“甚”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
はなは57.9%
はなはだ22.7%
ひど11.1%
いた3.3%
いと0.9%
えら0.6%
じん0.6%
いみ0.3%
0.3%
しど0.3%
(他:15)2.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“甚”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸35.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語10.7%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆4.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
その頃から既に、日本では酒が足りなくなっていて、僕が君たちと飲んで文学を談ずるのにはなはだ不自由を感じはじめていた。
未帰還の友に (新字新仮名) / 太宰治(著)
如何いかなればや、女の顔色もはなはすぐれず、その点の男といと善く似たるは、同じ憂を分つにあらざる無からんや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
然れどもこの時代には役者絵の流行既に享保元文時代の如く盛んならず、その板刻ときはなはだ粗雑となるの傾きありき。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
蘇東坡の真君泉を賞し、葛懶真かつらいしんの藍家井を揚ぐるが如き、詩詞雑述のこれに及ぶもの、またはなはだ少からず。
(新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「村の鎮守様だ、神様の手を切るとはひどいことをしたものだ、どんな祟りがあるかも知れん、叩き殺して神様にお詫びをする」
殺神記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
李生はうっかりするとひどい目に逢うから、ここが大切だと思った。そう思う心の下から、ある皮肉な考えがちらと浮んできた。
申陽洞記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
世間もし涙を神聖に守るのわざけたる人を挙げて主宰とすることあらば、いたく悲しきことは跡を絶つにちかからんか。
山庵雑記 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
たゞ篇中の思想の頑癖に至りては、或は今日の余の思想とは異るところなり、友人諸君の幸にして余が為にいたく憂ひ玉はざらんことを。
我牢獄 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
長わずか三厘三毛ほどでいと小便のにおいを好み、川に浴する人の尿道に登り入りて後、頬のとげを起すから引き出し得ず。
二牛あいせるを見るにその一いとくるしんで腹肋皆白し、霊銑後の蜃にてると水血に変じ
車夫「何しろ昨日きのう沢渡までの仕事で、えらくバアーテルから、女客おんなでも何うもとても挽けねえよ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「御承知だつしやろが、松蔵はんはえら孝行者かうかうもんだしてな。」と仲に立つた男はくすぐつたさうな顔をして星島氏に言つた。
らきてみしやいなじんすけこたへぶりの果敢はかなさに、此度このたびこそとかきたるは
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
じんすけむかひてはなほさらかなしげに、姉樣ねえさまはあくまで吾助ごすけくみて
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
老たる女の法師のいみじく煤けたる狩袴の、筒とかやの様に細く短きを、帯より下五寸ばかりなるころもとかや言ふべからん、同じ様に煤けたるを着て
濫僧考補遺 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
勿論「野分の又の日こそいみじう哀れなれ」と清少納言が書いた様な平安朝の奥ゆかしい趣味は今の人にも伝はつて居るから、野分と云ふみやびた語の面白味を感じないことは無いが、それでは此吹降に就ての自分達の実感の全部を表はすことが不足である。
台風 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「さんざ無代ただで飲食したうえ、こんな余興まで入るとは思いませんでした。いや、ッとおもしろかです」
……それからまた二年おいた一昨年おととしの秋、ひょッくりやって参りまして、そン節の詫言かねごとをさまざまにいたし、お種さんの婿殿むこどん唐木からき商売あきないをしておるというのであッたら、寧波ニンパオの自分の山に仰山ぎょうさん唐木があるによって、欲しいだけ元価もとねで積出させまッしょう、と申します。利七もッと喜んで以来陳と友達同士のようになって暮しておりました。
その時は息切れがしどいくらいでわからなかったが、喘息がその次の冬になってあたしを苦しめ、心臓も悪かった。
神田のクリスチャンの伯母おばさんのうちの家風が、あんぽんたんをしどくよろこばせた。
陰にはおのれ自ら更にはなはだしき不為をひながら、人の口といふもののかくまでに重宝なるが可笑をかし、と満枝は思ひつつも、
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
これが為に彼の感じやすき神経ははなはだしく激動して夜もすがら眠を成さず、今朝は心地のうたすぐれねば、一日の休養を乞ひて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
相手「貴局ト通信ガ出来ルコトヲハナハダシク喜ブモノナリ。予ハ今甚ダシキ危険ニ臨ミ居レリ。当方ノ信号ハ微弱ビジャクナリヤ?」
壊れたバリコン (新字新仮名) / 海野十三(著)
右期日以後ハ何時イツ爆発スルヤモハカラレズ、ハナハダ危険ニツキ
パリス やれ、笑止きのどくや、そなたかほなみだいかよごれてゐる。
バル まゝ、おこらへなされませい、いかうおいろあをざめて、物狂ものぐるほしげな御樣子ごやうす、ひょんなことでもあそばしさうな。
縁談えんだん差控さしひかへてゐたところ、あまきつなげいてはひめ心元こゝろもとない
むすめもチッバルトをきつなつかしうおもうてをったに、また吾等われらとても同樣どうやうぢゃに。
悲しみの為か心なしやつれの見える夫人の容貌かおは、暗緑の勝ったアフタヌーン・ドレスの落着いた色地によくうつりあって、それが又二人の訪問者にはたまらなく痛々しげに思われた。
花束の虫 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
かれは斯の如く我に徹透す、而して我は地上の一微物、渠に悟達することのはなはだ難きは如何ぞや。
一夕観 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
妻はわたしの感じを見抜いてしまっていて、わたしを例によって調子にのっておだてられたのだとはなだだ不きげんなのです。
オカアサン (新字新仮名) / 佐藤春夫(著)
張昺ちょうへい謝貴しゃきの二人、入りてやまいを問うに、時まさに盛夏に属するに、王はを囲み、身をふるわせて、寒きことはななだしとい、宮中をさえつえつきて行く。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
神尾が、はばはだしく不興な面をして、短冊をポンとほうり出したものですから、鐚があわててこれを拾い上げて後生大切に袖で持ち、
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
不孝の子であるように言われてみるとどくそれが気にかかる。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
相変らず書生扱にされて、ぴどくコキ使われ、果は下女の担任であった靴磨きをも私の役に振替えられて了った。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
弟また袂より紙包みにしたる一の鉛錐を取り出して、兄上がひ来玉ひし品は「にっける」をせたれば、陸にてはく輝けど、水の中にては黒みて見ゆる気味ありて魚の眼を惹くこと少しとなり
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
然ニ誠になげくべき事ハながと(長門)の国にユクサ初り(ママ)、後月より六度の戦に日本ハナハダ利すくなく、あきれはてたる事ハ、其長州でたゝかいたる船を江戸でしふく(修復)いたし又長州でたゝかい申候。