“あで”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アデ
語句割合
78.2%
5.1%
婀娜3.8%
3.8%
1.3%
1.3%
1.3%
妖婉1.3%
1.3%
貴寶1.3%
阿艶1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なゝめに振り上げて、亂れかゝる鬢の毛を、キリキリと噛んだ女の顏は、そのまゝ歌舞伎芝居かぶきしばゐの舞臺にせり上げたいほどのあでやかさでした。
あでなる女君をんなぎみよ、なつかしき身振みぶりもて
失楽 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
されば、気高いと申しても、天人神女てんにんしんにょおもかげではのうて、姫路ひめじのお天守てんしゅはかまで燈台の下に何やら書をひもどく、それ露がしたたるように婀娜あでなと言うて、水道の水で洗い髪ではござらぬ。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
我黄金をおん身と分ちて、おん身のあでやかなる姿を飾るかてとなさんとこそ願へ。貴き飾を身に着け給はば、おん身の美しさ幾倍なるべきぞ。おん身の友だちは皆おん身を羨むべし。
綾羅りようらの袂ゆたかにひるがへるは花に休める女蝶めてふの翼か、蓮歩れんぽふしきふなるは蜻蛉かげろふの水に點ずるに似たり。折らば落ちん萩の露、ひろはば消えん玉篠たまざゝの、あはれにも亦あでやかなる其の姿。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
聞けば御僧の坊も同じ嵯峨なれば、心當こゝろあたりの人もあらば、此事つたへられよ。同じ世に在りながら、斯かるあでやかなる上﨟の樣を變へ、思ひじにするまでにつれなかりし男こそ、世に罪深つみふかき人なれ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
むかし住吉のやしろで芸者を見た事がある。その時は時雨しぐれの中に立ち尽す島田姿が常よりはあでやかに余がひとみを照らした。箱根の大地獄で二八余にはちあまりの西洋人にった事がある。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
厚きしとねの積れる雪と真白き上に、乱畳みだれたためる幾重いくへきぬいろどりを争ひつつ、あでなる姿をこころかずよこたはれるを、窓の日のカアテンとほして隠々ほのぼの照したる
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
やさし美しいとおしの、姿や妖婉あで女郎花おみなえし、香ばしき口にたえの歌、いとも嬉しき愛のぬし、住むふるさとの極楽に、まされるわらわの楽しみを、受け給わねば世の中に、これより上のおろかなし
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
また俗間ぞくかんの伝説では、昔一女子があって人をおもうてその人至らず涕涙ているい下って地にそそぎ、ついにこの花を生じた。それゆえ、この花は色があでやかで女のごとく、よって断腸花だんちょうかと名づけたとある。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
開命さくいのち貴寶あで
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
阿艶あでに匂へる花なれば
氷島 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)