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檐
読み方 | 割合 |
のき | 92.9% |
ひさし | 4.3% |
かつ | 1.4% |
やぐら | 1.4% |
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紅き
石竹や紫の
桔梗を
一荷に
担げて売に来る、
花売爺の笠の
檐に
旭日の光かがやきて、乾きもあえぬ花の露
鮮やかに見らるるも嬉し。
寒さはいつの間にかすこしゆるんで、のろい
檐の点滴の音が、をちこちで鳴き出した
梟の声の鳴き尻を
叩いてゐる。雨ではない。
靄だ。
「どうれ、
俺ら
歸つて
牛蒡でも
拵えべえ、
明日天秤棒檐いで
出る
支障にならあ」
剽輕な
相手は
思ひ
出したやうにいつた。
玄関は
向側にあって細長い島の庭を
見下している、二人の訪問者は低い
檐の下に、ほとんど家の三方を縁どっている
小径について廻って行ったのである。