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餓
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ひも
ふりがな文庫
“
餓
(
ひも
)” の例文
『決して後の事心配しなさるでねえよ。私
何様
(
どんな
)
思いをしても、阿母や此児に
餓
(
ひも
)
じい目を見せる事でねえから、安心して行きなさるが可えよ。』
昇降場
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
厄介な仕事の渦中に飛び込むと、眠さも
餓
(
ひも
)
じさも忘れて飛び廻る八五郎は、錢形平次に取つては、なくてはならぬ『見る目、嗅ぐ鼻』だつたのです。
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
けれども夜中になると、何んとしても我慢ができないほど
餓
(
ひも
)
じくなってきた。そっと女中部屋を出て、手さぐりで冷えきった台所に行って、戸棚を開けた。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
四半桶の
秣
(
まぐさ
)
と、ひと握りの
糠
(
ぬか
)
しか食べていない、この
餓
(
ひも
)
じい馬にとって、それはまあ、なんという素晴らしい御馳走なのであろう! そしてまた、老人にとっても
キャラコさん:10 馬と老人
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
もっともこれはだいぶ
餓
(
ひも
)
じい時であったから、少しは差引いて勘定を
立
(
たて
)
るのが至当だが、けっして空腹のためばかりとは思えない。どうも矛盾——また矛盾が出たから
廃
(
よ
)
そう。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
「別に変った生活もしませんが、私達は日の出前に起床し、日が暮れて床に就き、明るいうちはせっせと働いて日を送っています。又
餓
(
ひも
)
じい時はお腹を一パイにするだけ御飯を食べます」
働く町
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
坊様も嬢様も無類の犬煩悩で入らつしやるから、爰の邸へ引取られてからは俺も飛んだ
幸福者
(
しあはせもの
)
で、今年で八年、
終
(
つひ
)
に一度
餓
(
ひも
)
じい目どころか、
両
(
りやう
)
に
四升
(
しゝよう
)
の鬼の牙のやうなお米を頂戴してゐた。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
突いて立っておれ! 少しは
餓
(
ひも
)
じい目を見るがよかろう!
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
……
餓
(
ひも
)
じくばまだしもよ、
栄耀
(
えよう
)
ぐいの
味醂蒸
(
みりんむし
)
じゃ。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小供は
餓
(
ひも
)
じさを訴え乍らもふとっていった
アンチの闘士
(新字新仮名)
/
今村恒夫
(著)
婆さんはまた驚いて出て来る。そうしてまた例のごとくヒヤ、サーと
窘
(
たしな
)
めて帰って行くと、先生は婆さんの
一拶
(
いっさつ
)
にはまるで
頓着
(
とんじゃく
)
なく、
餓
(
ひも
)
じそうに本を開けて、うんここにある。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
素
(
もと
)
より簡素な食事で、大名の倅の忠弘から見れば、これで人間が生きて行くのが不思議な位ですが、
餓
(
ひも
)
じい時の何んとやらで、
沢庵
(
たくあん
)
の尻尾も照り
田作
(
ごまめ
)
も、時に取っての珍味でないものはありません。
奇談クラブ〔戦後版〕:12 乞食志願
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
自分が空腹になって、長蔵さんに芋をねだったのは、つい、今しがたで、
餓
(
ひも
)
じい記憶は気の毒なほど近くにあるのに、この小僧の食い方は、自分より二三層倍
餓
(
ひも
)
じそうに見えたからである。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
渇
(
かつ
)
はしだいに
歇
(
や
)
んだ。そうして渇よりも恐ろしい
餓
(
ひも
)
じさが腹の中を荒して歩くようになった。余は寝ながら美くしい
食膳
(
しょくぜん
)
を
何通
(
なんとお
)
りとなく想像で
拵
(
こし
)
らえて、それを眼の前に並べて楽んでいた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
餓
常用漢字
中学
部首:⾷
15画
“餓”を含む語句
餓死
飢餓
大施餓鬼
男餓鬼
餓鬼
饑餓
餓鬼道
餓鬼振舞
施餓鬼
餓狼
餓莩
餓鬼大将
川施餓鬼
餓鬼草紙
餓虎
餓鬼大將
色餓鬼
女餓鬼
餓鬼奴
餓殍
...