“辛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つら40.8%
から26.5%
かろ15.4%
つろ2.3%
1.5%
やつ1.3%
かろう1.3%
つれ1.2%
がら1.2%
づら1.2%
しん1.1%
やっ0.9%
0.9%
からう0.8%
かれ0.4%
ようや0.4%
やうや0.3%
0.3%
ひど0.3%
やッ0.1%
かのと0.1%
からき0.1%
からく0.1%
からし0.1%
0.1%
きつ0.1%
こら0.1%
こわ0.1%
0.1%
にく0.1%
0.1%
カラ0.1%
カロ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それに其の間だつて、別のつらさで生活の苦しみをめて来た晴代は、決して木山と一緒になつてふら/\遊んでゐる訳ではなかつた。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
ただここに蜀の遊軍高翔こうしょうと張翼とが、救援に来てくれたため、からくも血路をひらき得て、趙雲はようやく敗軍を収めることができた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうして残ったのは、かろうじて、これだけである。これだけ。原稿用紙、六百枚にちかいのであるが、稿料、全部で六十数円である。
貴族は命のやり取りなどはなさいませんでも、死ぬにもまさった名誉の損というものがあるのですからね。かえってつろうございます。
源氏物語:53 浮舟 (新字新仮名) / 紫式部(著)
優しい親切な人で、「恭やん、淋しいことおへんか、田舎へ帰りとうおすやろ、お父つあんから便たよりおすか? ろても辛抱おし。」
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
「まあ隨分まごつきましたのい。いくら探してもこのうちが別らないで、この邊を幾度もぐるぐる𢌞つてやつとの事で探し出したんですのい。」
胡瓜の種 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
それがやがてかろうじて老父の屍を葬る二代目イーベンをせき立てて宜昌から遁走させる「偉大なスローガン」の怒号と高まって来るまで
「揚子江」 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
鹿でもって御馳走しべいから、何だか馴染の人に別れるのはつれえもんだね、うかまア成るたけ煩らわねえように気い付けて、いかね
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「まあ、あなたは黙っていらっしゃい。あなたのように莫迦正直では、このせちがらい世の中に、御飯ごはんを食べる事も出来はしません。」
仙人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
川音と話声とまじるのでひどく聞きづらくはあるが、話のうちに自分の名が聞えたので、おのずと聞きはずすまいと思って耳を立てて聞くと
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
入れ百八十兩の金子を殘らずもどしければ九助はお里を是迄の縁と斷念あきらめ殊に伯父の娘なればきびしき事も成難しと千しんしてためたる金の中を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それで、子供の時分から路傍に物乞いしてやっと生命をつないできた彼は、生きてゆくことの辛苦を厭というほど嘗めさせられたのである。
乞食 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
っと二十号まで出した頃、極堂氏が、せめて三百部売れるなら収支が償って継続されるが、それだけ売れぬから、もう廃刊するといって来た。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
からうじて猶ほ上り行けば、讀經の聲、振鈴の響、漸く繁くなりて、老松古杉の木立こだちを漏れてほのかに見ゆる諸坊のともしび、早や行先も遠からじと勇み勵みて行く程に
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
「おい、おい。その具足櫃は丁寧にあつかってくれ。今日は危なくおれの首を入れられるところだった。塩っかれえ棺桶は感心しねえ。」
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
楼婢ろうひを介して車をたのんだが、深更しんこう仮托かまけて応じてくれ無い、止むを得ず雨をついて、寂莫じゃくばくたる長堤をようやく城内までこぎつけ、藤堂采女とうどううねめ玉置小平太たまおきこへいたなど云う、藩政時分の家老屋敷の並んでいる
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
斯くてつべきに非ざれば、やうやく我れと我身に思ひ決め、ふと首を擧ぐれば、振鈴の響耳に迫りて、身は何時いつしか庵室の前に立ちぬ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
「君そんなに山葵わさびを入れるとらいぜ」と主人は心配そうに注意した。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
筒袖つつそでを着て学校へ通う時から友達にいじめられていた。行く所で犬にえられた。父は死んだ。外でひどい目にった小野さんは帰る家が無くなった。やむなく人の世話になる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
二三度彼方此方あちこちで小突かれて、蹌踉よろよろとして、あやうかったのをやッ踏耐ふんごたえるや、あとをも見ずに逸散いっさんに宙を飛でうちへ帰った。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
文久かのととり年は八月の朔日ついたち、焼きつくような九つ半の陽射しに日本橋もこの界隈はさながら禁裡のように静かだった。
そのせはしき事の千しん、暖国の農業のうげふすれば百ばい也。さればとて雪国にうまるもの幼稚をさなきより雪中に成長するゆゑ、蓼中たでのなかむしからきをしらざるがごとく雪を雪ともおもはざるは、暖地だんち安居あんきよあぢはへざるゆゑ也。
身に付ゐたるが天神丸の巖石に打付うちつけられし機會はずみはるかの岩の上へ打上られしばし正氣しやうきも有ざりけるやゝときすぎて心付ほつと一いきつきゆめの覺し如くさるにても船は如何せしやとかすかにてら宵月よひづきの光りにすかし見ば廿人の者共は如何にせしや一人もかげだになし無漸むざん鯨魚くぢら餌食ゑじきと成しか其か中にてもわれひとりからくいのちたすかりしは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
眼前めのまへにあるソースやからし入物いれものだの、ごちや/\ならべた洋酒のびんだの、壁紙で貼りつめた壁だの、その壁にかゝる粗末の額、ビイルの広告などは、反つて私の身を置く場所にふさはしかつた。
(新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「どうして先生、あの日には、お祖母さまがっと御安心なさったのでしょう。それだのに、何故ああも急にお没くなりになったのでしょうか」
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「武男さん、わたしもきつかった!」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
フロラは、何故かあかい顔をして学生の顔を見返してゐたが、切なさをこらへるぎごちなさを振り切るやうにして
鸚鵡のゐる部屋 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「うん。母ちゃんが、姉ちゃんに負けん気だして、こわえの無理しんなって、よ。けえりたかったらいつでもけえって来って」
三月の第四日曜 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
昔風な英語ですからチョット読みろうがしたよ。チョット生意気に訳しかけてみた事もあるんですが、ザットこんな風です。
悪魔祈祷書 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
左の第二指に出来た水ぶくれが痛んで音を出しにくい。
秋風 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
私は失笑ふきだしそうになったのをうやっと知らん顔をする。
通り雨 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
字鏡、カラ与毛支。康頼和名和名无。
マル及ムレについて (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
僕「貴局ノ信号ハR2(微弱ナレドカロウジテ読ミ得ル程度ノ意)ナリ。但シ不安定ニシテR1(微弱ニ聞コエ判読不能ノ意)又ハR3(微弱ナレド受信可能ノ意)ノ範囲ニ変動スルヲ認ム。危険救助取ハカラウベシ。貴局名如何」
壊れたバリコン (新字新仮名) / 海野十三(著)