“媚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
41.7%
こび33.2%
なまめ12.5%
なま9.4%
なまめか1.4%
0.7%
あでや0.2%
あま0.2%
いろ0.2%
こぶ0.2%
しび0.2%
なまめき0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私と云ふ先妻の長男を家庭内で冷遇することが少なからず後妻の気にかなふので、父はさかんに私を冷遇して後妻にびる癖があつた。
ある職工の手記 (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
「ぢやアぼくは帰るよ。もう………。」とふばかりで長吉ちやうきち矢張やは立止たちどまつてゐる。そのそでをおいとは軽くつかまへてたちまこびるやうに寄添よりそ
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
妹はなまめかしい派手づくりで、僕等の町でみる酌婦などよりは遥かに高等、おそらく何処かの芸妓であろうと想像されることであった。
水鬼 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
どこからか甲高い、少々なまめかしい声が聞こえて来た。吾輩はバッタリと立止まった。バッタリというのは月並な附け文句ではない。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
行先ゆくさきあんじられて、われにもあらずしよんぼりと、たゝずんではひりもやらぬ、なまめかしい最明寺殿さいみやうじどのを、つてせうれて、舁据かきすゑるやうに圍爐裏ゐろりまへ
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
およそ政治上においても、経済上においても、を呈し、てんを献じ、百怜千悧ひゃくれいせんり、みずから幇間者ほうかんしゃ流をもって任ずるの輩は、深く責むるにも足らず。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
二人の刑事の顔、壮平爺さんの嬉しそうな顔、そしておさ馴染なじみの清子の無邪気むじゃきな顔、——それが見る見るあでやかな本牧の女の顔に変る。
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あいちやんはあまへるやうなこゑで、『まァ、可哀相かあいさうに!』とつて、おもはず口笛くちぶえかうとしました、が、てよ、其犬そのいぬころがゑてては
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
やがていろある花咲かん
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
彼世人にへつらうが故に彼の教会に聴衆多しと、某氏の学校の隆盛を聞けばいわく彼高貴にこぶるが故に成功したりと、余は思えらく真正の善人にして余と説を同うせざるの理由なしと、天主教徒たり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
絶えて久しい心のふるさと寄席への郷愁——全身全魂が、まるで南蛮渡りの秘薬の匂いでも嗅がされたよう、うれしく、悲しく、ただぼんやりと憑かれたようにしびれてきてしまっていた。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
山の屋敷にしては、贅沢な膳部が、燭のなまめきに見まもられていた。側には、彼の子のすこし出来の悪い主水もんどが、時々、玉枝の顔ばかり見ながら、銀の銚子ちょうしをとって、父のしゃくをしていた。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)