“背後”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うしろ95.5%
はいご2.3%
あと0.9%
しりへ0.4%
せなか0.3%
うしろすがた0.1%
しりえ0.1%
そがひ0.1%
そびら0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
凜々しい態度と鋭い声に、気を呑まれたらしい五人の武士は、捉えていた娘を手放すと、一斉に背後うしろへ飛び退いたが、見れば相手は一人であった。
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼女は、私の注文を聞くと、一揖いちゆうしてくるッと背後うしろを向き、来た時と同じように四つ足半の足はばで、ドアーの奥に消えて行った。
白金神経の少女 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
やがて二三ちょうさきってしまった徳太郎とくたろう背後はいごから、びせるようにののしっていた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
両雄が語り合っているところへ、敵の一城、上月こうづき背後はいごには、毛利家の尻押しによる浮田和泉守の手勢がだいぶいるらしい、という情報が入って来た。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼はそこまで行くと、園内のにぎやかさを背後あとにして、塗りつぶしたような常緑樹じょうりょくじゅの繁みに対して腰を下した。
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
頼春の危険を助けようとして、馳せつけ身を挺した小次郎は、刀も抜かず背後あとへさがり、身をそむけ眼をそらし、頼春は差しつけた刀を引いて、これは憎悪の切歯をした。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ばちはてきめん、我が事も、人の背後しりへに笑ふぞと、知らぬが花の模様もの、着た夫人おくがたの集会も、あながち長屋の女房達に、譲らぬが世の習ひなるべし。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
かへり見らるる船のみち、背後しりへの花火、すれちがひたる麝香連理じやかうれんりの草花の籠、ひとの襟あしみなほのかなれ。
第二真珠抄 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
しずかに言って、例の背後せなかに掛けた竹の子笠を、紐を解いて、取りましたが、吹添って、風はあるのに、気で鎮めたかして、その笠が動きもしません。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼らの背後せなか背負しょっている因縁いんねんは、他人に解らない過去から複雑な手を延ばして、自由に彼らをあやつった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
吾輩は呆気あっけに取られてその背後うしろすがたを見送った。頭のしんがジイーンと鳴り出したような気がした。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
山の上にある麗人国も、谷の底にある獣人国も、見る見る彼女の背後うしろになった。水藻みずも水泡みなわの住んでいる双玉の原も背後しりえになった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この地球ほし人類ひとの文化の明るさよ背後そがひの闇に浮出て美し
和歌でない歌 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
背後そびらには、血しほしたたる
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)