“こう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コウ
語句割合
10.3%
8.9%
7.6%
7.5%
3.6%
3.3%
3.1%
3.0%
2.9%
2.6%
(他:441)47.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
残燈ありあけ暗く床柱とこばしらの黒うつややかにひかるあたり薄き紫のいろめて、こうかおり残りたり。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
次女はもったい振り、足の下の小さい瀬戸の火鉢に、「梅花」というこうを一つべて、すうと深く呼吸して眼を細めた。
ろまん灯籠 (新字新仮名) / 太宰治(著)
それがだんだんこうじて来ると、今度はごく些細ささいな刺戟からも、絶えず神経をさいなまれるような姿になった。
忠義 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そう思うとあり合わせるものを取ってちこわすか、つかんで引き裂きたいような衝動がわけもなくこうじて来るのだった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「はてな、あんなにたくさんのあぶらだるをなんでこう仕入しいれてきたろう。」と、おつかんがえました。
神は弱いものを助けた (新字新仮名) / 小川未明(著)
すなうえよこになって、しばらくそらをながめていましたこうは、ふいにからだこしました。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこでこうじはてた私は、先にも一寸ちょっと書いた様に、例の覗き眼鏡の遊戯を、ふと思いうかべることになったのです。
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
——が、迦羅奢がらしや夫人が、もっとこうじ果てていることは、忠興ただおきの余りに度の過ぎた強い愛情のあふれであった。
きょう、桑名くわなじんをさして、てんおかをくだってきた、和田呂宋兵衛わだるそんべえの一こうである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、向こうで気がついて、すぐわき道へかげをかくしたので、一こうの者もあえてわず、そのままさきをいそいでゆく。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかも我々はこの中宮が、十六歳にして中宮となり、二十五歳にして皇后として産褥さんじょくこうぜられたことを知っている。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
しかし秀吉は、その後間もなく慶長三年にこうじたので、折角の対呂宋ルソン強硬外交も、実利的の実は結ばなかった。
「こうこうの先陣は、公綱きんつなが受け持った。千早一番乗りは公綱がつかまつれば、この手はおまかせねがいたい」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奥州みちのくに武者も多いが、そちはこう二心を持たぬ奥州ざむらい。そう見込んだがゆえ、いいつけたのだが」
〔譯〕臨時りんじしんは、こうを平日にかさぬればなり。平日の信は、こうを臨時にをさむべし。
軍師ぐんし威命いめいおこなわれず、命令が二からでて、たがいにこうをいそぐこと、兵法の大禁物だいきんもつである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
後家が、役者に、思いをかけての、痴話喧嘩ちわげんかが、こうじたもの——とでも、いったように、お初はいいまわした。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
芸術家の至上主義がこうじると生活が乱れやすいが、老人のこの主義はまことに安全だから結構だと思って見たりした。
熊谷くまがいのさる豪農に某という息子があったが、医者になりたいという志願であったから、こうの某家に養子にった。
取り交ぜて (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
しをらしさのおかげかして、こうだいむかうにる、土手どてあがると、く、く、くぞ、そこに
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「そうなりますと、絶体絶命、こうに受けるより手がなくなりました。上手うわてに向っての劫は大損でございますが、仕方がありません」
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それがだんだんにこうじて来て、庄兵衛は袂に小さい壺を忍ばせていて、斬られた人の疵口から流れ出る生血なまちをそそぎ込んで来るようになった。
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ある夜は、木枕をならべ、薄いしとねしかつぐ五こうに、思わず、指と指のふれあって、胸をわかすこともあろう。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いやお顔いろもすぐれず、ほどなく四こう(夜明け)にもなりましょう。暁とともに、ここは御発足の手筈にございますが」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
謎の女が苦しまぎれの屈託顔に六畳敷を出たのは、焦慮じれったいがこうじて、布団の上にたたまれないからである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
住みにくさがこうじると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいとさとった時、詩が生れて、が出来る。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
昔はこうでもでも何でも皆孝で押し通したものであるが今は一面に孝があれば他面に不孝があるものとしてやって行く。
教育と文芸 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
忠は公徳にして孝は私徳なり、その、修まるときは、このこう、美ならざらんと欲するもべからざるなり。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
この島鼠多く、人をも害することあり、或年あるとし浜田より人をつかわし駆除せしめらるるもこうしとある。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「入湯のこうで、定めし、見違えるほど御壮健になったことと存じます。何と申しても人間は健康第一、これでなくてはいけません」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山口屋——本問屋——のお駒ちゃんは八百屋お七——お駒ちゃんの妹のこうちゃんは実にぱっちりした、若衆だちの顔つきだった。
群臣あるいは帝に勧むるにせつこうするを以てするあり、あるい湖湘こしょうに幸するにかずとするあり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「日本語なんか僕知らないや、百がサルでにちがスベで、こうがリだろ。英語では百日ってハンドレッド・デイっていうよ」
人造人間 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
東方とうはう臥龍山ぐわりうざんいたゞきすこしくしらみて、旭日きよくじつ一帶いつたいこうてうせり。
鉄槌の音 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「では、すぐ馬をとばして、秦朗と一騎打ちを遂げ、その首をこれへ持ってこい。然る後、こうを容れ、重き位置を与えよう」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こうを乞いながら、憐愍れんびんを仰ぐなど、贅沢な云い分。否やあれば、七百の城兵もろとも、ほふり尽すまでのこと」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
沖縄の方にはドンガという語はないが、旧三月四月のこうの季節をウルズミともヲレズミともいう語があって、「おもろ」の中にもよく出てくる。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
クルックの『北印度の俗教』一巻七三頁に、アーマドナガールで四、五月のこう二村の童子石を打って闘う。
白髪、こうわたり、もとの路をたずぬ。何年も江戸を明けたわけではないけれど、しきりに、そんな気がしてならない。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「ごもっともです。……実は私が待っているのは、今日あたりこうを下ってくると聞いている洛陽船らくようぶねでございます」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こうちゃんは勉強べんきょうがすむと、いつものように、さきとこへはいりました。そして、しばらくをあけて、
引かれていく牛 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こうちゃん、ぼくに、この山吹やまぶきを一ぽんおくれよ。」と、勇二ゆうじたのんだのであります。
親木と若木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
この日を山のこうというので、ちょっと見ると農事に関係がないように取れるが、これに参与する者は主として農民であった。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
多年来たねんらい西洋の書をこうじて多少に得たるところのその知見ちけんも、今や始めて実物じつぶつに接して
くきは直立し少数の茎葉けいよう互生ごせいし、初夏しょかこういただき派手はでやかな大花たいかが咲く。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
ふたゝ冷水浴れいすゐよくおこなひ、春夏しゆんかこう繼續けいぞくするをしも
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
日本堤を行き尽して浄閑寺に至るあたりの風景は、三、四十年後の今日、これを追想すると、こうとして前世を悟る思いがある。
里の今昔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
かつてわたくしが年十九の秋、父母に従って上海シャンハイに遊んだころのことを思い返すと、こうとして隔世の思いがある。
十九の秋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
というような料簡りょうけんが日頃まって居るので無ければ斯様こうは出来ぬところだが、男は引かるるままに中へ入った。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
北越の猛将上杉謙信が「数行過雁月三更」と能登の国を切従えた時吟じたのも、霜は陣営に満ちて秋気清き丁度斯様こういう夜であった。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
而もあの老人がそう云う災厄をこうむるに至ったのは、平中が時平に詰まらぬおしゃべりをしたからなのである。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
正月の年始が遅れたとか近火の見舞をいわなかったとかいうので勘気をこうむったりしたものもあった。
甞て私が学校を除籍せられた時、父が学資の仕送りを絶ったのは、こうもしたら或は帰って来るかと思ったからだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
父様ととさま御帰りになった時はこうしてる者ぞと教えし御辞誼おじぎ仕様しようく覚えて、起居たちい動作ふるまいのしとやかさ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
主人とお嬢さんとの膝に掛けるきれが、こうとりの形に畳んである、その嘴のところに、薄赤の莟を一つづつ挾んだ。
薔薇 (新字旧仮名) / グスターフ・ウィード(著)
東京へ来てから、この怪しい夢はもとより手痛く打ちくずされてしまったが、それでも時々は今でも観音様の屋根にこうとりが巣を食っているだろうぐらいの考にふらふらとなる事がある。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それが誰々とも旗差物でもよくわからないが「……ここに御手分おんてわけありて」としるす梅松論の一こうには、
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なお竹のほかには杉皮も二元的対立の一方のこうを成すものとして「いき」な建築が好んで用いる。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
翌年ハイドンはアイゼンシュタットのエステルハツィこうに招かれて、礼拝堂の第二音楽長になり、その半生を託した地位におかれた。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
燕府えんふの将校官属を相せしめたもうに、珙一々指点して曰く、ぼうこうたるべし、某はこうたるべし、某は将軍たるべし、某は貴官たるべしと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)