“徐々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そろそろ30.7%
じょじょ22.7%
そろ/\19.6%
しずしず9.2%
じよ/\2.5%
しず/\1.8%
しづ/\1.2%
だんだん1.2%
おもむろ1.2%
じよ/″\1.2%
のろ/\1.2%
ゆる/\1.2%
しづかに0.6%
しづしづ0.6%
そよ/\0.6%
なんとか0.6%
のろのろ0.6%
ぼつ/\0.6%
もろもろ0.6%
やは/\0.6%
やわやわ0.6%
ゆっくり0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、吉野は手早く新坊の濡れた着衣きものを脱がせて、砂の上に仰向にせた。そして、それに跨る様にして、徐々そろそろと人工呼吸を遣り出す。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
この頃のこんな田舎暮しのおかげで、そう言った私の暗い半身は、もう一方の私の明るい半身に徐々じょじょに打負かされて行きつつあったのだ。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
と、吉野は手早く新坊の濡れた着衣を脱がせて、砂の上に仰向にせた。そして、それに跨る樣にして、徐々そろ/\と人工呼吸を遣り出す。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
それにも拘らず、盲法師の弁信は自ら手綱をかいくって、徐々しずしずと馬を進めながら、今日は馬上で得意のお喋りをはじめます。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そしてのこつた四分しぶんさんあめからえだえだからみきながれて、徐々じよ/\地面じめんち、そこにあるられるのです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
... しめて来たまえ(大)夫や実に難有ありがた畢生ひっせい鴻恩こうおんだ」谷間田は卓子ていぶるの上の団扇うちわを取り徐々しず/\と煽ぎながら少し声を低くして
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
持頭は惣髮そうはつ撫附なでつけにて威風ゐふう近傍を拂つて徐々しづ/\と進み行く續いて常樂じやうらく院天忠和尚は紫きの直綴ぢきとぢを纏ひ蜀紅錦しよくこうにしきの袈裟を掛けて手に水晶の念珠を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
明かしているんだ。ねえ法水君、この超自然はいったいどうなるんだい。ああ徐々だんだんに、鎮子の説の方へまとまってゆくようじゃないか
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
徐々おもむろ黄昏たそがれの光の消え行く頃には其の山も其の岩も皆遠く西のかた水平線の下に沈んで了ひ、食事を終つて再び甲板の欄干に身をせた時
黄昏の地中海 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
地震ぢしんともな火災かさい大抵たいてい地震ぢしんのちおこるから、其等それらたいしては注意ちゆうい行屆ゆきとゞき、小火ぼやうち消止けしとめる餘裕よゆうもあるけれども、潰家かいかしたから徐々じよ/″\がるものは
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
愛宕町あたごちやうは七八丁の距離しかないので銀之助はしづのこと、今のさい元子もとこのことを考へながら、あゆむともなく、徐々のろ/\るいた。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
この時街を徐々ゆる/\と歩いて来たのは、ペエテル、フアンデルドンクと云つて、此府の古記録を編輯した、同名の人の後裔のちです。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
村にちかき所は皆きりつくしてたま/\あるも足場あしきゆゑ、山一重ひとへこえて見るに、薪とすべき柴あまたありしゆゑ自在じざいきりとり、雪車そり哥うたひながら徐々しづかにたばね、雪車につみて縛つけ山刀やまかたなをさしいれ
折から紙門ふすまを開きけるをと貫一のみむかふる目前めさきに、二人の紳士は徐々しづしづ入来いりきたりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
戸外おもてへ伴ひ出し保養ほやうをさせて下されといへば忠兵衞心得て主個あるじの前を退出まかりいでけり其年もはや彌生の初旬木々きゞこずゑはな咲出さきいで徐々そよ/\と吹く春風も自然おのづからなる温暖さ然ども息子せがれ長三郎は例の如く籠りゐる障子しやうじ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
致せば武士堅氣かたぎ無實の惡名あくみやうつけられてはと怒つてどんな間違にならうも知ねば明日あしたにても氣の落附おちついた其時に吾儕が徐々なんとかに云ますから何卒和君あなたからはお話なくハイ夫は承知しましたが餘りにく爲方しかたゆゑ明日に成たら親父に話して急度掛合にとあくまでこもる親切を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
と、アンドレイ、エヒミチはかしらりながら、相手あいてずに徐々のろのろ話出はなしだす。かれはなしをするときひとぬのがくせ
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それからいくばくもなく紅葉が多年の牙城たる『読売』をてて『二六にろく』に移った時は、一葉落ちて天下の秋を知るで、硯友社の覇権はけんがそろそろ徐々もろもろ傾き出した。
るのがうまいとしたから、ちることもよくちた。本郷ほんがう菊坂きくざか途中とちう徐々やは/\よこちたがてら生垣いけがき引掛ひつかゝつた、怪我けがなし。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いやさ、ころばぬさきつえだよ。ほんにお願いだ、気を着けておくれ。若い人と違って年老としよりのことだ、ほうり出されたらそれまでだよ。もういいかげんにして、徐々やわやわとやってもらおうじゃないか。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
此んな事とは知らずに伯父さんはく寝ている。極めて平和的に寝ている。勿論戦争的に寝る奴もあるまい。口をいている。喉は汽車が徐々ゆっくりと走る時のような音を立てている。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)