“つま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ツマ
語句割合
14.8%
14.1%
12.7%
10.5%
9.8%
9.8%
5.6%
4.5%
2.4%
良人1.9%
1.6%
1.1%
0.7%
0.6%
0.6%
0.5%
0.5%
女房0.5%
0.5%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.3%
0.2%
0.2%
内儀0.2%
夫人0.2%
0.2%
0.2%
都万0.2%
0.2%
配偶0.2%
0.2%
充填0.2%
0.2%
0.2%
滿0.2%
畢竟0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
王妃0.1%
0.1%
充實0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
填充0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
本妻0.1%
無味0.1%
0.1%
0.1%
細君0.1%
0.1%
老妻0.1%
0.1%
調味0.1%
0.1%
0.1%
郷偶0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は直ぐにそれをつまんで白菜パイサイの畑のなかに投げ込んだ。そうして、ほっとしたように見あげると、今朝の空も紺青に高く晴れていた。
はなしの話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
此上このうへにおたのみは萬々ばん/″\見送みおくりなどしてくださるな、さらでだにおとこ朋友ともだち手前てまへもあるになにかをかしくられてもおたがひつまらず
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
謙譲のつまはずれは、倨傲きょごうの襟より品を備えて、尋常な姿容すがたかたちは調って、焼地にりつく影も、水で描いたように涼しくも清爽さわやかであった。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うちの狗か。」判事はだしぬけにみちの真中で鼻をつままれたやうな顔をした。「それぢや仕方がない、盗まれた肉代は幾らだつたね。」
くだん古井戸ふるゐどは、先住せんぢういへつまものにくるふことありて其處そこむなしくなりぬとぞ。ちたるふた犇々ひし/\としておほいなるいしのおもしをいたり。
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
原口さんは無論ゐる。一番さきて、世話をいたり、愛嬌を振りいたり、仏蘭西式のひげつまんで見たり、万事いそがしさうである。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
親仁おやぢわめくと、婦人をんな一寸ちよいとつてしろつまさきをちよろちよろと真黒まツくろすゝけたふとはしらたてつて、うまとゞかぬほどに小隠こがくれた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
結納ゆいのうかはされし日も宮は富山唯継をつまと定めたる心はつゆ起らざりき。されど、己はつひにその家にくべき身たるを忘れざりしなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
私はもうグッと胸がつまって来ましたから、構うことはないもうやっつけてしまえと思ったのですけれども、足立さんがしきりに止める。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
ふり残されし身一ツに、雨をも、雪をも、御案じ申し上げれども。かくと明かせぬ切なさは、世に隔てなく待遇もてなしたまふ、良人つまへ我から心の関。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
何や、狐につままれたようなお話で、お聞き下さいましたみなさんは、物足らんように思われますやろが、私も実はけったいな気がしました。
「いや、そんな事を遠慮する奴があるものか。斯うなればつまづく石つころも手掛りだ、早速宗太郎の樣子を探つて見よう」
「こんな所にゐてはつまりません。」だの何だのつて言ふの。なんだか愚痴見たいな心細い話ばかりするのよ。
梅龍の話 (旧字旧仮名) / 小山内薫(著)
殿祭トノホカヒ室寿ムロホギのうたは、家讃め・人讃め・覉旅・宴遊のうたを分化し、鎮魂の側からは、国讃め、妻ぎ・つま偲び・賀寿・挽歌・祈願・起請などに展開した。
かつて深川で左褄ひだりづまを取っていた師匠は、万事ゆったりしたこの町の生活気分が気に入り、大弓場の片手間に、昔し覚えこんだ清元の稽古をしてつましく暮らしているのだったが
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
私は娘が立った瞬間から、頭にかっと血が上ったように、呼吸さえつまるような昂奮を感じた。そして、すぐ表のそばへ行って見たいような気がした。
性に眼覚める頃 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
長局ながつぼねの一つの入口に、男持ちの扇が落ちていた。扇のつまから、月が大きく画いてある物だった。それを拾った女房たちは、おもしろがって、ほかのつぼねの女房たちの間を見せまわったあげく
なにみねたかと安兵衛やすべゑ起上おきあがれば、女房つま内職ないしよく仕立物したてもの餘念よねんなかりしをやめて、まあ/\れはめづらしいとらぬばかりによろばれ、れば六でうに一けん戸棚とだなたゞ一つ
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もし両者に軽重の区別があると言いますならば、天津神は父、国津神は母、天孫民族はおっと、先住土着の民族はつまの関係という位のところであります。
「はて、返事がえの、し可し。」とかごりたる菓子をつまめば、こらえかねて
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
このところ来客に出す酒肴もみすぼらしいほど粗末になった、家内の食事は焼き味噌に菜漬だということも耳にする、……それほどつましくするおまえが
日本婦道記:尾花川 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
重ね重ねの不思議に姫は全く狐につままれた形で、ぼんやりと突立って見ていると、その内に又もや風が一しきり渦巻うずまって
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
私は金につまつて心中なんぞを為た、と人にわらわれましても、情婦をんなの体を売つたお陰で、やうやう那奴あいつ等は助つてゐるのだ、と一生涯言れますのは不好いやで御座います。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
何とやらして空飛ぶ鳥は、どこのいずこで果てるやらって唄があるが、まったく私らの身の上さね。こうやってトドのつまりは、どこかの果の土になるんだ。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
ここでひとかわっているのは、私達わたくしたちほとんどすこしも現世時代げんせじだいおもばなしをしなかったことで、しひょっとそれをろうとすると、なにやらくちつまってしまうようにかんじられるのでした。
子は可愛いぞ、益満、然し、天下のために、子を斬る時も、人間にはあるぞ。まして、お前達、軽輩の身軽さとはちがう。いろいろの、つまらぬ、小さい、煩わしいことが、わしを縛っている。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
目鼻めはなだちの何處どこやらが水子みづこにてせたる總領そうりやうによくたりとて、いまはなきひとなる地主ぢぬし内儀つま可愛かあいがられ、はじめはお大盡だいじん旦那だんなたつとびしひとを、父上ちゝうへぶやうにりしは其身そのみ幸福しやわせなれども
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
夫人つまたる御方は、良人の留守を守るのが道であるのに、いま荊州を去るとは何事か。それが呉の婦道か」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
只勢のみを知て事を爲すものは必ず術に陷るべし。又理のみを以て爲すものは、事にゆきあたりてつまるべし。
遺訓 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
そんなつまらぬかんがえ打消うちけすと、結局けっく夢中にそんな所も過ぎるので、これまことによいことだと自分は思う。
死神 (新字新仮名) / 岡崎雪声(著)
日向ひゅうが都万つま神社のお池、花玉川はなたまがわの流れには片目の鮒がいる。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
見出しおどろき申候れば昨夜つまづきしはまつたく殺害せつがいされし者と初めて心づき候因て殺し人は外に御座候はんおそれながら此儀御賢慮ごけんりよねがひ奉つるといふをもまたず小野寺源兵衞席を進みこゑあらくいかに傳吉おのれ邪辯じやべん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それからつまった音、それは「つ」という字を書くのでありますけれども、この仮名は普通の「つ」の音に読む場合と、「有つた」という風に促った音と、二つの用をなしている。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
海岸には、光線がぎっしりと充填つまって、まぶしくって、何にも見えない位だった。そしてその光線の中へは、一種の妖精ようせいにでもならなければ、這入はいれないように見えた。
麦藁帽子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
早人はやひとの名に負ふ夜ごゑいちじろく君が名のらせつまとたのまむ (巻十一)
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
橋の上には、夕陽の後光を後ろに背負しょった、素晴らしい美女が地味なお召のあわせつまを軽くかかげて、平次の顔を迎えて、引入れるようにニッコリするのでした。
今日は日比谷の散歩やら、芝居の立見やら、滿つまらなく日を暮して、おしまひに床屋へ入込はいりこんで今まで油を賣つてゐたのであるが、氣がついて見ると、腹はもうかみつくやうにつてゐる。
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
牧場の土と成りたいと言ふのも、山で葬式をして呉れと言ふのも、小諸の向町へ知らせずに置いて呉れと言ふのも、畢竟つまるところは丑松の為を思ふからで。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
はい/\、狐につままれました御免なされ、と云ひながら悪口雑言聞き捨に痛さを忍びて逃げ走り、漸く我家に帰りつけば、おゝ御帰りか、遅いので如何いふ事かと案じて居ました
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「いやだよ、もう金さん、そんなていねいなことばつかわれると、私は気がつまるから、やっぱり書生言葉を遣ってくださいよ。ほんとに凛々りりしくって、私は書生言葉は大好きさ」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「またつまったときは、いつでも持ってお出でなさい」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「なるほどこれはつまってる」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つまの花瀬は最前より、物陰にありてくだんの様子を、残りなくながめゐしが。身は軟弱かよわ雌犬めいぬなり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
降り続く大雪に、伯母おばに逢ひたる心地ここちにや、月丸はつま諸共もろともに、奥なる広庭に戯れゐしが。折から裏の窠宿とやかたに当りて、鶏の叫ぶ声しきりなるに、哮々こうこうと狐の声さへ聞えければ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
わが王妃つま、わが夢、わが欲望のぞみ! ウスナの家がわしに対してあの苦いにがい罪を犯さなかった前には、おお、婦人おなごの中のこじかよ、わしが自分の夢をお前の顔の光明あかりに照らした時
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
死んでからのお前の静かな微笑はメーブ女王の全軍の兵よりもわしにはっと恐ろしい! デヤドラ、デヤドラ、お前の眼には、死と美しさがあった、わが王妃つま、わが夢、わが欲望のぞみ
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
つまり、これから自活する決心で今晩から某家へ雇われる事になった。永く辛抱が出来ればいいが、未来の事は誰にも判らない。
日蔭の街 (新字新仮名) / 松本泰(著)
いい事か、悪い事か知らんが、僕は計画があるんだ。つまりね、この端金を一晩でビールの泡にしてしまうというんだ。遊民生活の過去と華々しい訣別式を
日蔭の街 (新字新仮名) / 松本泰(著)
そのまなこでなうて、そんな鬪爭けんくわまなこ何處どこにあらう? 足下おぬしあたまには鷄卵たまご黄蛋きみ充實つまってゐるやうに、鬪爭けんくわ充滿いっぱいぢゃ、しかも度々たび/″\打撲どやされたので、少許ちっと腐爛氣味くされぎみぢゃわい。
長い間木之助の毎日の生活の中で、わずらわしいことやつまらぬことの多い生活の中で竜宮城のように楽しいおもいであったこの家もこれからは普通の家になったのである。
最後の胡弓弾き (新字新仮名) / 新美南吉(著)
大概お総菜そうざいなど、朝は、しばのお汁、中飯にはちハイ豆腐か、晩は鹿尾菜ひじきに油揚げの煮物のようなものでそれはつましいものであった(朔日ついたち、十五日、二十八日の三日には魚を付けるのが通例です)
雀は、しばらくためらって後、大きなかけらを素早くつまんで、煙突の向うへ飛び去りました。が、じき一羽の友を伴れて、戻って来ました。友はまた友を伴れて来ました。
きてゐるやうなら……ときときところところはかはかとし埋葬所はふむりどころなんねん其間そのあひだ先祖せんぞほね填充つまってあり、まだ此間このあひだめたばかりののチッバルトもまぶれの墓衣はかぎのまゝで
得て気のつまるものと俊雄は切り上げて帰りしがそれから後は武蔵野へ入り浸り深草ぬしこのかたの恋のお百度秋子秋子と引きつけ引き寄せここらならばと遠くお台所より伺えば御用はないとすげなく振り放しはされぬものの其角きかくいわくまがれるを
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
ただ都会のただ中では息がつまつた。人間の重さで圧しつぶされるのを感じた。其処に置かれるには彼はあまりに鋭敏な機械だ、其処が彼をいやが上にも鋭敏にする。
その物寂しい長廊下にしばらく三太夫は立っていたが、紙に包んだ白粉を二本の指でつまみ上げ、廊下の一所へそれをいた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
アダムの二本棒にほんぼう意地いぢきたなさのつまぐひさへずば開闢かいびやく以来いらい五千ねん今日こんにちまで人間にんげん楽園パラダイス居候ゐさふらふをしてゐられべきにとンだとばちりはたらいてふといふ面倒めんだうしやうじ〻はさて迷惑めいわく千万せんばんの事ならずや。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
だから実家うちへ這入る事も出来ないで斯んな裏家住居うらやずまいの所へ人を入れて、てかけと云っても公然おもてむき届けた訳でもなし、碌なものも着せず、いまに時節が来ると本妻つまにすると私をだまかして置くじゃアないか
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
急いで開封して見ると存外改たまった妙に取済ました文句で一向無味つまらなかった。
斎藤緑雨 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
運転手は顔の寸のつまったいっこくらしい男である。彼は警官が柏に説明している間も、猜疑深い調子で、じろじろと私を睨廻ねめまわしていた。
日蔭の街 (新字新仮名) / 松本泰(著)
網が山のようにつまさっている間に、高さのびっこな二つの影がたたずんでいた。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
一生の重荷となれば、憎くもなり、はふりだしたくなる方が道理で、これは『細君つま』であるからの退屈ではない。花火的の情熱の對手あひてなら、猶更その負擔と欠伸は早く來る。
こんな二人 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
左様あればつまる所兄弟中もみなよくなりて果は父母様の御仕合、また子供が見習い候えば子孫のためこれほど目出度い事はないではないか〔聖賢の心地、家庭における松陰かくの如し〕。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
冷えた肩を硬張らせた惣平次は、その、老妻つま背後うしろすがたに眼を凝らして、ちょこなんと、坐ったきりだ。
焦茶地の縞羅紗しまらしや二重外套にじゆうまわしいつの冬が不用をや譲られけん、尋常なみなみよりは寸のつまりたるを、身材みのたけの人より豊なるにまとひたれば、例の袴は風にや吹断ふきちぎれんとあやふくもひらめきつつ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
刺身は調味つまのみになッておくび応答うけこたえをするころになッて、お政は、例の所へでも往きたくなッたか、ふとッて坐舗ざしきを出た。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
この時になッてお勢は初めて、首の筋でもつまッたように、徐々そろそろ顔を此方こちらへ向け、可愛かわいらしい眼に角を立てて、文三の様子を見ながら、何か云いたそうな口付をした。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
(急いで出ようとして敷居につまずく。)「あぶないぞナ。」「なに大丈夫サ、大丈夫天下の志サ。おい車屋、真砂町まさごちょうまで行くのだ。」
初夢 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
一人だに わが郷偶つまよ。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
いでや浮島のヱネチアに往かん、わたつみのつまてふヱネチアに往かん。神よ、我をして復た羅馬に歸らしむることなかれ、我記念の墳墓をとぶらはしむること勿れ。さらば羅馬、さらば故郷ふるさと
はこの中には、父親が若いころ、時の流行にかぶれて道楽にかいた書画にした大小の雅印が入れてあった。銅の糸印いといんなどもまじっている。蝋石の頭に獅子ししつまみを彫った印材のままのものがある。