“ひも”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒモ
語句割合
87.4%
3.2%
2.9%
2.1%
0.8%
0.8%
0.8%
悲母0.5%
空腹0.5%
情夫0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
飾紐0.2%
0.2%
𦄂0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
室内に張られたには簡単着の類が乱雑に掛けられ(島民は衣類をしまわないで、ありったけだらしなく干物のように引掛けておく)
その大野木まで行けば、小浜行きの乗合が出るということですし……仕方がない、草臥れてもじくても、大野木まで行くほかはないのです。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
そして祝詞が終るにはもうじくて/\気が遠くなる程になるので、出された御馳走を、まるで餓鬼のやうにがつ/\がぶ/\と喰べたり、飲んだりして
蛇いちご (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
厄介な仕事の渦中に飛び込むと、眠さもじさも忘れて飛び廻る八五郎は、錢形平次に取つては、なくてはならぬ『見る目、嗅ぐ鼻』だつたのです。
「おや、しまった」と、こんどはお手をつかみますと、そのお手の玉飾りのもぷつりと切れたので、なくお手をすりいておげになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
私は昨日からのじさが、目を覚ますとともに堪えがたく感じてきて、起き上る力もない。そっと仰向きに寝たまま、何を考える精もなく、ただ目ばかりパチクリ動かしていた。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
仰せのごとく額をかくすの、黒い色が著るしく目についたのは今先の事であったに、ふと見ると、か飾か、紋切形に左右に流す幅広の絹さえ、ぼんやりと近づくを迎えて
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
悲心の闇、悲母の迷い、風流を解すおばばではないが、秋の虫、萩すすき、前にはゆるい大川のながれ。——こうした中に身を置いては、彼女も、もののあわれに誘われぬ人間ではあり得ない。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
激しく空腹じくなりけむつるみてのち一心に豚は草めりけり
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その界隈のぐれ仲間の一人である長さんと結託し、長さんを浪花節語りの色男に仕立てゝ、おきみの政略的情夫としたのである。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
それに、彼女に手枷足枷をはめてゐる政略的ひもはあつても、彼女を逃亡させようとする情夫は一人もなかつたのだ。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
二人が、ランチのをといているところへ、また一人、飛ぶようにけつけてきた者があった。
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
我之をどきてさながら永年相見ざりし骨肉の兄に逢ひたる様の心地したり。この書を読みて俄かに往時の恋しさ堪へがたく、漸やく探し出したる少年時代の歌稿文稿またこの机上にかく積まる。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
その時君は控鈕附きたる短き上衣を着たまひしこと今も忘れず。その衣をめづらしと見しゆゑ、久しく記憶に殘れるなるべし。我。君は又胸の上に美しき赤きを垂れ給ひぬ。
千々岩は今摘みしの花を胸の飾紐にさしながら
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
宿なしの彼は同室者に対する気兼ねから、じい体を打ちながら、いつも用ありげに雑沓のなかを歩いていた。金はなく、彼の関係している雑誌も久しく休刊したままだった。
火の唇 (新字新仮名) / 原民喜(著)
これは高さ十四インチで、最大直径の部分に粘土の𦄂がついている。いう迄もないが赤い粘土で、厚くて重く、より北方で見出される如何なる陶器とも違ったものである。