“羽織”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はおり75.0%
はお15.1%
はをり3.9%
ばおり3.9%
はおっ0.7%
ばをり0.7%
ジヤムパア0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いまごろになると、毎年きまって、いけなくなるらしいのね。寒さが、こたえるのかしら。羽織はおりないの? おや、おや、素足で。」
秋風記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
その間に、女中頭の菅沼るい(五十歳)白い毛糸のジャケツを、ふとつたからだに軽く羽織はおつて勿体らしく右手のホールから現はれる。
(新字旧仮名) / 岸田国士(著)
にんは三じやくおびつツかけ草履ぞうり仕事師しごとし息子むすこ、一にんはかわいろ金巾かなきん羽織はをりむらさき兵子帶へこおびといふ坊樣仕立ぼうさましたておもことはうらはらに、はなしはつねちがひがちなれど
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
最も奇とすべきは溝部で、或日偶然来て泊り込み、それなりに淹留えんりゅうした。夏日かじつあわせに袷羽織ばおりてんとして恥じず、また苦熱のたいをも見せない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
高等学校の教授が黒いガウンを着出したのはその頃からの事であるが、先生も当時は例の鼠色のフラネルの上へ繻子しゅすか何かのガウンを法衣ころものように羽織はおっていられた。
今日けふならではの花盛はなざかりに、上野うへのをはじめ墨田川すみだがはへかけて夫婦ふうふづれをたのしみ、隨分ずいぶんともかぎりの体裁ていさいをつくりて、つてきの一てう良人おつと黒紬くろつむぎもんつき羽織ばをり女房にようぼうたゞすぢ博多はかたおびしめて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
百合子の丸窓を見ると、駆け込んで来た彼女が、羽織ジヤムパアを脱ぎ棄てゝ露はな腕に何か箱のやうなものを抱へて、また走り出て行く姿が映つたりした。
南風譜 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)