“甚(きつ)” の例文
カピ妻 さいの、其時分(そのじぶん)には甚(きつ)い鼠捕(ねずみと)りであったさうな。したが、わたしが不寢(ねず)の番(ばん)をするゆゑ、今(いま)は其樣(そのやう)な鼠(ねずみ)をば捕(と)らすことぢゃない。
でもな、眞實(ほんたう)に小額(こびたひ)の處(ところ)に雛鷄(ひよっこ)のお睾丸程(きんたまほど)の大(おほ)きな腫瘤(こぶ)が出來(でき)ましたぞや、危(あぶな)いことよの、それで甚(きつ)う啼入(なきい)らッしゃった。
カピ長 かやうな珍變(ちんぺん)が起(おこ)ったによって、女(むすめ)に説(と)き聞(きか)す暇(いとま)もござらなんだ。女(むすめ)もチッバルトを甚(きつ)う懷(なつか)しう思(おも)うてをったに、また吾等(われら)とても同樣(どうやう)ぢゃに。さりながら人(ひと)は皆(みな)死(し)ぬるやうに生(うま)れたもの。