“嬌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なま56.9%
なまめ17.2%
あま10.3%
あで1.7%
いろ1.7%
きょう1.7%
けう1.7%
たか1.7%
たを1.7%
なまめか1.7%
なまめかし1.7%
にこ1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
燈の消えた闇の中で、隣にむなしく延べてある妻のなまめかしい夜具を見まもりながら、浅二郎はまじまじといつまでも眠れずにいた。
入婿十万両 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
坐り直すとかえって、躯の線のやわらかさと、なまめかしさとが際立つようにみえた、「いいこと、お師匠さん」と女はあまえた口ぶりで云った
五瓣の椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
父は卓子テーブルにもたれて何かしきりと書きなぐつてゐた。娘はあまえるやうに父の手をとつた。そして教授がたつた今自分に結婚を申込んだ事を話して
また俗間ぞくかんの伝説では、昔一女子があって人をおもうてその人至らず涕涙ているい下って地にそそぎ、ついにこの花を生じた。それゆえ、この花は色があでやかで女のごとく、よって断腸花だんちょうかと名づけたとある。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
新柳町の花街かがいではなかなかの遊び手だといわれ、いろめいたうわさが絶えなかったし、出三郎などもそのうちの幾つかが事実であることを知っていた。
艶書 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
家の内でばかりきょうを誇っている婦人のごときものであると揶揄やゆしているものとしか考えられない。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金屋きんをく、粧ひ成って、けうとして夜に
出世をたかぶらない、下のものにも気の軽そうな気質は、一言ひとこと二言ふたことの言葉のなかにもほのめいて見られる。
大橋須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
雌鳥めとりればたをやかに
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
長崎へゆくまえに逢ったときの、色濃いなまめかしさや、まぶしいほど華やかな美貌は、殆んどあとをとどめない。
葡萄茶えびちや細格子ほそごうし縞御召しまおめし勝色裏かついろうらあはせを着て、羽織は小紋縮緬こもんちりめん一紋ひとつもん阿蘭陀オランダ模様の七糸しつちん袱紗帯ふくさおび金鎖子きんぐさりほそきを引入れて、なまめかしき友禅染の襦袢じゆばんそでして口元をぬぐひつつ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
にこやかに、かぶりを振って
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)