“なまめか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
60.0%
26.7%
妖艶3.3%
3.3%
艶媚3.3%
3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、その時彼のそばに坐った眉の濃い一人の芸妓げいしゃの姿や、その声音こわねや、いろいろのなまめかしい仕草しぐさが、浮ぶのである。
夢遊病者の死 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
あわれ、茄子なす、二ツ、その前歯に、鉄漿かねを含ませたらばとばかり、たとえんかたなく﨟長ろうたけて、初々しく且つなまめかしい、唇を一目見るより、と外套の襟を落した。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
人間の眼に触れてはならぬ妖艶なまめかしさの極み……そのものの姿であった。
復讐 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
長崎へゆくまえに逢ったときの、色濃いなまめかしさや、まぶしいほど華やかな美貌は、殆んどあとをとどめない。
……といって閨房けいぼうあかりらしい艶媚なまめかしさも、ほのめいていない……夢のように淡い、処女のように人なつかしげな、桃色のマン丸い光明こうみょうが、巨大おおきな山脈の一端はならしい黒い山影の中腹に
白菊 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そこへしどけなく亂れた袴やうちぎが、何時もの幼さとは打つて變つたなまめかしささへも添へてをります。これが實際あの弱々しい、何事にも控へ目勝な良秀の娘でございませうか。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)