夫人つま)” の例文
「わが夫人つま蔡氏の父蔡大臣の誕生祝いの品を護って、東京とうけいまでつつがなく送り届けてほしいのじゃ。もちろん、軍兵ぐんぴょうは望み次第に付けてやる」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夫人つまたる御方は、良人の留守を守るのが道であるのに、いま荊州を去るとは何事か。それが呉の婦道か」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いたずらに小策をろうし、わが夫人つまあざむいて、呉へ呼び返すなど、玄徳の面目を無視し、夫婦の情をしいたげ、いつかはこの恨みをと、骨髄に刻んでいた玄徳の心を知らないかっ。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)