派な稼人かせぎてになんなくちゃいけねえぞ。俺等はもう駄目だからなあ。早く立派な馬でも飼うようになって……」
(新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
雀来よ、雀来よ来よ、いとせめてめよこの米、ひもじくばふふめこの米、みましらが饑ゑずしあらば、うまからば、うれしくかはゆく鳴くならば、白玉あはれ。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
雀来よ、雀来よ来よ、いとせめてめよこの米、ひもじくばふふめこの米、みましらが饑ゑずしあらば、うまからば、うれしくかはゆく鳴くならば、白玉あはれ。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ここに伊耶那岐の命、詔りたまはく、「愛しき我が汝妹なにもの命、みまし然したまはば、は一日に千五百ちいほ産屋うぶやを立てむ」とのりたまひき。
マア、聞きてえとおもってもらおう。おらあおめえの運は汝にまかせてえ、おらが横車を云おう気は持たねえ、正直にかくさず云ってくれ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そん時だ、われの、顔は真蒼まっさおだ、そういうおめえつらは黄色いぜ、ととまの間で、てんでんがいったあ。——あやかし火が通ったよ。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
新「強請事ねだりごとをいわずに遣って呉れ、其の代り首尾よく遣って利を見た上でおめえに又礼をしよう」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
罪人「やい、わりゃア何者だ、死者狂いのおいらを何故なぜ止めるか、ふざけやアがると其の分には棄置すておかねえぞ」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わりゃア何者? ……見ればまだ小娘! ……それなのに、妾の、頼母様のことを! ……」
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
わりゃア!」と姥が素早く認め、「その方は、おおおお、知っとる知っとる!」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
わりゃ、はいはいで、用を済まいた顔色がんしょくで、人間並に桟敷裏を足ばかりで立って行くが、帰ったら番頭に何と言うて返事さらすんや。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わりらが媾曳あいびきの邪魔べこく気だな、俺らがする事にわれが手だしはいんねえだ。首ねっこべひんぬかれんな」
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
わり乞食ほいと盗賊ぬすっとか畜生か。よくもわれが餓鬼どもさ教唆しかけて他人ひとの畑こと踏み荒したな。ちのめしてくれずに。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
……むら鳥の我が群れいなば、ひけ鳥の我がひけいなば、泣かじとはは言ふ登母、やまとの一本薄 うなかぶし汝が泣かさまく 朝雨のきりに立たむぞ……
副詞表情の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
……群鳥ムラトリの吾が群れ往なば、ひけ鳥のわが引け往なば、泣かじとはは言ふとも、やまとのひと本薄モトスヽキ、うなかぶし汝が泣かさまく、朝雨のさ霧に立たむぞ……(古事記上巻)
日本文章の発想法の起り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
が命きこしめせとのりたまふ御命を「畏自物」受賜食国天下恵賜治賜……
小「てまいは何んだ、賊だな、音羽が左様のことでわしに無心をいうわけはない、また金はもとより懐中には無いが、寄り附くとゆるさんぞ」
庄「なに宜く先程は失敬を致したな、一分いちぶん立たんからてまいを殺し、美代吉をも殺害せつがいして切腹いたす心得だ」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
小「これへ参って見ろ、己も眼が悪いから斬られようが、其の代りてまいも殺し、差違って死ぬからう思え」
何故なぜですと伺ったら「そりゃそうくさい、おどんが、ぬしいよか詩の出来るごつ、いつでん金光こんこう様にお願いしとるけんくさい。」といわれた。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
こっからここまじゃあ俺らがもん、そこからそこまじゃあぬしがもんと、区別う付けて置くから、はあ人のもんまで欲しくなる。
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「シップの——おぬしらの部落ではなかろうか、開墾の火でもあろうか、よくご精の出ることだ、——うらやましいことだ」
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
するとしゅっこが、吉郎、おまい上流かみからって来い、追え、追え、と云いながら、じぶんはだまって立って見ていた。
さいかち淵 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
するとしゅっこが、吉郎、おまい上流かみから追って来い、追へ、追へ、と云ひながら、自分はだまって立って見てゐた。
さいかち淵 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
きんさんおまい情無い、わたしにそんなことを聞かなくちゃアならない事をしておくれかエ。エ、エ、エ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ふん。ワケは聞き出したね。南家ナンケ嬢子ヲトメは、どうなつた——。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ふん。ワケは聞き出したね。南家ナンケ孃子ヲトメは、どうなつた——。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
ふん。ワケは聞き出したね。南家ナンケ孃子ヲトメは、どうなつた——。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
グレ へッ、かまはいで放任ほうっておくのでがな、それがおぬし弱蟲よわむし證據しょうこぢゃ。
無情つれなこの浮世うきよ法度はっとはあっても、つゆおぬしためにはならぬ。
「松公、おぬしは放生の亀の話を知っておるか」
放生津物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)