“仰”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おっ23.6%
あお18.7%
おお10.8%
あふ7.2%
おっしゃ5.1%
4.6%
おつ4.5%
おほ3.7%
おっし3.7%
おおせ3.2%
3.2%
おつしや2.0%
おつし1.4%
あおむ1.1%
おほせ1.0%
あほ0.8%
0.4%
のけ0.4%
あふの0.3%
あふむ0.3%
アフム0.3%
あおい0.2%
あおのけ0.2%
あを0.2%
そもそも0.2%
っしゃ0.2%
アヲク0.2%
おふ0.1%
オツシヤ0.1%
あふい0.1%
そも0.1%
0.1%
あおの0.1%
あおむけ0.1%
あふむき0.1%
あほい0.1%
おう0.1%
おが0.1%
おし0.1%
おほい0.1%
おほせら0.1%
おぼ0.1%
おッ0.1%
おッしゃ0.1%
おツ0.1%
ぎょう0.1%
0.1%
っし0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「お客さんは、わたしより古くから、殿さまを知っているっておっしゃったけれど、殿さまのことはなにも御存じないようだからです」
「たいへんにせいるな。」と、つきはいいました。馬追うまおいはびっくりして、二ほんながいまゆうごかして、こえのしたそらあおぎながら
酒屋のワン公 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おおせの通り掃除口の検査をしましたら、意外にも重大な手がかりを得ました。先ず第一に糞壺の中に、いた物が沢山ありました」
呪われの家 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
裾野すそのけむりながなびき、小松原こまつばらもやひろながれて、夕暮ゆふぐれまくさら富士山ふじさんひらとき白妙しろたへあふぐなる前髮まへがみきよ夫人ふじんあり。ひぢかるまどる。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
時々お二階の部屋へお嬢さんはお入りになりますが、その時はどんな用事でもお部屋へ申上げに行ってはならないとおっしゃいますので……
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「無断でへやへ踏みこむのみか、いきなり縄をかけて、武士らしくとは、何たる暴言。この郁次郎にはせませぬ、理由をっしゃい」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「もし大納言さま、どうぞゆるすとおつしやつて下さい。でございませんと、山車が御前をとほつて参ることが出来ませんから……。」
拾うた冠 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
今日こんにちは結構な御演題で、聴衆一同多大な期待をもつて居るやうでございます。で、閣下のおほせられまする体育と申しますのは……」
やはり何んとしても私は「何を申そうにもまだ姫は大へんおさないので、そうおっしゃられるとまるで夢みたいな気がいたす程ですから——」
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
槇君と私とは別に天幕を張る積りであったが、殿下のおおせの儘に同じ天幕に泊めて戴くことになったのは誠に思い設けぬ光栄であった。
机を置いてこれに対し、浴衣に縮緬ちりめん扱帯しごきめて、ひじをつき、けざまの目をねむるがごとくなるは、謂うまでもなく鴨川であった。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御主人様は大悦おほよろこびで、それではその御礼に、おぢいさん、おばあさんに天の羽衣を織つて、御礼にあげなさいと、おつしやいました。
竜宮の犬 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
道翹だうげうこたへた。「豐干ぶかんおつしやいますか。それは先頃さきころまで、本堂ほんだう背後うしろ僧院そうゐんにをられましたが、行脚あんぎやられたきりかへられませぬ。」
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
病院の寝台ねだいの上にあおむきに成ったきり、流血の止るまでは身動きすることも出来なかった。お新は親戚の家から毎日のように見舞に出掛けた。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
つかはさるゝは御迷惑ごめいわくの體なりしが據處よんどころなく下されておほせけるは此品このしなは東照神君よりつたはれるにて父君にもふか御祕藏ごひざうの物なるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
じつ先刻せんこくきふおもつて、この兵曹へいそうとも遊獵いうれうたのが、天幸てんこうにも君等きみらをおたすまうことになつたのです。』とひながら、大空おほぞらあほて。
「なぜ?」トお向けざまにねころぶ拍子に、両手を頭に敷きながら、あたかも胸から押しだしたような声で尋ねた。
あいびき (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
鉄の笞を持っていた男どもはすぐに飛びかかって、かの囚人らを片っ端から蹴倒すと、男も女ものけざまに横ざまに転げまわって無数の毒蛇の輪の中へ——
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
わがためらひてとみに答へざりしをみ、かれは再びあふのきたふれ、またあらはれいづることなかりき 七〇—七二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「何ツ」松島は猛獅まうしの如くをどり上りつ、梅子の胸をとらへてあふむけに倒せり、「女と思つてゆるして置けば増長しやがつて——貴様きさまの此の栄耀ええうを尽くすことの出来るのは誰のお蔭だ、 ...
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
けゞんな顏をアフムけてゐる伴人トモビトらに、柔和な笑顏を向けた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
それで相手あいての顔は見ないで、月をあおいだ目元は其丸顔に適好ふさわしく、品の好い愛嬌のある小躯こがらの女である。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
梅田屋の足が杉の根にかかる、斜面で足場が悪いから、あおのけさまにだあ! と倒れた。折重った二人、三次は左で相手の喉を絞めながら、短刀を逆手に胸を狙って、た!
暗がりの乙松 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
あをいでたかところしゆ欄干らんかんのついたまどがあつて、そこが母様おつかさんのうちだつたとく、あほいでたかところしゆ欄干らんかんのついたまどがあつてそこからかほ
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そもそも鑑定家かんていかなるものはややもすると虫眼鏡むしめがねなどをふり廻して、我々素人しろうとおどかしにかかるが、元来彼等は書画の真贋しんがんをどの位まで正確に見分ける事が出来るかと云ふと、彼等も人間である以上
鑑定 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「イイエ別に何ともおっしゃらないけエど、江藤さんは最早もう局を止すのだろうかって。貴姉どうなさるの。」
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
筑紫つくし太宰府だざいふにて「離レテ三四月 落涙百千行 万事皆如 時々アヲク彼蒼ヒサウヲ」御哥に「夕ざれば野にも山にも立烟りなげきよりこそもえまさりけれ」又雨の日に「雨のあしたかくるゝ人もなければやきてしぬれきぬひるよしもなき」
こひ一人ひとりやすかりける、何事なにごとはじおもはじ、おふせられてもたまはるなとて、あかつきつきかげわかちしが、これよりひめ如何いかりけん、さてさとし如何いかりけん
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
オツシヤるとほりで御座ります。春は蛙、夏はくちなは、秋はイナゴまろ。此辺はとても、歩けたところでは、御座りませんでした。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
高朗の気ほねとほり清幽の情肉に浸むあしたの趣こそ比ぶるに物なけれ、今しもあふいで彼の天成の大画たいぐわ双眸さふぼうを放ち、して此の自然の妙詩に隻耳せきじを傾け、をくぐり芝生を辿たど
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
野雉車とはそも何ぞ。北京ペキン上海シヤンハイに出没する、無鑑札の朦朧車夫もうろうしやふなり。(五月三十日)
平田は上をき眼をねむり、後眥めじりからは涙が頬へすじき、下唇したくちびるは噛まれ、上唇はふるえて、帯を引くだけの勇気もないのである。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
其処そこら火灯あかりで、夜眼にも、今宵は、紅をさした脣をだらしなく開けて、此方をあおのくようにして笑っているのが分る、私は外套とんびの胸を、女の胸に押付けるようにして
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
けげんな顔をあおむけけている伴人ともびとらに、柔和な笑顔を向けた。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
悔恨は胸に迫つて、あふむきに寝ても、横になつても寝付かれなかつた。一町ばかり先にある、今自分の乗つた自動車の通つて来た道を、オートバイが遠雷のやうに近づき、やがて消えていつた。
亡弟 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
又餅をあぶりてくらふ、もちほとんど尽きて毎人唯二小片あるのみ、到底とうていうゑするにらざるを以て、衆談話の勇気いうきもなく、天をあほいただちにづ、其状恰も愁然しうぜん天にうつとふるにたり
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
半年前に先生のおうせに従って思い切って右手を取り外して貰えば、生命は助かったでしょうが、私のような労働者が右手を失うということは、生命を取られるも同然ですから
肉腫 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
星がひらめいていれば、明日の好霽こうせいぼくされるので、おがむようにして悦ぶ、その次にのぞくと、星どころではない、漆黒の空である、人の心も泣き出しそうになる、しかし暁天までには
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
そこまでがほんとの話で、突然いきなり、まつはつらいとみなおしゃんすけれどもなア——とケロケロとうたいだすのだった。そして小首をかしげて
人夫等岩崖をおほいで唯まゆひそむるあるのみ、心は即ち帰途にくにあればなり、此に於て余等数人奮発ふんぱつ一番、先づ嶮崖けんがい攀登はんとうして其のぼるを得べき事をしめす、人夫等なほがへんぜず
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
榊原遠江守領分越後高田在寶田村ならん其なんぢの妻梅が申上しぞとおほせらるゝを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
雪三せつざう斷然だんぜんことはり申す御歸邸ごきていのうへ御前体ごぜんていよろしくおほげられたしといひはなてば、おぼせあらんとはぞんぜしなり、しからば聟君むこぎみとしてはむかへさせたまはずやといふ、いなとよかく御身分柄ごみぶんがらつりはず
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「ヨーシ宜しいとおッしゃッたネ、そんなら云ッてしまうから宜い。アノネ文さん、今ネ、本田さんが……」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
小腰をひくめて「ちょいとお湯へ」と云ッてから、ふと何か思い出して、きもつぶした顔をして周章あわてて、「それから、あの、若し御新造ごしんぞさまがおかえんなすって御膳ごぜん召上めしやがるとおッしゃッたら、 ...
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
なんです!』とねずみかほをしかめたが、すこぶ丁寧ていねいに、『なにおツしやいましたか?』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
駅逓馬車が午前中に無事にドーヴァーへ著くと、ロイアル・ジョージ旅館ホテルの給仕がしらは、いつもきまってするように、馬車のドアけた。彼はそれを幾分儀式張ってぎょう々しくやったのであった。
わたしがあのお子さんにおしゃったら幾らでもじかに書いて下さいましょうにと申しましたら、いや、俺はあの娘には何にも言えない。
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
っかさま、あなたのわざわいは文治郎が只今断ちました、喜代之助殿お帰りがあったら、文治郎が参って御家内を手込みに殺しましたと左様おっしゃって下さい、さぞ貴方あなたは御残念でございましたろう
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)