“夫人”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
おくさん23.5%
ふじん20.0%
おく13.0%
おくさま13.0%
マダム9.6%
おくがた6.1%
ひと3.5%
ぶにん3.5%
つま1.7%
あなた0.9%
(他:6)5.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“夫人”を含む作品のジャンル比率
歴史 > 伝記 > 日本41.7%
文学 > フランス文学 > 小説 物語(児童)30.8%
文学 > 英米文学 > 小説 物語(児童)21.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「飛んだ事を! 夫人おくさん、廉平がここにるです。して、して、そんな間違まちがいはさせんですよ。」
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
気を静めて、夫人おくさん、しっかりしなければ不可いけません。落着いて、いですか。心をたしかにお持ちなさいよ。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし、夫人ふじんしづめて、ちかくにゐる同志どうし婦人達ふじんたちあつめた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
夫人ふじん、あなたの御病気はそんな手軽いのではありません。肉をいで、骨を削るのです。ちっとの間御辛抱なさい」
外科室 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「三名して、夫人おく幼児おさなごたちの身をまもり、木下藤吉郎を案内として、く、城外へ落ちのびよ。すぐ行けッ」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
如何いかがなものでございましょうか? これはまあ夫人おくさまさっそくご承知くださいまして有難う存じまス。
夫人おくさまも嬢様もこの人だけには安心して交際つて在らツしやるが、素振にも出さない心根を察して見ると気の毒になる。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
「それは夫人おくさま、いくらなんでもちっとはお痛みあそばしましょうから、つめをお取りあそばすとは違いますよ」
外科室 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その側に添ってゆく夫人マダムのお槙は、今観覧席で足をつかまれた時に気づいたとみえて、時折トムの方をふりかえりながら、
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
船渠ドック会社の構内でったんでしょうね、あの、仲通りの高瀬商会の夫人マダムお槙さんのオペラバッグから」
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やや離れて、広縁をうしろにし、じっと、先刻さっきから手をつかえているのは、夫人おくがたしずかまえであった。
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
——そこへの悲報じゃ、夫人おくがたのお驚き、又、百姓町人共のいかり方、この暁方あけがたへかけての騒ぎは、貴様たちに
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お察しの通り、あの老婦人、マッケイのお母さんです。僕をきらった夫人ひとです。」
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「まあ、」と飛んだ顔をして、斜めに取って見透みすかした風情は、この夫人ひとえんなるだけ、中指なかざし鼈甲べっこうを、日影に透かした趣だったが、
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さざなみの寄するなぎさに桜貝の敷妙しきたえも、雲高き夫人ぶにん御手みて爪紅つまべにの影なるらむ。
一景話題 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
祖師堂は典正なのが同一棟ひとつむねに別にあって、幽厳なる夫人ぶにんびょうよりその御堂みどうへ、細長い古畳が欄間の黒いにじを引いて続いている。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夫人つまたる御方は、良人の留守を守るのが道であるのに、いま荊州を去るとは何事か。それが呉の婦道か」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
無礼なり孫権。——もとより荊州はいつか呉へ還さんとは思っていたが、汝、いたずらに小策をろうし、わが夫人つまあざむいて、呉へ呼び返すなど、玄徳の面目を無視し、夫婦の情をしいたげ、いつかはこの恨みをと、骨髄に刻んでいた玄徳の心を知らないかっ。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
翌日、平沼から急行列車に乗り込んで、そうして夫人あなたに逢ったんだと。……
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
薄 夫人うちかたも、お待兼ねでございます。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
百済くだらわたりの螺鈿らでんの大づくゑに肘をもたせて、鏡ノ夫人おおとじはさつきから、うつらうつらと物思ひにふけつてゐる。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
その鸚鵡——百済くだらわたりのその白鸚鵡を、大海人おおしあまノ皇子へ自身でとどけたものだらうか、それとも何か添へぶみでもして、使ひに持たせてやつたものかしら……などと、陽春三月のただでさへ永い日を、ふた昼ほど思ひあぐねた鏡ノ夫人おとじは、あとになつて考へれば余計な取越し苦労をしたといふものだつた。
鸚鵡:『白鳳』第二部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
手習いがいやなのではなく、寺院おてら夫人だいこくさんが、針ばかりもたせようとするのが嫌だったのだ。
とにかく、その主馬頭モンテイロ夫人セニョラは小説的な吸血鬼ヴァンパイアで、騎士だの侍従だの詩人だのたくさんのBEAUXを持つ。
それを月と夫人セニョラが上から青白く冷たく見物していた——というので、これがひどく有名になり、それからこの通りを主馬頭町カイ・デ・モンテイロと呼ぶにいたった。
令嬢ドモアゼルぢやない。夫人ダアムだ」
落葉日記 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)