“鼠色”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ねずみいろ87.7%
ねずいろ3.5%
ねずみ3.5%
ねづみいろ2.6%
ねず2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこには直径一寸以上もある瓦斯ガス管のような太い鉛の管が、穴蔵の天井を伝って、床の近くまで、鼠色ねずみいろの蛇のようにい降りていた。
暗黒星 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
どこからともなく、薄灯うすあかりがポーッと射した高座の下のあたり、鼠色ねずいろの着物を裾長すそながに着た、変な者がヒョロヒョロと立っているではありませんか。
余りの有難さに自分おのれもまた涙聊か誘はれぬ、さて美しき姫は亡せ果てたり、美しき尼君はり出で玉ひぬ、青〻としたる寒げのかしら鼠色ねずみ法衣ころも、小き数珠ずゞ、殊勝なること申すばかり無し
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
其時そのとき小犬こいぬほどな鼠色ねづみいろ小坊主こばうずが、ちよこ/\とやつてて、啊呀あなやおもふと、がけからよこちゆうをひよいと、背後うしろから婦人をんな背中せなかへぴつたり。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
茶店の床几しょうぎ鼠色ねず羽二重はぶたえ襦袢じゅばんえりをしたあら久留米絣くるめがすりの美少年の姿が、ちらりと動く。今日は彼は茶店の卓で酒をんでいるのだ。
桃のある風景 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)