“拵”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こしら73.3%
こさ13.2%
こし6.6%
こせ2.1%
ごしら1.9%
こしらえ1.0%
こしれ0.4%
こしらへ0.4%
しつら0.3%
あつら0.2%
つく0.2%
こさへ0.1%
こせへ0.1%
ごし0.1%
さば0.1%
そろ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この型を以て未来にのぞむのは、天の展開する未来の内容を、人の頭でこしらえたうつわ盛終もりおおせようと、あらかじめ待ちもうけると一般である。
イズムの功過 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「皆んなと一緒に晩飯をやつて居ました、——腹をこさへなきや、一と働きする力も出ません。何しろ半日怒鳴つて居る商賣ですから」
最初から客観的にある目的をこしらえて、それを人間にんげんに附着するのは、其人間にんげんの自由な活動を、既に生れる時に奪つたと同じ事になる。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「なんとどうでございます。声が悪くって節は附かぬが、新聞種には面白いよ。大方こんな事だろうと、昨夜ゆうべうちこせえておいた。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まだ警察から下渡さげわたされず、仏壇の前の白布で覆われた台には急ごしらえの位牌いはいばかりが置かれ、それに物々しく香華こうげがたむけてあった。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
時にお登和さん、私はこういう話を聞ました。東京のある氷店の主人が大層アイスクリームを上手にこしらえ平生へいぜい客に自慢するそうです。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
はばかんながらこう見えても、余所行よそゆきの情婦いろがあるぜ。待合まちええへ来て見繕いでこしれえるような、べらぼうな長生ながいきをするもんかい。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何所迄どこまで恰当こうとうこしらへかたはら戸棚とだなけるとたなつてあつて、ズーツと口分くちわけいたして世辞せじの機械が並んでる。
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
壁の中の隠し金庫——伯爵の書斎の書棚裏にしつらえられた隠し金庫を探しても、宝石貴金属類は、もはや、まったく皆無であった。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
其瞬間息がつまるように感じた。こんなに綺麗でそして雄勁ゆうけいな山の膚や輪廓を見た事がない。余り綺麗なのであつらえた物ではないかと、不図ふとそんなかんがえが浮んだ程である。
美ヶ原 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
磯屋跡の背戸口に、時折堅気につくった八丁堀の三人がひそかに誰かの冥福を祈っている図は、絶えて人の眼につかなかったらしい。
羽織はおりのお色気いろけ取合とりあひいこと、本当ほんたう身装なりこさへ旦那だんなが一ばん上手じやうずだとみんながさうつてるんですよ、あのね此春このはる洋服やうふくらしつた事がありましたらう、黒の山高帽子やまたかばうしかぶつて御年始ごねんしかへり
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
夫ぢやアやつて下さるか如何いかに吾儕われがことをかまて見せようが此姿すがたでは如何どうかう詮方しかたがねへ付ては身姿みなりこせへるだけ金をば五兩貸てくれ。
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「やっぱりそうですね、あっし共がお侍の真似をすると猿芝居だが、お侍の町人ごしらえてえのは品がようござんすな、まあ一つ、こんな人間の酒で失礼だが、旦那のはいま燗直しをしていますから」
七日七夜 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「(金子だ、金子だ。)ッてのッけから、器用にさばいておくんなすったで、こりゃ、もし。」
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これを上等にしますとプデンの出来た時一旦いったんテンピから出してジャムをその上へ一面に塗って泡立てた白身を引筒ひきづつから絞り出して飾りをそろえた上またテンピの中で二、三分間焼きます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)