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味方
「きっと
太郎は
海のあっちへいって、
自分の
味方を
連れてくるんだろう。そして、
仇うちをするんだろう。そうすると
怖ろしいな。」
いま、役人がしさいを書きあげているが、
味方の
斬りすてられた者二十四、五名、
手負いは五十名をくだるまいとのことでござった。
庭の
木陰に
身を
避けてしんみりと
互の
胸を
反覆す
時繁茂した
柹や
栗の
木は
彼等が
唯一の
味方で
月夜でさへ
深い
陰翳が
安全に
彼等を
包む。