槙本楠郎
1898.08.01 〜 1956.09.14
著者としての作品一覧
赤い旗(旧字旧仮名)
読書目安時間:約13分
貧しい子供たちよ。 おぢさんは、みんなが大へん可愛い。この本は君たちに讀んでもらひ、歌つてもらうために書いたのだ。金持の子供なんか讀まなくたつていい。 おぢさんは君たちのお父さんや …
読書目安時間:約13分
貧しい子供たちよ。 おぢさんは、みんなが大へん可愛い。この本は君たちに讀んでもらひ、歌つてもらうために書いたのだ。金持の子供なんか讀まなくたつていい。 おぢさんは君たちのお父さんや …
おふくろへ(新字新仮名)
読書目安時間:約3分
おふくろよ おれはおまえまで そうかわっていようとはおもわなかった まえばが一ぽんしかのこっていなかったというのではない あたまがまっしろになっていたからというのでもない またこし …
読書目安時間:約3分
おふくろよ おれはおまえまで そうかわっていようとはおもわなかった まえばが一ぽんしかのこっていなかったというのではない あたまがまっしろになっていたからというのでもない またこし …
かぶと虫(新字旧仮名)
読書目安時間:約11分
有一君は四年生で、真奈ちやんは二年生です。二人は競争で、毎朝涼しいうちに、夏休みの「おさらひ帳」を勉強します。今日もやつとすませたばかりのところへ、お隣の二年生の宗ちやんが、きれい …
読書目安時間:約11分
有一君は四年生で、真奈ちやんは二年生です。二人は競争で、毎朝涼しいうちに、夏休みの「おさらひ帳」を勉強します。今日もやつとすませたばかりのところへ、お隣の二年生の宗ちやんが、きれい …
きんまくわ(新字旧仮名)
読書目安時間:約4分
つばめは、まいあさ早く、すずしいたんぼの上へ、ツーイ/\ととんで来ました。そして身がるさうに、ななめにとんだり、クルリとひつくりかへつたり、作物の頭とすれすれにとんだりして、目をさ …
読書目安時間:約4分
つばめは、まいあさ早く、すずしいたんぼの上へ、ツーイ/\ととんで来ました。そして身がるさうに、ななめにとんだり、クルリとひつくりかへつたり、作物の頭とすれすれにとんだりして、目をさ …
栗ひろひ週間(新字旧仮名)
読書目安時間:約11分
「おい/\、みんな、よう聞け。今日はもう三時まへだから、通草をとつたり、野葡萄をとつて食つてちや、あかんぞ。今日は、一番おしまひの日だからな。一人が四合以上ひろふんだから、ひろつた …
読書目安時間:約11分
「おい/\、みんな、よう聞け。今日はもう三時まへだから、通草をとつたり、野葡萄をとつて食つてちや、あかんぞ。今日は、一番おしまひの日だからな。一人が四合以上ひろふんだから、ひろつた …
黒んぼ会(新字旧仮名)
読書目安時間:約4分
男の子たちはみんな、体中まつ黒にしたいと思ひました。色のなまつ白い男の子なんかは、この漁師の村ではバカにされました。それに夏休みがすんで九月になると、村の小学校では「黒んぼ会」があ …
読書目安時間:約4分
男の子たちはみんな、体中まつ黒にしたいと思ひました。色のなまつ白い男の子なんかは、この漁師の村ではバカにされました。それに夏休みがすんで九月になると、村の小学校では「黒んぼ会」があ …
仔猫の裁判(新字旧仮名)
読書目安時間:約13分
「こどもクラブ」では、日曜日ごとに、朝の九時半から正午まで、子供会がありました。このクラブは、町の大人たちのつくつてゐる「睦会」の二階で、六畳の間二つが、ぶつ通しになる明るい部屋で …
読書目安時間:約13分
「こどもクラブ」では、日曜日ごとに、朝の九時半から正午まで、子供会がありました。このクラブは、町の大人たちのつくつてゐる「睦会」の二階で、六畳の間二つが、ぶつ通しになる明るい部屋で …
さらわれた兄よ:――残された妹の歌――(新字新仮名)
読書目安時間:約2分
まるで野中の鶏小舎を襲う野犬のように 奴等は一言も吠えず踏込んで来た 寝ていた兄はガバとはね起き 突嗟に雨戸を押倒して奴等を踏みつけた けれど奴等は一人ではなかった すぐ躍りかかる …
読書目安時間:約2分
まるで野中の鶏小舎を襲う野犬のように 奴等は一言も吠えず踏込んで来た 寝ていた兄はガバとはね起き 突嗟に雨戸を押倒して奴等を踏みつけた けれど奴等は一人ではなかった すぐ躍りかかる …
先生と生徒(新字旧仮名)
読書目安時間:約11分
今日は、ひとつ、私の子供の時分——小学校時代のことを話しませう。私は八つから小学校へ上りましたが、その年が丁度「日露戦争」の終つた年でしたから、もうよつぽど古いことです。 その頃、 …
読書目安時間:約11分
今日は、ひとつ、私の子供の時分——小学校時代のことを話しませう。私は八つから小学校へ上りましたが、その年が丁度「日露戦争」の終つた年でしたから、もうよつぽど古いことです。 その頃、 …
掃除当番(新字旧仮名)
読書目安時間:約10分
びつくりするほど冷たい井戸水を、ザブ/\と二つのバケツに一ぱい汲むと、元気な槇君はそれを両手にさげて、廊下から階段を登つて、トツトと自分の教室へ帰つて来ました。 すると、だしぬけに …
読書目安時間:約10分
びつくりするほど冷たい井戸水を、ザブ/\と二つのバケツに一ぱい汲むと、元気な槇君はそれを両手にさげて、廊下から階段を登つて、トツトと自分の教室へ帰つて来ました。 すると、だしぬけに …
月夜のかくれんぼ(新字新仮名)
読書目安時間:約7分
きれいな、えひがさのようなお月さまが、ぽっかりと東の空にうかんで、ひろい田んぼはクリーム色にかすんでいました。 田んぼは、いちめんに、き色とみどりのなの花ばたけで、ひるまのあたたか …
読書目安時間:約7分
きれいな、えひがさのようなお月さまが、ぽっかりと東の空にうかんで、ひろい田んぼはクリーム色にかすんでいました。 田んぼは、いちめんに、き色とみどりのなの花ばたけで、ひるまのあたたか …
母の日(新字旧仮名)
読書目安時間:約11分
新しいランドセルを脊負ひ、新しい草履袋をさげて、一年生の進ちやんは、元気よく学校から帰つて来ました。 「ただいまア!」 「はい、お帰りなさい。早かつたわねえ。」 さう云つてお母様が …
読書目安時間:約11分
新しいランドセルを脊負ひ、新しい草履袋をさげて、一年生の進ちやんは、元気よく学校から帰つて来ました。 「ただいまア!」 「はい、お帰りなさい。早かつたわねえ。」 さう云つてお母様が …
原つぱの子供会(新字旧仮名)
読書目安時間:約12分
汽車のやうな郊外電車が、勢ひよくゴッゴッゴッゴッと走つて来て、すぐそばの土堤の上を通るごとに、子供達は躍り上つて、思はず叢から手を挙げました。けれどそれが行つてしまふと、またみんな …
読書目安時間:約12分
汽車のやうな郊外電車が、勢ひよくゴッゴッゴッゴッと走つて来て、すぐそばの土堤の上を通るごとに、子供達は躍り上つて、思はず叢から手を挙げました。けれどそれが行つてしまふと、またみんな …
プールと犬(新字旧仮名)
読書目安時間:約9分
公園の中の子供プールには、朝八時ごろから、もう泳ぎがはじまつてゐました。 そんなに早く来る子は、みんな男の子ばかりで、たいてい威勢のいゝ、黒いふんどしをしめてゐました。どんなに深い …
読書目安時間:約9分
公園の中の子供プールには、朝八時ごろから、もう泳ぎがはじまつてゐました。 そんなに早く来る子は、みんな男の子ばかりで、たいてい威勢のいゝ、黒いふんどしをしめてゐました。どんなに深い …
プロレタリア童謡の活用に関する覚書:――児童の指導者・保護者達に――(旧字旧仮名)
読書目安時間:約10分
無論、「煽×、宣×、組織の言葉」を標語とするプロレタリア詩の一分化であるから、當然プロレタリア童謠はプロレツト・カルトに役立つべきものである。しかし無論それは公式的、小兒病的に考へ …
読書目安時間:約10分
無論、「煽×、宣×、組織の言葉」を標語とするプロレタリア詩の一分化であるから、當然プロレタリア童謠はプロレツト・カルトに役立つべきものである。しかし無論それは公式的、小兒病的に考へ …
文化村を襲つた子ども(新字旧仮名)
読書目安時間:約16分
「来た来た!」 「やあ、来たぞ来たぞ!」 「汽車だ汽車だ!」 「みんな用意をしろツ!この汽車には張作霖が乗つてるんだぞツ!」 子供たちは線路の中に躍り上りました。気の早い子はもう尻 …
読書目安時間:約16分
「来た来た!」 「やあ、来たぞ来たぞ!」 「汽車だ汽車だ!」 「みんな用意をしろツ!この汽車には張作霖が乗つてるんだぞツ!」 子供たちは線路の中に躍り上りました。気の早い子はもう尻 …
兵隊さん(旧字旧仮名)
読書目安時間:約1分
おいらの兄さん兵隊さん しつかりおしよ、氣をおつけ ——右向け、右ツ 前エ進めツ! 金持アうしろで手を叩く (あぶない/\、××の的) おいらの兄さん、兵隊さん しつかりおしよ、氣 …
読書目安時間:約1分
おいらの兄さん兵隊さん しつかりおしよ、氣をおつけ ——右向け、右ツ 前エ進めツ! 金持アうしろで手を叩く (あぶない/\、××の的) おいらの兄さん、兵隊さん しつかりおしよ、氣 …
母子ホームの子供たち(新字旧仮名)
読書目安時間:約7分
にぎやかな電車通の裏に、川に沿つた静かな柳の並木道があります。その最初の石橋を渡ると、すぐ前に白い三階の大きな建物が、青青とした庭木に包まれて聳えてゐます。 五年生の清三は、かんか …
読書目安時間:約7分
にぎやかな電車通の裏に、川に沿つた静かな柳の並木道があります。その最初の石橋を渡ると、すぐ前に白い三階の大きな建物が、青青とした庭木に包まれて聳えてゐます。 五年生の清三は、かんか …
本部の段々で(旧字旧仮名)
読書目安時間:約1分
父もやられた 兄ちやんも おつ母も出たきり もどりやせん 四つ五つ 寝るまでは 晝もとなりで 遊んだが なれりやどこだつて おら平氣 本部の段々で 見張りだぞ イの字のつくやつ や …
読書目安時間:約1分
父もやられた 兄ちやんも おつ母も出たきり もどりやせん 四つ五つ 寝るまでは 晝もとなりで 遊んだが なれりやどこだつて おら平氣 本部の段々で 見張りだぞ イの字のつくやつ や …
“槙本楠郎”と年代が近い著者
今月で没後X十年
今年で生誕X百年
今年で没後X百年
ジェーン・テーラー(没後200年)
山村暮鳥(没後100年)
黒田清輝(没後100年)
アナトール・フランス(没後100年)
原勝郎(没後100年)
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット(没後100年)
郡虎彦(没後100年)
フランツ・カフカ(没後100年)