“おお”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オオ
語句割合
26.2%
21.2%
13.4%
7.4%
5.4%
5.2%
4.7%
4.0%
2.8%
1.9%
(他:122)7.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
上になった手の甲の、五つにわかれた先の、しだいに細まりてかつ丸く、つやある爪におおわれたのがい感じである。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
横にそむいて、胸越しに半面をおおうて差俯向さしうつむく時、すらりと投げたもすそを引いて、足袋の爪先を柔かに
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おおかすでございましたから早四郎は頬をふくらせてってく。五平はたゞちにお竹の座敷へ参りまして。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
するといつどこから出てたか、おおきなひげのえたおとこと、かわいらしい小さなぼうさんが出て
田村将軍 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
こうなると、光秀の軍は絶えず右翼を脅威せらるることになり、中央軍の奮戦に拘わらず、敗色既におおいがたきものがあった。
山崎合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
当時孫・丁と称されたということだが、孫、丁の名は少し後に出た欧陽修・王安石・三蘇の名におおわれて、今は知る者も少い。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ポルトガルの一武士の乗馬これを見、驚いて海に入ったのを救い上げて見ると、その武士の衣裳全く杓子貝に付きおおわれいた。
もしこの種の縞が「いき」と感ぜられるときがあるとすれば、放射性がおおわれて平行線であるかのごとき錯覚を伴う場合である。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
いかにおおきな樹でも一抱ひとかかえぐらいに過ぎないが、幹という幹には苔が蒸して、枝には兎糸としが垂れ下っている。
木曽御嶽の両面 (新字新仮名) / 吉江喬松(著)
「成る程なあ。その田宮ちゅう男なら二、三度門口で挨拶した事がある。瓦斯ガスを引く時にね。人相の悪いおおきな男だろう」
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
三人留まる久しくして、帝これをりたまい、今後再びきたなかれ、我安居あんきょす、心づかいすなとおおす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
王女はおおせを聞いて、さっそく、死の水を王さまにふりかけて、それから、命の水をかけて生きかえらせてお上げしました。
黄金鳥 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
ここにはなしをしますのは、それらのおおくの天使てんしなか一人ひとりであるのはいうまでもありません。
飴チョコの天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
てき散々さんざんのめにあわして潰走かいそうさしたが、こちらにもおおくの死傷者ししょうしゃしました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
私は二、三歩動き出しながら、黒ずんだ葉におおわれているそのこずえを見て、来たるべき秋の花と香をおもい浮べた。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかも何事であろう? 七、八人の足軽が白布でおおった板の上へ一人の武士を仰向けに寝せて、静々と運んで通るのであった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「処士の身分で華美きらびやかな振舞、世の縄墨を乱す者とあって、軽く追放重くて流罪、遁れおおすことはよもなるまい」
正雪の遺書 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それを引受けた犬殺しは、商売だから論外に置くとしても、彼等はそれを引受けて、見事やりおおせるつもりで出て来たのか知らん。
ああ哀れ気の毒千万なる男よ! 母の為めいもとの為めにくないと思った下宿の件も遂には止めおおせなかったも当然。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
私は自分の心を沙漠さばくの砂の中に眼だけを埋めて、猟人から己れの姿を隠しおおせたと信ずる駝鳥だちょうのようにも思う。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
だからまちとおると、おとこおんないて、その雄々おおしい姿すがたをながめたのです。
村へ帰った傷兵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
大東亜戦争だいとうあせんそうたたかっている雄々おおしい日本の叫びが、世界中にらされるのだ。
もくねじ (新字新仮名) / 海野十三(著)
棺をおおうて定まる批評は燦爛さんらんたる勲章よりもヨリ以上に沼南の一生の政治的功績を顕揚するに足るものがあった。
三十年前の島田沼南 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
などと江戸前の好もしくも風流なわが退屈男は、胆力すでに京一円をおおい、気概また都八条を圧するの趣きがありました。
その恋愛は先づ第一に自己の存在と他の人々の存在が真におおきく計りがたいものであるといふ感じを呼び醒ますものである。
恋愛と道徳 (新字旧仮名) / エレン・ケイ(著)
「聡明なお方に似あわず、猜疑さいぎはおふかいと聞いています。おおきな人物にも、小さい愚は誰も持っているものだ」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こと今日こんにちは鉄道も有り電信も有る世界にて警察の力をくゞおおせるとは到底とうてい出来ざる所にして
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
(自分一人に、こんな人数を向けて――斬り破る見込みはない。斬り破っても、逃げおおせるものでない。潔く、捕えられた方がいい)
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
おおく諸侯を建て、分ちて子弟を王とすれば、皇族天下に満ちて栄え、人臣いきおいを得るのすき無し。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
賈誼かぎ曰く、天下の治安をほっするは、おおく諸侯を建てゝその力をすくなくするにくは無しと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
偵察兵の帰りを待つ長羅ながらの顔は、興奮と熱意のために、再び以前のように男々おおしくたくましく輝き出した。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
彼はもっと男々おおしい音楽のほうを好んではいたけれども、聞こえてくるその魂の森と泉とのささやきに恍惚こうこつとなっていた。
葉子の頭の中では、汽車が止まりきる前に仕事をしおおさねばならぬというふうに、今見たばかりの木部の姿がどんどん若やいで行った。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
圖「その通りにしろ、山三郎をだますことは其の方に申し付ける、奉公初めに欺きおおせて毒酒を飲ませろ」
アストレイの書(上に引く)三巻三一〇頁に、ポルトガル王が、ゼブラ四疋に車を牽かせたとしるし、往年英人ゼブラに乗りおおせた者あると聞いた。
おおせてむ。7640
今おもえば実に大胆ですが、そのときには使者の役目を立派につとめおおせたという手柄自慢が胸一杯になって、わたくしは勇ましいような心持で目黒へ帰りました。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
松王が「我子にあらず、菅秀才のおんなきがら」の件で幕になりましたが、とにもかくにもこれだけのものを、わたしたちが観ていてちっともおかしい点がないほどに遣りおおせたのは偉いものです。
米国の松王劇 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかれども詩情もまたおおき人たりしは疑う可からず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
右の混混録は著者多年蘊蓄せる植物の知識と、著者の新研究に依て得た知識とを綜合しあたかも泉の混混として湧き出ずるが如く、平易なる文章、簡明なる文章、趣味おおき文章を以て綴り、且つ図を入れ、以て博く世に紹介せんとする著者の個人雑誌である。
加之そのうえ拙者本来八岐大蛇の転生うまれがわりで、とかく四、五升呑まぬと好い考えが付かぬが、妻がかれこれ言うから珍しく禁酒中で、どうせ満足な竜の起原論は成るまいが、材料はおおくある故、出来るだけ遣って見よう。
プリニウスはいわくバレアリク諸島に熟兎おおくなって農穫全滅に瀕しその住民アウグスッス帝に兵隊を派してこれをふせがんと乞えりと、わが邦にも狐狸を取り尽くして兎跋扈ばっこを極め農民くるしむ事しばしばあるが熟兎の蕃殖はまた格別なもので
「もしその場合殿下御自身のお気持でキャゼリン嬢とでも仰言おおせられたようでしたら、私共の方では即刻MISSミス・キャゼリンに働いてもらうことにするつもりですから! 御面倒でしょうが、そういう取り計いにしていただけないでしょうか?」
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
ひどく顔色が蒼褪あおざめてよほど何事かを思い悩んでいられる風であったが、別段何にも仰言おおせられずただ言葉すくなに書記官と一緒に大使のところへ行って来るが一時間ばかりもしたら用談が済むからその時分に車を迎えに寄越すようにと言い残されたまま、グレーヴス書記官と同列で出て行ってしまわれた。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
今じゃ、親分の前でもおおびらに
八寒道中 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「床にけたは、白の小菊じゃ、一束ひとたばにしてつかみざし、喝采おお。」とめる。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「人格を尊重し給え」とラエーフスキイはかまわずに、「しょっちゅう人のことをああだとかおおだとか噂ばかりしているんだ。しょっちゅう人の跡をつけ廻して、立ち聞きしているんだ。それで友情が……ふん、聞いて呆れるよ。金は貸す、そのかわり条件がある、まるで子供扱いだ。いやはやもうさんざんな目に逢ったよ。僕はもう何にもいらない!」興奮のあまりよろよろしながら
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
しかしまだ書卷となすに至らないで過ぎたのを、奈良時代のはじめ、和銅四年(七一一)九月十八日に、元明天皇が、おお安萬侶やすまろ(七二三歿)に稗田の阿禮が誦む所のものの筆録を命じ、和銅五年(七一二)正月二十八日に、稿成つて奏上した。
古事記:04 解説 (旧字新仮名) / 武田祐吉(著)
かつてうるわしくおおいなる宮殿みやい――
私はフラフラと立ち上って、私の春外套の下に、その婦人の全身をおおいました。
法悦クラブ (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
おう。」と、涼しく答えますと、御装束の姿もあたりを払って、悠然と御庭へ御下おおりになりましたのは、別人でもない堀川の若殿様でございます。(未完)
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
かこものして御置おおきなさらうとも其樣そんこと悋氣りんきするわたしでもなく、侍婢をんなどもから其樣そんうわさきこえまするけれどれほどはたらきのある御方おかたなり
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
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