“面”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おもて33.5%
つら25.5%
めん12.1%
おも10.5%
づら5.6%
かお4.6%
3.2%
かほ1.5%
がお0.5%
0.4%
オモテ0.4%
まのあた0.3%
メン0.3%
オモ0.2%
ヅラ0.1%
まのあたり0.1%
むか0.1%
0.1%
ツラ0.1%
がほ0.0%
プレーン0.0%
おむて0.0%
おもしろ0.0%
おもぶせ0.0%
おもわ0.0%
かんばせ0.0%
しか0.0%
ほう0.0%
まの0.0%
まのあ0.0%
0.0%
もて0.0%
オメ0.0%
プラン0.0%
ベタ0.0%
ミカケ0.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まだ昨日きのうったあめみずが、ところどころのくぼみにたまっていました。そのみずおもてにも、ひかりうつくしくらしてかがやいていました。
幾年もたった後 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その諦めもほんのうわつらのもので、衷心に存する不平や疑惑をぬぐい去る力のあるものではない。しかたがないからという諦めである。
それといふのが、時節柄じせつがらあつさのため、可恐おそろしわるやまひ流行はやつて、さきとほつたつじなどといふむらは、から一めん石灰いしばひだらけぢやあるまいか。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
夜もすがら枕近くにありて悄然しよんぼりとせし老人二人のおもやう、何處やら寢顏に似た處のあるやうなるは、此娘このこの若しも父母にては無きか
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そこで、いくらかの抗弁はこころみたものの、相手は、役職も上だし、禁門のおう師範とあっては、役人づら権柄けんぺいも歯が立たなかった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なぜならつくえかどは、小刀こがたなかなにかで、不格好ぶかっこうけずとされてまるくされ、そして、かおには、縦横じゅうおうきずがついていたのであります。
春さきの古物店 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぎっしり詰った三等車に眠られぬまま、スチームに曇るガラス窓から、見えぬうかがったり、乗合と一、二の言をかわしなどする。
雪の武石峠 (新字新仮名) / 別所梅之助(著)
「ぢや、ねいさんは何方どちらすきだとおつしやるの」と、妹は姉の手を引ツ張りながら、かほしかめてうながすを、姉は空の彼方あなた此方こなたながめやりつゝ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
七兵衛もあきがおです。すばしっこいのは今にはじめぬことだが、かくまで澄まし返って、脂下やにさがっていられるとしゃくです。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その外のあたり人にびて退いて人をそしるとか、表面うわべで尊敬して裏面りめん排撃はいげきするとか社会の人に心の礼のない事は歎ずるに余りあり。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
サハつても觸つても、巖ばかりである。手を伸すと、更に堅い巖が、掌に觸れた。脚をひろげると、もつと廣い磐石バンジヤクオモテが、感じられた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
いはんまのあたりこれを語るをや。我は喜んで市長一家の人々と交れども、此の如き嫌疑を受くることを甘んじて、猶その家に出入すべくもあらず。
または蛇のことである。此神は、顔にはメンを被り、体は蔓で飾り、二神揃つて踊れば、村の若者も此を中心にして踊り出す。
鬼の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
癪に触つたから持つてゐた鉢をぱつと捨てゝしまつた。それで、その時から「オモなきことをば、はぢを棄つとはいひける」
国語と民俗学 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
大風をつき拔く樣な鋭聲トゴエが、野ヅラに傳はる。萬法藏院は、實にセキとして居た。山風は物忘れした樣に、鎭まつて居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
汝また彼の事を心に記してたづさへ行くべし、されど人に言ふなかれ。かくて彼はまのあたり見る者もなほ信ずまじきことどもを告げ 九一—九三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
東仲町が大川橋にかかろうとするそのたもとを突っ切ると材木町、それを小一町も行った右手茶屋町の裏側に、四軒長屋が二棟掘抜井戸を中にしてむかい合っている。それが甚右衛門店であった。
「おい、名なしの権兵衛ごんべえ、近頃じゃおつう高く留ってるじゃあねえか。いくら教師の飯を食ったって、そんな高慢ちきならあするねえ。ひとつけ面白くもねえ」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
若い時分からジジイみたいな半老はんぼケのツラをしていたんだ、いくら剃っても髭はぎしぎし生えるし、毎日お湯にはいっても顔はきれいにならない、僕はね
蜜のあわれ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
とげ死人を取て遣すぞと云るゝゆゑ九郎兵衞夫婦はしめたりと思ひ莞爾々々にこ/\がほに居たりけり大岡殿は九助に向はれ面を上いと云れ同人の面體めんてい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
少し明る味がさした、明る味のさした方角を東に定めている、その東の空が、横さまに白く透いた、奥の奥の空である、渋昏しぶくらく濁った雲の海のプレーンが、動揺混乱するけはいが見える。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
にんじんは、ためらわず、喜びにおむてを輝かす。彼は、この場合、自分のすべきことを知っている。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
古雅結構、おもしろき事に御座候。(森云。面の下原文白字を脱す。)土佐画の画工等、或は社頭の式ををみる人あり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
幾度いくたびか立出でゝ、出で行きし方を眺むれど、沈み勝なる母のおもぶせは更なり、此頃とんぼ追ひの仲間に入りて楽しく遊びはじめたる弟の形も見えず。日は全く暮れぬれども未だ帰らず。
鬼心非鬼心:(実聞) (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
いつまでかおもわ輝く
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
たとえば、徳川内府の如き老獪ろうかいに、われらは天下を渡すわけには参らぬ! 秀頼公をさしおいて、のめのめと、内府の思うつぼへ天下を差し出して、何と、故太閤殿下へ、あの世で会わすかんばせがあるか
大谷刑部 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お房が周三のモデルになつて、彼の畫室ぐわしつのモデルだいに立つやうになツてから、もう五週間しうかんばかりになる。しか製作せいさく遲々ちゝとして一かう捗取はかどらぬ。辛面やツとかげとひなたが出來たくらゐのところである。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
あたしは善兵衛さんに手伝って、いつになく機嫌よく壁張りの手伝いや見物や助言をした。それは逆さまだ、こっちのほうのりをつけた方がよいのと。
とはいえそれは忍ぼうと思えば忍びもなろうが、まのあたりに意久地なしと言わぬばかりのからみ文句、人を見括みくびッた一言いちごんばかりは、如何いかにしても腹にえかねる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
読者よ余は当時医学生たりしだけに死骸を見たるは幾度なるを知らず病院にも之を学校にも之を見たり、しかれどもまのあたり犯罪の跡を見たるは実に此時が初てなり。
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
ここに市の邊の王の王子たち、意祁おけの王、袁祁をけの王二柱。この亂を聞かして、逃げ去りましき。かれ山代やましろ苅羽井かりはゐに到りまして、御かれひきこしめす時に、ける老人來てその御かれひりき。
さじ一本で千代田の大奥に伺候したことさえあるので、いまだに相良玄鶯院と御典医名で呼ばれている名だたる蘭医らんい、野に下ってもその学識風格はこわもての浪士たちをあごの先でこき使って、さて
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「まけ柱ほめて造れる殿の如、いませ。母刀自オメ変りせず」(万葉巻二十、四三四二)は真木柱より其を建て、其様にゆるぎなかれとほぎ言して造つた殿と言ふので
プランは向うの人の考であるが、然し「こなし」がはっきりゆけば自ら面が出て来る訳である。父などは「こなし」一本であった。彫刻に駄肉があるということが非常にいけないと言う。
回想録 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
耕二は、独楽を廻して置いては、頬を殆んど地ベタにつけるやうにして独楽の心棒をみつめてゐた。だが兄がそこに近づいてからは、心棒と兄の顔を等分にみながらニヤニヤと笑つた。
耕二のこと (新字旧仮名) / 中原中也(著)
なかなか味なシブイことをするじゃないか。あのミカケ強盗タタキをしようたあ、ちょっとだれも気がつかねえからな。……どうもナメた野郎だよ。それで、いままでヌケヌケと東京にアンゴしているてえんだから……
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)