“唯”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ただ47.3%
たゞ19.5%
10.8%
6.8%
たった3.0%
たつた2.8%
たっ2.2%
たつ1.3%
はい0.7%
ゆい0.7%
ゆゐ0.6%
ひと0.6%
たヾ0.5%
タダ0.5%
0.5%
ほん0.5%
0.2%
あい0.1%
うん0.1%
たツ0.1%
いえど0.1%
おう0.1%
たた0.1%
たッ0.1%
0.1%
ひた0.1%
ひとり0.1%
ふと0.1%
ヤー0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただ、この大風呂敷の中へひとりでにまきこまれてゆく楽しさだけが、何の批判もなしに私たちの心へぐいぐいと迫ってくるのである。
早稲田大学 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
たゞならぬ樣子を見て、平次は女をみちびき入れました。奧の一間——といつても狹い家、行燈あんどんを一つ點けると、家中の用が足りさうです。
だ視界の開けた高い所に登って、濃緑の青葉の海に珊瑚礁の如く断続した黒い針葉樹林を連ねて、試に想像の一帯を描いて見ると
黒部峡谷 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
見る時、ほおおおへる髪のさきに、ゆら/\と波立なみだつたが、そよりともせぬ、裸蝋燭はだかろうそくあおい光を放つのを、左手ゆんでに取つてする/\と。
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
私達は教壇の卓子テーブルを中央へ持って来て、それを取巻いた。通学生は来なかったから、たった七名の会合だった。立花君が開会の辞を述べて
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
たつた一輛残つてゐた俥の持主は五年前に死んで曳く人なく、かじの折れた其俥は、遂この頃まで其家そこの裏井戸のわきで見懸けられたものだ。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
驚くまいことか、これがお政が外出そとゆきたった一本の帯、升屋の老人が特に祝わってくれた品である。何故なぜこれが此所ここに隠してあるのだろう。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
人間界にんげんかいではないものを……と、たついま亭主ていしゆなれたやうなこゑをして、やさしい女房にようばうなみだぐむ。おもひがけない、可懷なつかしさにむねせまつたらう。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はいなあにかはつたことでもござりませぬ、わし嬢様ぢやうさまのことはべつにおたづまをしませんから、貴女あなたなんにもふてはくださりますな。)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
馬をらせては、当代ゆい二の名ある作阿弥さくあみ殿、イヤ、かようなところに、名を変えてひそんでおられようとは……?
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
には木陰こかげけてしんみりとたがひむね反覆くりかへとき繁茂はんもしたかきくり彼等かれらゆゐ一の味方みかた月夜つきよでさへふか陰翳かげ安全あんぜん彼等かれらつゝむ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
而して京都はかねてより鎖国論の本拠にして、ひとり勅許を得ざるのみならず、断々然として不承諾の意を示せり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
真実ほんたうにあなたはお可哀相かあいさうです。お可哀相かあいさうです。あのかたのことをあなたが私へお話しになつたことはたヾ一度しかありません。結婚して一月ひとつきも経たない時分でした。
遺書 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
おれが見たのは、タダ一目——唯一度だ。だが、おまへのことを聞きわたつた年月は、久しかつた。おれによつて来い。耳面刀自。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ると、親父ちやん湯玉ゆだまはらつて、朱塗しゆぬりつて飛出とびだした、が握太にぎりぶと蒼筋あをすぢして、すね突張つツぱつて、髯旦ひげだんかたへ突立つツたつた。
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が、その女は何者である乎、現在何処にいる乎と、切込んで質問すると、「ほんの通り一遍の知り合いだからマダ発表する時期にならない、」
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
子曰く、しんや、吾が道、一以て之を貫くと。曾子曰く、と。子ず。門人問いて曰く、何の謂ぞやと。曾子曰く、夫子の道は、忠恕のみと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
乳母 はい/\、だまりまする、でもな、わらはいではをられませぬ、くのをめて、「あい」とはッしゃったとおもふと。
マーキュ うんうん引掻ひっかかれた/\。はて、これで十ぶんぢゃ。侍童こやっこめは何處どこにをる? 小奴やっこ、はよって下科醫者げくわいしゃんでい。
きふしました、『だれあたましたへおろしてくれゝばいなァ!もうたツ一人法師ひとりぽつちるのは可厭いやになつてしまつたわ!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
求といえども則ち邦に非ずや、いずくんぞ方六、七十しくは五、六十にして邦にあらざるものを見ん。赤といえども則ち邦に非ずや、宗廟と会同とは諸侯にあらずして如何せん。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
はじめて瞭乎りやうこたり、てんじて北方を俯視ふしすれば、越後の大部岩代の一部脚下にあつまり、陸地のくる所青煙せいえん一抹、とほく日本海をながむ、たたうらむむらくは佐渡の孤島ことう雲煙をふて躰をあらはさざりしを
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
造花なのだ。これはの部屋も大同小異だったが、たッた一つの部屋にはなくて、此部屋ばかりにある、謂わば此部屋の特色を成す物があった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
なんと、と殿樣とのさま片膝かたひざきつてたまへば、唯唯ははおそれながら、打槌うつつちはづれさふらふても、天眼鏡てんがんきやう淨玻璃じやうはりなり、ぢよをつとありて、のちならでは、殿との御手おんてがたし、とはゞからずこそまをしけれ。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
へいげんこのゆうべまた愛妾を携えて門前に出でぬ。出でて快げに新開地を歩み行けば、松の木蔭に雨宿りして、ひたれに濡れたる一個の貧翁あり。
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
頃者このごろ年穀ねんこく豊かならず、疫癘やくらいしきりに至り、慙懼ざんくこもごも集りて、ひとりらうしておのれを罪す。これを以て広く蒼生さうせいためあまね景福けいふくを求む。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
ふと、片側の一軒立いっけんだち、平屋の白い格子の裡に、薄彩色のすそをぼかした、艶なのが、絵のように覗いて立つ。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ヤーとや云はんナインとやいはん)
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)