“しま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シマ
語句割合
20.0%
18.3%
11.6%
9.7%
7.4%
仕舞5.7%
4.9%
失敗3.9%
3.1%
3.0%
(他:185)12.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は顔一杯に弱々しい微笑をたたへて、なじられでもしたやうな、兄の強い口調をはぐらかしてしまはうと思つてゐた。
イボタの虫 (新字旧仮名) / 中戸川吉二(著)
どんなにわかりのわるものでも最後しまいにはおとなしくみみかたむけることになってしまいます。
ホワイト襯衣しゃつに、しまあらゆるやか筒服ずぼん、上靴を穿いたが、ビイルをあおったらしい。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ドアのノッブにすがったままガタガタとふるえ出していることが、そのしまのズボンを伝わる膝のわななきでわかった。
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)
と一つうなずくと、もうそれで診察はおしまいだった。もちろん尾田自身でも自ら癩に相違ないとは思っていたのであるが、
いのちの初夜 (新字新仮名) / 北条民雄(著)
浅田は要件が済んでしまっても中々尻を上げようとせず、又新しい敷島に火を点けて、四辺あたりをジロ/\睨み廻していた。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
少年の試験場における念仏に依って直接に得たものは何か、それは宇宙に漲る大きな助力と、自分の内部にしまってある潜在意識
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
彼は叫ぶように言って、指環をチョッキの内ポケットにしまった。そして、冠っていたソフトを取ってテーブルの上に叩きつけた。
指と指環 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
波打際なみうちぎわにとゞめてこのしま上陸じやうりくしてると、いまは五ぐわつ中旬なかばすぎ
わざわいしまでもいいからいってみたい。」といって、まれにはふねしていくものもありました。
明るき世界へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
此前このまへ大嵐おほあらしばんに、とうとういそ打上うちあげられて、めちや/\になつて仕舞しまつたから
いゝえ、おにつのみん佐藤さとう老先生らうせんせいらしつて切つてお仕舞しまひなさいました。
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
その皮膚も筋肉もことごとくしまって、どこにもおこたりのないところが、銅像のもたらす印象を、宗助の胸に彫りつけた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あまりに屡々しばしば、権門富家の厳重なしまりを、自由に破られるので、今や、警吏の威信が疑われて来ているのであった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
人々の視線が、ハッとそれに注がれたとき、彼は心に『失敗しまつた』と叫んで素早く立像を持つてゐた手を離してしまつた。
小熊秀雄全集-15:小説 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
偽駅夫! 失敗しまったドーブレクにやられていたと思うと今までの径路が万事了解したのです。解ったと思ったが遅い。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
扉のしまった音で眼を醒ました正木博士は、その名刺を受取ってチョット見ますと如何にも不機嫌らしく両眼をへこませました。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
窓は硝子がしまつて内から黒いカーテンが懸つてゐるのだから、並べた花は向うの黒い中にもあるやうに硝子に寫つた。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
ナルシサスもかくやと思われる美しい顔立ちに十九歳の若々しい肉体は、アポロのように見事に発育して引きしまっています。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
じゃ仕方がない、しまりが悪いとどこからでも這入りますよ、一枚一枚雨戸へくぎを差さなくちゃいけませんと注意する。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それからその一部分がちょっと片附いていて、そこへ、一年中ついぞ使う事のないような雑具がしまいこまれてあった。
田舎医師の子 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
で、そのは「良心」が吃驚びつくりするとけないからと言つて、茶匙は道具箱にしまひ込んで滅多に見ない事に決めてゐる。
しかし僕にはそれらがどういう役をするものであるか、一つとして見当がつかなかったので、そのまましまってもらうことにした。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ひなの節句の日に、今夜、同胞きょうだいが一人ふえるから、蔵座敷に飾ってあるお雛さまをしまえと言いつけられた。
すなわち人は愛の作用を見て直ちにその本質を揣摩しまし、これに対して本質にのみ名づくべき名称を与えているのではないか。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
しかれども目今の現状よりこれを見ればあえてことごとく揣摩しまけんというべからざるがごとしといわざるべからず。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
らなんざ、はらしまつてくからられつこなしだ」かね博勞ばくらうくちした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「そんなにして了ふのは惜しいぢやありませんか。しまつといたらいゝでせう」と言ひ乍ら今糊を附けた下に光つてゐる文字を見る。
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
「アッ失策しまッた、不意を討たれた。ヤどうもおそろ感心、手は二本きりかと思ッたらこれだもの、油断もすきもなりゃしない」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
失策しまった――と思ってふりかえると、氏は書き終えたらしい手紙を四角な封筒に入れ、その端の糊を嘗め嘗め封をしているところだった。
深夜の市長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それが紀州きしゅう沖から、志摩しま半島沖、更に東に進んで遠州灘えんしゅうなだ沖と、だんだん帝都に接近してきた。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かようの次第で、御世みよごとに志摩しまの國から魚類の貢物みつぎものたてまつる時に猿女の君等にくだされるのです。
警報隊長の四万しま中尉は、兵員の間に交って、いつもは東京全市に正午の時刻を報せる大サイレンの真下ましたに立っていた。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
これは四万しま温泉にI君と一緒に行った時、I君は、私のお湯にはいっているところを、こっそりパチリと写してしまったのです。
小さいアルバム (新字新仮名) / 太宰治(著)
今日は浦人も城下に出でず、城下よりしまへ渡る者もなければ渡舟おろし頼みに来る者もなし。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
おきしまわのかづが、阿古屋珠あこやだま
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
太空そらは一片の雲も宿とゞめないが黒味渡ツて、廿四日の月は未だ上らず、霊あるが如き星のきらめきは、仰げば身もしまる程である。
里の今昔 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
太空そらは一片の雲も宿とどめないが黒味わたッて、廿四日の月は未だのぼらず、霊あるが如き星のきらめきは、仰げば身もしまるほどである。
里の今昔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
安は滋子の母方の叔母で、伊作を生むとまもなく夫に死に別れ、傭人だけでも四十人という中洲なかす亭の大屋台を十九という若さで背負って立ち、土地しまでは、人の使いかたなら中洲亭のお安さんに習えとまでいわれた。
野萩 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
やすは滋子の母方の叔母で、伊作をうむと間もなく夫に死に別れ、傭人やといにんだけでも四十人という中洲亭の大屋台を、十八という若さで背負って立ち、土地しまでは人の使いかたなら中洲亭のおやすさんに習えとまでいわれた。
ユモレスク (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
いもとして二人ふたりつくりし山斎しま木高こだかしげくなりにけるかも 〔巻三・四五二〕 大伴旅人
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
亡くなつたいもと二人で作つた山斎しまは黒くさへ見えるほど深い緑である。
或る国のこよみ (新字旧仮名) / 片山広子(著)
林泉しまや夏この夜浅きに水にゐて月の光をかづくものあり (その後に夜一首)
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
びろくてかへてしづけさまさりけるこのよき林泉しまに鴨おほくゐる
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ああ、はだが透く、心が映る、美しいひとの身の震う影がくまなくきぬ柳条しまからんで揺れた。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いはおもて浮模様うきもやうすそそろへて、上下うへしたかうはせたやうな柳条しまがあり、にじけづつてゑがいたうへを、ほんのりとかすみいろどる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
勘次かんじはおしなうするつもりだときつぱりいつてしまへばけつして反對はんたいをするのではない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それでも醫者いしやへの謝儀しやぎ彼自身かれじしん懷中ふところはげつそりとつてしまつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其處から、少し下つて中之條町より左折した一支流の谷間には四萬しま温泉がある。
此處に此の儘泊らうか、もう三四里を歩いて四萬しま温泉へ廻らうか、それとも直ぐ中之條へ出て伊香保まで延ばさうかと二人していろ/\に迷つたが、つひに四萬へ行くことにきめて、晝飯を終るとすぐまた草鞋を穿いた。
みなかみ紀行 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
貝殻や鳥糞ちょうふんが、島嶼しまのうえに堆積して、白い島にみえるのもある。
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
自分は星斗せいとにぎはしき空をば遠く仰ぎながら、心のうちには今日よりして四十幾日、長い/\船路ふなぢの果によこたはるおそろしい島嶼しまの事を思浮おもひうかべた。
黄昏の地中海 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
は沈んで、その代り空のところどころに赤味を帯びた夕映ゆふやけしまが輝やいてゐた。
わたしが望んだごとく、われわれのうしろの氷面が破れて、細い水のしまが現われて来た。
金剛石ダイヤモンドだって、高々人間が大事がってしまっておくもんだよ、よくかたまりだね。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこで先ず、貸したように、預けたように、余所よその蔵にしまってありますわ。ところが、それ。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「この家のしまりは恐ろしく厳重な様子だが、誰がそれをやるんだ」
「中にはお嬢様と美保子様がいらっしゃいました。熱いお茶がほしいとおっしゃいましたので、お好きのモカを入れて、持って参りますと、しまって居て開かないばかりでなく、中でうめき声が聴えるじゃございませんか」
笑う悪魔 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
まず引掛ひっかけの昼夜帯が一つ鳴ってしまった姿。わざと短い煙管きせるで、真新しい銅壺どうこに並んで、立膝で吹かしながら、雪の素顔で、くるわをちらつく影法師を見て思出したか。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
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