“気体”の読み方と例文
旧字:氣體
読み方割合
きたい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たれこめた鼠色ねずみいろの雲の堆積から、さながら、にじみ出るかのように、濃い、乳色の気体きたいが立ちならんだ人家の上を、通りの中を、徐々に、流れはじめたのでございました。
両面競牡丹 (新字新仮名) / 酒井嘉七(著)
己の精神は、アルコオルや揮発油きはつゆよりももっと蒸発力じょうはつりょくの強い気体きたいのようなもので、いくら壜詰びんづめにされても、キルクや封蝋ふうろうで密閉されても、わずかな隙間からどんどん上昇して行くのだった。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)