“奇異”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きい39.0%
ふしぎ29.3%
きゐ12.2%
きたい9.8%
あや2.4%
おつりき2.4%
みょう2.4%
ファンタスク2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はたして、伊那丸の主従しゅじゅうは、らえられもせぬじぶんたちが、きょう刑場けいじょうられるといううわさを聞いて、奇異きいな感じに誘惑ゆうわくされた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、ここに奇異ふしぎというのは、間もなく横蔵の場合と、符合したかのように、慈悲太郎が悪疫にたおされてしまったからである。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
絶頂ぜつてう平坦たひらになし、馬の天険てんけんをたのみてこゝに住居し耕作かうさくをもしたるが、ほろびてのち其灵魂れいこんこゝにとゞまりて苗場なへば奇異きゐをもなすにやとおもへり。
古い港の町、燈台の見える海、奇異きたいな女の風俗などのついた絵葉書が、そこへ取出された。三吉は思いついたように、微笑えみを浮べながら
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
奇異あやしく、怖しく思ふ程に、内野にありける十歳許なる死人を、此れ川原に持行ててよと責めければ、男終日長谷より歩みこうじて、力なく堪へ難くて、我れ長谷に三年月参りして
放免考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
戀女こひをんな輪近わぢかくへ奇異おつりき魔物まものいのして、彼女おてき調伏てうぶくしてしまふまで、それを突立つッたたせておいたならば、それこそ惡戲てんごうでもあらうけれど、いまのは正直正當しゃうぢきしゃうたう呪文じゅもんぢゃ、彼女おてきりて
また、奇異みょうなものを見ました——
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし、これだってよく考えて見れば、別に奇異ファンタスクだの玄妙ミスチックだのという事柄ではない。要するに王様がここから連れ出されたと見せかけるためのトリックに過ぎない。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)