“繙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひもと92.0%
ひもど4.0%
はぐ1.6%
ひも0.8%
ひもとゐ0.8%
ひろ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
卑しくも私の趣味性をそそるものあらば座右に備えて悠々自適ゆうゆうじてきし、興来って新古の壱巻をもひもとけば、河鹿笛かじかぶえもならし、朝鮮太鼓も打つ
亡び行く江戸趣味 (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
……戦争がその背後に在る国民の心を如何に虚無的にし、無道徳にし、つ邪悪にするかという事実は、吾が独逸の国民史をひもどいてみても直ぐにわかる事である。
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
安子さんが内藤夫人を見送って茶の間へ戻った頃、三角関係のページはぐつくした姪の八千代さんは不図ふと我に返って腕時計を見ると、きっかり五時だった。
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
我之をひもどきてさながら永年相見ざりし骨肉の兄に逢ひたる様の心地したり。この書を読みて俄かに往時の恋しさ堪へがたく、漸やく探し出したる少年時代の歌稿文稿またこの机上にうづたかく積まる。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
みかきのはこれもとりて、割據かつきよつくえうへりかゝつて、いままで洋書ようしよひもとゐたは年頃としごろ二十歳はたちあまり三とはるまじ、丸頭まるあたまの五がりにてかほながからずかくならず、眉毛まゆげくて黒目くろめがちに
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其時、人々の背後うしろに腰掛け、手帳を繰りひろげ、丑松や文平の肖顔にがほを写生し始めたのは準教員であつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)