“おお”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オオ
語句割合
25.2%
22.8%
15.6%
6.4%
5.4%
5.2%
4.9%
3.6%
2.2%
1.8%
雄々1.7%
1.0%
0.9%
0.5%
男々0.4%
0.4%
0.3%
0.1%
0.1%
0.1%
仰言0.1%
0.1%
0.1%
成長0.0%
0.0%
喝采0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
巨額0.0%
御下0.0%
御置0.0%
意富0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夕日は物の影をすべて長くくようになった。高粱の高い影は二間幅の広い路をおおって、さらに向こう側の高粱の上に蔽い重なった。
一兵卒 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
と、母親ははおやおしえました。するとみんな一生懸命いっしょうけんめい、グワッ、グワッと真似まねをして、それから、あたりのあおおおきな見廻まわすのでした。
また、あるものはバータムナスの像のまわりを花環のように取り巻いて、きれのように垂れさがった枝はその像をすっかりおおっていた。
だが、いつの間にか、彼女は、おしになっていたのだ。怪物の手の平が、ギュッと鼻口をおおって、呼吸さえ思うようにはできなかった。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
予往年大英博物館で、この蛙アルコールづけを見しに、その蹼他の蛙輩のよりすぐれて大なるのみ、決して図で見るほどおおきになかった。
しかし今日こんにちところでは病院びょういんは、たしか資力ちから以上いじょう贅沢ぜいたくっているので、余計よけい建物たてもの余計よけいやくなどで随分ずいぶん費用ひようおおつかっているのです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
貴顕の方々がそれらの作品を好んでいるとおおせられた時にである! 大公爵はその無礼な言葉を片付けるために、冷やかに言われた。
ジサ女、年中何の月にも属せず、太陽天にとどまって動かぬと信ぜらるる日をえらび、身にあみおおったのみ故、裸とも著衣とも言えぬ。
それを引受けた犬殺しは、商売だから論外に置くとしても、彼等はそれを引受けて、見事やりおおせるつもりで出て来たのか知らん。
と次のページへしたためたが、これでは自分の感じを云いおおせない、もう少し工夫くふうのありそうなものだと、鉛筆の先を見詰めながら考えた。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
学者である以上、その態度は誠に立派なもので、ことごとく書を信ぜば書無きにかずといった孟子の雄々おおしさを髣髴ほうふつさせるのであります。
新案探偵法 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
三歳のわが愛子をして、その猛獣の耳をぐいと引っぱらせて大笑いしている図にいたっては、戦慄せんりつ、眼をおおわざるを得ないのである。
しかも——彼の先見や誠忠をもってしても——この危機を救うことができなかった。時代の力、おおきな大勢の推移、怖ろしいばかりである。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こと今日こんにちは鉄道も有り電信も有る世界にて警察の力をくゞおおせるとは到底とうてい出来ざる所にして、おそかれ早かれ露見して罰せらるゝは一つなり。
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
ただ数人の天才のみが、おのれの思想の自由な天地において、男々おおしい孤立の危機を幾度も経過した後に、それから解脱することを得る。
はやる馬の口を押えて「敵おおく味方少くあまつさえ路狭くて一時に多勢を押し出す事が出来ないのに、どうして正面からの戦が出来よう」
桶狭間合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
実は一人の女をあやめて駈落したれど露顕して追手おってがかゝり、片足くのごとく怪我をした故逃げおおせず、遂々とう/\お縄にかゝって、永い間牢に居て
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
今がお勢の一生中でもっとも大切な時※く今の境界を渡りおおせれば、この一時ひとときにさまざまの経験を得て、己の人とりをも知り、所謂いわゆる放心を求め得て始て心でこの世を渡るようになろうが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そのうちに親方の清吉がわたくしの手に挙げられたという噂を聞いて、もう逃げおおせられないと覚悟したのでしょう。自分で尋常に名乗って出ましたが、吟味中に牢死しました
よほど古くより梵土で伏蔵を掘って国庫を満たす事が行われたので、『大乗大悲分陀利経』には〈諸大竜王伏蔵を開示す、伏蔵現ずる故、世に珍宝おおし〉という。
「では、岸へ放り投げて置けとでも仰言おおせられるのですか」
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
加之そのうえ拙者本来八岐大蛇の転生うまれがわりで、とかく四、五升呑まぬと好い考えが付かぬが、妻がかれこれ言うから珍しく禁酒中で、どうせ満足な竜の起原論は成るまいが、材料はおおくある故
私はフラフラと立ち上って、私の春外套の下に、その婦人の全身をおおいました。
法悦クラブ (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
母の献身的な愛のうちに、美しくて立派な冬子の愛のうちに成長して来た彼は、さらに愛する和歌子と深井とを獲た程に成長おおきくなったのだった。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
「もうじきわたし位に成長おおきくなってしまうわね」と冬子は母と顔を見合わした。平一郎は(そうさ)というように壮快に笑って、冬子もすてきに美しいと思いながら机に向った。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
親分の前でもおおびらに、甘いところをやっている仲ですがね
八寒道中 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「床にけたは、白の小菊じゃ、一束ひとたばにしてつかみざし、喝采おお。」とめる。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「人格を尊重し給え」とラエーフスキイはかまわずに、「しょっちゅう人のことをああだとかおおだとか噂ばかりしているんだ。しょっちゅう人の跡をつけ廻して、立ち聞きしているんだ。 ...
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
おお安萬侶やすまろ(七二三歿)に稗田の阿禮が誦む所のものの筆録を命じ、和銅五年(七一二)正月二十八日に、稿成つて奏上した。
古事記:04 解説 (旧字新仮名) / 武田祐吉(著)
かつてうるわしくおおいなる宮殿みやい——
赤穂塩あこうじおの年産も巨額おおきなものだったが、要するに、内匠頭夫婦たくみのかみふうふおごらないことと、士風の堅実が、何よりも、身代なのである。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おう。」と、涼しく答えますと、御装束の姿もあたりを払って、悠然と御庭へ御下おおりになりましたのは、別人でもない堀川の若殿様でございます。(未完)
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
よしや良人おつと藝者狂げいしやぐるひなさらうとも、かこものして御置おおきなさらうとも其樣そんこと悋氣りんきするわたしでもなく、侍婢をんなどもから其樣そんうわさきこえまするけれどれほどはたらきのある御方おかたなり
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
意富おおおみ小子部ちいさこべの連・坂合部の連・火の君・大分おおきたの君・阿蘇あその君・筑紫の三家みやけの連・雀部さざきべの臣・雀部のみやつこ小長谷おはつせの造・都祁つげあたえ伊余いよの國の造・科野しなのの國の造・道の奧の石城いわきの國の造・常道ひたちの仲の國の造・長狹ながさの國の造・伊勢の船木ふなきの直・尾張の丹羽にわの臣・島田の臣等の祖先です。
顔淵曰く、願わくは善にほこることなく、労をおおいにすること無からんと。子路曰く、願わくは子の志を聞かんと。子曰く、老者は之を安んじ、朋友は之を信じ、少者は之をなずけんと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
そして両方とも幹は勇健で直立分枝し下の方は著しい亀甲状の厚い樹皮でおおうている。葉は針状常緑であるが、アカマツの方は柔かくクロマツの方は強い。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
克畏こくいしんを読めば、あゝおおいなる上帝、ちゅうを人にくだす、といえるより、其のまさくらきに当ってや、てんとしてよろしくしかるべしとうも、中夜ちゅうや静かに思えばあに吾が天ならんや
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
メテ啼キ/新春恰モ好シ新棲ニ寄スルニ/片茅頂ヲおおヒテ多地無ク/断木門ヲささヘテ小蹊有リ/咸籍ノ流風叔侄ヲつらネ/機雲ノ廨舎東西ヲ占ム/蘆簾かかゲテ梅花ノ外ニ在ルモ/只欠ク斉眉挙案ノ妻〕この律詩に毅堂は
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
乃ち自ら火をおおい、燭を滅して睡る。五更の初に至って公即ち自ら起きて、燭を発し、燈を点じて著述す。日日是の如し。
洪川禅師のことども (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
コイルに作った針金を電流計につないで置き、コイルの軸の方向に太陽の光を導き入れたので、初めにはコイルの外面をおおうて内面のみに日光をあて、次には内面を葢うて外面にのみ日光をあてた。
好悪不合長相蒙 好悪こうお 合わずして長く相おお
詩人への註文 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
四分律蔵しぶりつぞう』に、仏文驎ぶんりん水辺で七日坐禅した時、絶えず大風雨あり、〈文驎竜王自らその宮を出で、身を以て仏をめぐる、仏の上をおおいて仏にもうして言わく、寒からず熱からずや
法然の住居の東の岸の上に、おおわれた勝地がある。或人がこれを相伝して自分の墓と決めておいたが、法然が京都へ帰った時、その人がそれを法然に寄進した。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しばらく言い合ったが、お庄はかくおおせないような気がした。そしてたもとで顔ににじみ出る汗を拭きながら、黙って裏口の方へ出て行った。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
野枝さんも児供が産れるたびに、児供がおおきくなるごとに青鞜せいとう時代の鋭どい機鋒きほうが段々とまるくされたろうと思う。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)