“閉”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
24.2%
19.8%
15.3%
とざ12.7%
しま8.3%
ふさ5.9%
つぶ3.6%
1.7%
1.0%
つむ1.0%
(他:38)6.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“閉”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語50.0%
文学 > 日本文学 > 小説 物語10.1%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)8.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
半蔵は店座敷の雨戸を繰って、それを一枚ほどめずに置き、しばらく友だちと二人で表庭にふりそそぐ強い雨をながめていた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼が了解したところでは、彼女は数年来、雨戸をめ切って真実の光のさし込まない家の中に、暮らしつづけてきたのであった。
わずかに百日もたぬ間にこれほどに処女しょじょと商売人とは変わるものかと、いた口がしばらくじなかった。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
月にもこころじ、花にも耳をふさぎ、太陽にも胸をひらかず、ただ冷たく凝結していた自分というものが、顧みられる。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
摺硝子すりガラスの戸がててある玄関へ来て、ベルを二三度押して見たが、ベルがかないと見えて誰も出て来なかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
渠は成るべく音のしない様に、入口の硝子戸を開けて、てて、下駄を脱いで、上框あがりがまちの障子をも開けて閉てた。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
菊坂の六軒長屋は、わけの解らぬ不安にとざされたまゝ、町役人の監視の下に、お六のとむらひの仕度を急いで居りました。
新子が、黙って聴いているので美和子もさすがに、気がさしたのか、ちょっとの間くちとざしていたが、やがてしんみりと、
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
扉のしまった音で眼を醒ました正木博士は、その名刺を受取ってチョット見ますと如何にも不機嫌らしく両眼をへこませました。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
大廣間おほびろま周圍しうゐには何枚なんまいとなくがありましたが、いづれもみなしまつてました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
私は気味が悪かったが、眼をふさいで口の中でいちッ、ッとかけ声を出して、みずから勇気をはげまして駆け出した。
黄色い晩 (新字新仮名) / 小川未明(著)
藤六ははるかの方、筵でふさいだ鳥の巣のように憐れな自分の家を眺めて、ポロポロと砂浜に大きな涙をこぼすのです。
「お母さまがいらつしやらないと、淋しいでせう? あなたは始めからずつとさうして目をつぶつたまゝでいらつしやるの?」
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
すると不思議ふしぎに、いままで、つぶっていたひらいて、るまに、めきめきとなおりはじめたのです。
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「では、今夜は、根岸の鶯春亭おうしゅんていでまっていますほどに、ねたらすぐにまいッてくれ。乗りものを待たせて置きますぞ」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
ねて出ると、高い劇場の破風はふに、有名な四頭の馬がひく戦車の彫刻が、夜の雲をめざして飛ぼうとしていた。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
白い障子をしたそれらの座敷に添って、高廊下をゆき、もういちど左に曲ると、原田家の座敷の前へ出た。
追分は夕光ゆうかげを戸をして本陣のまへに寝る犬があら
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そういう支度をした神下しが眼をつむってジーッと中腰に構え込んで居ると、その側ではしきりにお経を読んで居るです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
季和は早く睡ろうと思って無理に眼をつむって、何も考えないようにして睡ろう睡ろうとしたが、そんなことをするとなおさら睡れない。
蕎麦餅 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
つたかづらおもふがまゝに這纏はひまとふたもん年中ねんぢゆうあけぱなしでとぢたことなく
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
もう待草臥まちくたびれたと云ふやうに鏡子が目をとぢて居る所へそのはいつて来て、汽車はぐ動き出した。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
『雷が鳴るときに』とエミルが云ひました。『アムブロアジヌお婆あさんはあはてゝ窓や扉をしめますよ。』
しめい言うて、云わしゃれても、な、らちかん。閉めれば、その跡から開けるで、やいの。)
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
南洋踊りだなどと出鱈目な踊りを踊る浅間しさも、その日を食べてゆくためには目をぶって我慢しなければなりません。
鉄の処女 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
「危篤だって? 誰が?」と蒲団から首だけ出して、眼をぶったまま、眠むそうな声で訊いた。
黒猫十三 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
学年試験に及第が出来ぬと、最終の目的物の卒業証書が貰えないから、それで誠に止むことを得ず、眼をねむって毒を飲む気で辛抱した。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「叔母もそれでこうつらく当るのだな」トその心を汲分くみわけて、どんな可笑しな処置振りをされても文三は眼をねむッて黙ッている。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
格子戸をたて切ると、折柄の風、半纏を横に靡かせて、甚八、早くも姿を消した。
ずらりとたて切った縁側の雨戸に、白っぽい日光が踊っている。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
顔に顔をもたせてゆるくとじたまひたる睫毛まつげかぞふるばかり、すやすやと寝入りてゐたまひぬ。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
顔に顔をもたせてゆるくとじたまいたる眼の睫毛まつげかぞうるばかり、すやすやと寝入りていたまいぬ。
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
眼をしとづれば打續くいさごのはてを
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
けれどしようことなしにねむるのはあたら一生涯しやうがいの一部分ぶゝんをたゞでくすやうな氣がしてすこぶ不愉快ふゆくわいかんずる、ところいま場合ばあひ如何いかんともがたい、とづるにかしていた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
しばらくして、さいだけて見ると、大きな黒いもんがあつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しばらくして、さいだ眼を開けて見ると、大きな黒い門があった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その拡ごりの隙より、今や見る土量の幅は天幅をふたぎて蒼穹は僅かに土量の両ひれに於てのみ覗くを許している土の巨台に逢着した。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それは母を見ぬやうに目をふたいで口をうごかして居るのである。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
さてその生平を叩けば言へらく、『わが小字は香玉、平康の巷にあだなる名をぞつらねし。さるからに道士にひかされてこの山中にめ置かれたる、浅まし』とうち嘆く。
『聊斎志異』より (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
馬春堂は格子の前まで出て来ましたが、急にソワソワとそこらを巡り歩きながら、何か考えていたかと思うと、戸まりもせずに続いて長屋を飛び出しました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今ならば巡査が居るとか人の家に駈込かけこむとか云うこともあるが、如何どうして/\騒々しい時だから不意に人の家に入られるものでない、かえって戸をたっ仕舞しまって、出て加勢しようなんと云うものゝないのは分りきってる。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
その金エ引攫ひっさらって逃げ出す音に目エ覚して、後姿を見れば此の野郎でがんすから、魂消て口い明いたっきり、おッちめることが出来やしなかった、すると老爺さまがおこって早く名主どんのおちょうへ付けろ、親の首い縄ア掛ける餓鬼だと云って久離切って勘当してしまうと、父さまが口惜しがって
百合の花がつぼんだ。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
夢の中へとつぼんだ
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
たちまちにとざしとびら
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
きぬ脱ぎかえてころりと横になり、夜着よぎ引きかぶればあり/\と浮ぶおたつの姿、首さしいだしてをひらけば花漬、とずればおもかげ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それだもんで後白河法皇の長講堂の過去帳にも義王義女仏トジ等のが尊霊と一所に書き入れられたと云うことである。
母のトジは「あんなに盛の二人の娘が様をかえるの世の中に私が年をとった白髪をつけて居ても何にもならない」と云って四十五で様をかえてしまった。