“生”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
16.5%
12.5%
なま12.3%
9.3%
7.8%
6.8%
しょう5.2%
うま4.0%
3.4%
せい3.0%
いき2.9%
はや2.2%
しやう2.1%
1.2%
うみ1.2%
いのち1.0%
うまれ0.8%
はえ0.5%
いけ0.4%
うぶ0.4%
いか0.3%
0.3%
しよう0.3%
ナマ0.3%
0.3%
せう0.2%
0.2%
おい0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
いく0.2%
おひ0.2%
0.2%
0.2%
シヤウ0.2%
しゃう0.1%
あれ0.1%
いける0.1%
うむ0.1%
0.1%
むま0.1%
0.1%
ライフ0.1%
0.1%
いきて0.1%
0.1%
おう0.1%
おふ0.1%
おほ0.1%
0.1%
イカ0.1%
0.1%
オフ0.0%
あい0.0%
いきる0.0%
うまる0.0%
うめ0.0%
うん0.0%
おいけ0.0%
おこ0.0%
ぜい0.0%
たす0.0%
でき0.0%
なり0.0%
はえたる0.0%
はへ0.0%
はゆ0.0%
はア0.0%
まう0.0%
わい0.0%
イキ0.0%
0.0%
ウマ0.0%
ウマレ0.0%
ショウ0.0%
ヴィ0.0%
ヴイ0.0%
0.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつまで行っても松ばかりえていていっこう要領を得ない。こっちがいくら歩行あるいたって松の方で発展してくれなければ駄目な事だ。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
このやみなかに、ただ一つきているもののごとくおもわれたものがあります。それは、半丁はんちょうおきごとにともされている電燈でんとうでありました。
船長も片手で綱を掴みながら、その黒ん坊が給仕するなまぬるい水を二三杯、立て続けに飲んだが、ヨッポド胸が悪かったのであろう。
幽霊と推進機 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
むかし、金太郎きんたろうというつよ子供こどもがありました。相模国さがみのくに足柄山あしがらやま山奥やまおくまれて、おかあさんの山うばといっしょにくらしていました。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
野に生まれて、野にって、そして野に食物をあさる群れの必ず定まって得る運命——その悲しいつらい運命にお作も邂逅でくわした。
ネギ一束 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
渥美 そして、実がる頃には、樹登りの出来ない年になつてね、どつかの鼻垂小僧が、何時の間にか、ちぎつて持つて行くんです。
賢婦人の一例(一幕) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
ねえさん、わたしが、あなたやおとうさんをてて、どこへかゆくといわれるのですか。わたしは、一しょうとうさんや、あなたのそばでらします。
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
などと、いつも悪体あくたいをつくのです。母親ははおやさえ、しまいには、ああこんなならうまれないほうがよっぽどしあわせだったとおもようになりました。
このいたいけな少年の手を合され質朴な老爺や婦人たちの一本な涙の回向えこう手向たむけられて、これに感動せぬ墓があったであろうか。
逗子物語 (新字新仮名) / 橘外男(著)
れはこまった、今彼処あそこで飲むと彼奴等きゃつらが奥にいって何か饒舌しゃべるに違いない、邪魔な奴じゃと云う中に、長州せい松岡勇記まつおかゆうきと云う男がある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「アア/\おっかさんがいきていらっしゃればいにねえ」というのを徳蔵おじが側から「だまってねるだアよ」といいましたッけが
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
丁々坊 ははは、この梟、羽をはやせ。(戯れながら——熊手にかけて、白拍子のむくろ、藁人形、そのほか、釘、獣皮などをさらう。)
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わしはその前刻さつきからなんとなくこの婦人をんな畏敬ゐけいねんしやうじてぜんあくか、みち命令めいれいされるやうに心得こゝろえたから、いはるゝままに草履ざうり穿いた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
右の件、八十禍津日やそまがつびの神より下、速須佐はやすさの命より前、十柱の神一七は、御身を滌ぎたまひしに因りてれませる神なり。
それから、あのうみの母親とは——是はまた子供の時分に死別れて了つた。親に縁の薄いとは、丁度お志保の身の上でもある。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
こしもあらはのとねりこよ、草叢くさむらからへた汚れた夢のやうだ。いのちの無い影のなかに咲きたいといふ狂氣きちがひ百合ゆりのやうでもある。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
明治十一年四月までながらえて、八十二歳で歿した。寛政九年のうまれで、抽斎の生れた文化二年にはわずかに九歳になっていたはずである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「段々いただきが近いんですよ。やがてこのはえ人丈ひとだけになって、私の姿が見えませんようになりますと、それをくぐって出ますところが、もう花の原でございます。」
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこで、僕は色々考えて見たのですよ。一寸面倒な点があって時間をとりましたが、でもとうとう幽霊をいけどって了いました
幽霊 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
堅気の田舎の家庭から巣立ちして来たばかりのお今のうぶな目には、お増の不思議な生活が、煩わしくもみじめらしくも見えるのであった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
取たることまで逐一ちくいち訴へ呉ん邪魔じやませずと其所そこひらいて通しをれとのゝしるを段右衞門はいかおのいかして置ば我が身の仇なり覺悟をせよと切付るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まあ俺の言ふことを好く覚えて置いて、次のには一層もつと気の利いたものに生れ変つて来い。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
實際じつさい大地震だいぢしん損害そんがいおいて、直接ちよくせつ地震動ぢしんどうよりきたるものはわづか其一小部分そのいつしようぶぶんであつて、大部分だいぶぶん火災かさいのためにしようずる損失そんしつであるといへる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
午後、Nさん来庵、お土産の生海苔はめづらしくておいしかつた、沢山あるので、佃煮にしたり干したりしてをく、むろんナマでも食べたが。
其中日記:09 (九) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
神と、其祭りの為の「ニヘ」として飼はれてゐる動物と、氏人と、此三つの対立の中、生け贄になる動物を、軽く見てはならない。
信太妻の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
なにかはつたことでもおこりましたか、しや、昨夜さくや海嘯つなみのために、海底戰鬪艇かいていせんとうてい破損はそんでもせうじたのではありませんか。』
見涯もつかぬ広い緑は、あれはみんな魂のるような、葉の厚ぽったい、あんな樹々だ。菩提樹、沙羅樹、椰子、アンモラ樹。
さして浜荻といへるは古き諺にて即国の方言なれば伊勢の浜辺においたる芦は残らず浜荻と云べし古跡と云はあるべからず此歌に明らかなり
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
之は小血管に血が充ちた儘で焼け固まった結果です、屍体の焼けたのでは、血の下方した降沈さがった面には、有りますが、上ッ面にはきない相です。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
また、吉野の白檮かし横臼よくすを作りて、その横臼に大御酒おほみきみて、その大御酒を獻る時に、口鼓くちつづみを撃ちわざをなして、歌ひて曰ひしく
... 山にぜんまいが出る時分には人のおなかへ虫がきますし」と言うをさえぎる妻君「オヤ薇と虫と何か関係がありますか」お登和嬢「ハイ薇は駆虫くちゅうの功があります。 ...
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
かれの心はその造られし時、いくる力をもてたゞちに滿たされたりしかば、母に宿やどりゐてこれを豫言者たらしめき 五八—六〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
英国の娘供の伸伸のび/\おひ立つて行くのを見ると、その家庭教育の開放的なのが想像せられると共に著しく心強い感がする。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
其の頃葭葦よしあしえて居たのを埋立うめたったから葭原よしわらというのだが、後に江戸繁昌を祝してよしの字を書いて、吉原と読ませるんだという事を聞いてるが
佐伯部の兵士がかつて「海行かば水浸みづく屍、山行かば草す屍、大君の辺にこそ死なめ」と言立ことたてて、一心に君を守り奉りたると同じく
武士を夷ということの考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
夏祓へに、人間の邪悪を負はせて流した人形ヒトガタが、水界にシヤウを受けて居るとの考へである。中にも、田の祓へには、草人形を送つて、海・川へ流す。
河童の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
地上ちじゃうそんするものたるかぎり、如何いかしいしな何等なにらかのえききょうせざるはく、また如何いかいものも用法ようはふたゞしからざればそのせいもとり、はからざるへいしゃうずるならひ。
書紀によれば、大海人皇子は「あれまししより岐嶷いこよかなる姿みすがた有り、をとなに及びて雄抜ををしく神武たけし」とある。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
その色かれずしていけるが如く、堅硬かたきことは石なり。潜確類書せんかくるゐしよ本草ほんざう三才図会づゑ等にいへる石蟹いしかに泥沙でいしやともに化して石になりたるなるべし。盆養ぼんやうする石菖せきしやうもとにおくに水中にうごくが如し。
案じるよりうむが易く、彼は、「神様は悪い事の味方しません」
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
まだえのしたかたくなな雑草の見える場所を除いては、紫色に黒ずんで一面に地膚をさらけていた。
親子 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
一人は如法によほふの變屈ものにて一日部屋の中にまぢ/\と陰氣らしきむまれなれど、姉のお花は皮薄の二重あごかわゆらしく出來たる子なれば、美人といふにはあらねども年頃といひ人の評判もよく
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
畔倉アゼクラ重四郎」「三世相縁本阿弥」に、おはな・遊女おふみ・おはんと云ふの娘形である様な役割りを引き受けてゐる。
市村羽左衛門論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
この事実は、紳士閥の新聞記者等が種々の批判と冷評とを浴せかけた共産主義の教訓を、ライフそのものが教えていることを明示するものである。
まづ「おもしろき此野をば、な焼きそ。去年のふる草に、新草のまじりて、ひなば生ふるに任せよ」
是則これすなはちいきてかたちを以てめぐり、しゝてはたましひを以てめぐるゆゑなりとかや。(文海披沙の説)菅神も此ろんに近し。逃入村にごろむらの事を以ても千年にちかき神灵しんれい赫々かく/\たることあふぐべしうやまふべし。
「やっぱし炭山と変らないで、死ぬ思いばしないと、きられないなんてな。——瓦斯ガスッかねど、波もおっかねしな」
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
島は、うき島、八十やそ島。浜は、長浜ながはま。浦は、おうの浦、和歌の浦。寺は、壺坂、笠置、法輪。森は、しのびの森、仮寝うたたねの森、立聞たちぎきの森。関は、なこそ、白川。古典ではないが、着物の名称など。
古典竜頭蛇尾 (新字新仮名) / 太宰治(著)
人のそねみ心を惹くほどに我子は美しければ、叔母もおふしたてたるをおのが誇りにして、せめて四位の少将以上ならでは得こそあはすまじきなど云ひ罵り
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
一三なすままにおほし立てて、一四博士はかせにもなれかし、一五法師にもなれかし、一六命のかぎりは太郎が一七ほだし物にてあらせんとて、ひて一八おきてをもせざりけり。
此は毎年生れかはる形であるので、毎年受けるものなのだが、一生の中に、二度うける様にもなつた。だが、昔は、事実はおなじ女性がつとめても、毎年別の人がれ出て来ると信じて居た。
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其杖は、普通根のあるものであるが、場合によつては、根のないものもある。桑の木などは、根がなくとも著き易い木で、祝詞にも「イカ八桑枝ヤクハエの如く」
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
まづ、人は此歌から感得する情調を分解して「えるなら生えるに任せておけ」と言ふ解釈を心に持つだらう。
副詞表情の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其をオフし立てゝ、其神の生ひ立つまゝに発現する霊威を、世に光被させようとする。唯其だけが、古代の宗教家の持つてゐた情熱の全部であつた。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
……わたし身邊しんぺんには、あいにくそんな新造しんぞないが、とにかく、ふくろにして不氣味ぶきみがる。がふくろのこゑは、そんな生優なまやさしいものではない。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
愕然びつくりしてむねさけるやう也しがにげるに道なく、とても命のきはなりしぬいきるも神仏にまかすべしと覚悟かくごをきはめ、いかに熊どのわしたきゞとりに来り谷へおちたるもの也、かへるには道がなくいきをるにはくひ物がなし
そのせはしき事の千しん、暖国の農業のうげふすれば百ばい也。さればとて雪国にうまるもの幼稚をさなきより雪中に成長するゆゑ、蓼中たでのなかむしからきをしらざるがごとく雪を雪ともおもはざるは、暖地だんち安居あんきよあぢはへざるゆゑ也。
だが父樣はどうして靜夫樣と御知りなすつたのだろふ、かねしつて居て、知ている所か私柄と、いやまて思は思をうんで心經の高ぶつて居今、まづ何事も胸にと
うづみ火 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
菖蒲あやめおいけのきいわし髑髏されこうべ
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
九月ながつき下旬すゑつかた、けふはことに二一なごりなくぎたる海の、にはか二二東南たつみの雲をおこして、小雨こさめそぼふり来る。
ぜいからしまりのないうへに、今日けふ家探やさがしで少しき込んでゐる。話が一段落つくと、相の手の様に、何所どこかないか/\と聞く。仕舞には三四郎も笑ひ出した。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
醜類しゅうるいの面々、一匹もたすけおくな。その妻子眷族けんぞくも、見せしめのためすべて刑にけよ」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一木内相の理想おもはく通りに女を拵へさせたら、どんな物が出来上るだらう。堅麺麭かたパンのやうな二宮宗に、ちよつぴり性慾をつまみ込んだ、まるでサンドヰツチのやうな女ができるに相違ない。
又た義実よしざねが自白のことばに「かくてかの玉梓たまづさが。うらみはこゝにあきたらず。八房の犬となりかはりて。伏姫をて。深山辺みやまべに。隠れて親に物を思はせ。」云々しか/″\
所謂鮑を得ること多きが故に、岸沚の竹を燒て海中に沈置、朝にうかべる之に枝葉につく鮑恰もはえたる木子〔茸〕の如くなるとかや(伯耆民談)。
他計甚麽(竹島)雑誌 (旧字旧仮名) / 松浦武四郎(著)
よこれて田畝道たんぼみちを、むかふへ、一方いつぱうやますそ片傍かたはら一叢ひとむらもり仕切しきつた真中まんなかが、ぼうひらけて、くさはへ朧月おぼろづきに、くもむらがるやうなおくに、ほこら狐格子きつねがうしれる
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
揉事もむことに非ず早々何處いづこへか行きて居れとしかり付いざお光殿是へ御座れとおくの一間へ喚込よびこめば女房は彌々いよ/\つのはゆべき景色けしきにて密男まをとこは七兩二分密女まをんなに相場はないつぶやきながら格子戸かうしど
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はアえた えた
小さな鶯 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
わしも、いまおもへば、そもじとおなほど年齡としごろ嫁入よめいって、そもじをまうけました。まんでへば、うぢゃ、あのパリス殿どのがそもじを内室うちかたにしたいといの。
お勢の帰宅した初より、自分には気が付かぬでも文三の胸には虫がわいた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
真淵は「みナワの如く浮ぶまさごといひて、我イキもやらず死もはてず、浮きてたゞよふこゝろをたとへたり」(考)といっている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
師匠ししょうさまがつらつら亀卜きぼく卦面かめんを案じまするに、すなわち、——富岳フガク鳳雛ホウスウマレ、五狂風キョウフウショウジ、喬木キョウボクアクツミイダイテライカル——とござりましたそうです
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ウマれきよまりの山立て、或は山を立つべし、山をまつるべし、山をたづぬべし、山を売り買ふことゝいふ事から、子供の誕生に比喩をとつた行事を行ふ様であります。
然ニ土佐のいもほり芋掘ともなんともいわれぬ、いそふろ居候ウマレて、一人の力で天下うごかすべきハ、是又天よりする事なり。
師匠ししょうさまがつらつら亀卜きぼく卦面かめんを案じまするに、すなわち、——富岳フガク鳳雛ホウスウマレ、五狂風キョウフウショウジ、喬木キョウボクアクツミイダイテライカル——とござりましたそうです
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうしてそのイヤなヴィから完全に解放される僕のよろこびを思ってみて下さったら、あなたたちのその悲しみは、次第に打ち消されて行く事と存じます。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
「私は花火の事を考へてゐたのです。我々のヴイのやうな花火の事を。」
舞踏会 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
一、私共の水夫一人(随分気強キ者ナリ)幕船へのりたれバ(夫もまだたしかにハ知れず。)もし関の方へ行よふなる事なれバ、平の幕船とはちがい候かもしれず、御心得可然哉、為之申上る。