“きたい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キタイ
語句割合
稀代24.8%
危殆18.8%
奇体14.8%
奇態13.4%
期待9.4%
希代8.7%
奇異2.7%
鬼胎2.0%
奇體1.3%
気体1.3%
危怡0.7%
奇代0.7%
奇躰0.7%
氣體0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あいつに馳け向っては無理もない。稀代きたいがねむちの使い手だ。だがさ、なんだッてまた、そんな無謀な深入りをしなすッたのか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鎌倉は危殆きたいにひんした。あたかもこれ、かつて北条高時が、新田義貞の猛攻撃の中におかれたあの日を逆にしたようなものである。
それからゆっくり、こしからたばこ入れをとって、きせるをくわいて、ぱくぱくけむりをふきだした。奇体きたいだと思っていたら、またはらかけから、何か出した。
さいかち淵 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
わたしいま屹度きつとばつせられるんだわ、うして自分じぶんなみだなかおぼれるなて—眞箇ほんと奇態きたいだわ!けども今日けふなにみんへんよ』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
造物主から受けた功徳くどくに、利息をつけて後代に伝える責任を、子供に期待きたいすることは愚なことかも知れないが、事実そんな期待をいだいている。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
伊豆はそこまで云いかけると咄嗟に自分もじたばた格好をつくったが、希代きたいな興奮に堪え難くなってほとばしるように笑いだした。
小さな部屋 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
差出さしいだすを新三郎が手に取上とりあげて見ますれば、飯島の娘と夢のうちにて取交とりかわした、秋野に虫の模様の付いた香箱の蓋ばかりだから、ハッとばかりに奇異きたいおもいを致し
歯だけしか残っていないような所謂いわゆる鬼胎きたいなるものが、時々発見されるのは、その胎児の夢が、何かの原因で停頓するか、又は急劇に発展したために
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
此塲このば光景くわうけいのあまりに天然てんねん奇體きたいなので、わたくし暫時しばし此處こゝ人間にんげんきやうか、それとも、世界せかいぐわいある塲所ばしよではあるまいかとうたがつたほどで、さらこゝろ落付おちつけてると、すべての構造こうざうまつた小造船所せうざうせんじよのやうで
己の精神は、アルコオルや揮発油きはつゆよりももっと蒸発力じょうはつりょくの強い気体きたいのようなもので、いくら壜詰びんづめにされても、キルクや封蝋ふうろうで密閉されても、わずかな隙間からどんどん上昇して行くのだった。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
それを読んでみると、このところ両人の関係が、非常に危怡きたいひんしているのが、よく判った。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
よ! よ! いはめんなめらかに、しつあをつやきざんで、はないろうつしたれば、あたかむらさきすぢつた、自然しぜん奇代きたい双六磐すごろくいは
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いまではそんなたのしい、うつくしい、花園はなぞのがないかはり、まへ橋銭はしせん受取うけとざるいてある、このちいさなまどからふうがはりないぬしゝだの、奇躰きたいきのこだの、不思議ふしぎさるだの、まだ其他そのたひとかほをしたとりだの
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
火山かざん噴出物ふんしゆつぶつ固體こたいほかおほくの氣體きたいがある。水蒸氣すいじようき勿論もちろん炭酸瓦斯たんさんがす水素すいそ鹽素えんそ硫黄いおうからなる各種かくしゆ瓦斯がすがあり、あるものはえてあをひかりしたともいはれてゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)