“かつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カツ
語句割合
23.0%
21.2%
14.8%
9.1%
5.5%
5.3%
3.7%
3.3%
3.1%
1.3%
(他:137)9.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
釣魚つりをするとか玉を突くとか、を打つとか、または鉄砲をかついで猟に行くとか、いろいろのものがありましょう。
現代日本の開化 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
電車の中などでも薄の木兎などをかついでいる人を見ると、何だか懐しくなって、声をかけてみたいように思うこともあります。
我楽多玩具 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
聞きとりにくい声で繰返し繰返し礼を述べ、かつて私がどんな多額の金をやった時にも見せなかった程幾度も幾度も頭を下げた。
南島譚:03 雞 (新字新仮名) / 中島敦(著)
余は時雨の音の淋しさを知つて居る、然し未だかつて、原始の大深林を忍びやかに過ぎゆく時雨ほど淋びしさを感じたことはない。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
私ははげしい喀血かっけつ後、かつて私の父と旅行したことのある大きな湖畔に近い、或る高原のサナトリウムに入れられた。
燃ゆる頬 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
この歌を私はかつて、女と言い争うか何かして、あらあらしく騒いで女の家を立退たちのおもむきに解したことがある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
……吾輩は満天下の新人諸君と、この銀幕上に於て相見あいまみゆる事を生涯の光栄とし、かつ、無上の満足とする者である。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
予は最近数ヶ月にわたりて、不眠症の為に苦しみつつありといへども、予が意識は明白にして、かつ極めて鋭敏なり。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
その死んで居る僧を板に載せて、堂の後にかついで行つて、大桶七つ半の水を注ぎ流して、身にかけてやるとやがて蘇生する。
踊りがすっかり済みますと、最前の舞い姫が又大勢現われて、二人を胴上げをするようにかつぎ上げて、雪の塔の絶頂に登りました。
雪の塔 (新字新仮名) / 夢野久作海若藍平(著)
素人しろうとが手出しするな、と言わぬばかりな冷笑を浴びせかけましたので、退屈男の一かつが下ったのは勿論の事です。
勝家は、一かつ、大きく顔を振ったが、左右の人々は、押し上げるように、彼の体を、鞍の上へ移そうと焦心あせっていた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
各自かくじ平生へいぜいかつしてくちにはさけ非常ひじやう佳味うまかんずるととも
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼は、一刻も早く静子に、会いたかった。そして彼の愛撫あいぶに、かつえている彼女を、思うさま、いたわってやりたかった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
あいする親族しんぞくの六さい幼女えうぢよひ、玄子げんし器具きぐなどかつ
鍬をかついで野路を行く人は誰れであるかと、千代松は若い時から自慢の眼の、強い視力のまだ衰へぬのを試すやうにしてゐた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
滝は、ひでりしかく骨なりといえども、いわおには苔蒸こけむし、つぼは森をかついであおい。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
今朝髪を洗つたと見えて、智恵子は房々した長い髪を、束ねもせず、緑の雲をかついだ様に、肩から背に豊かになびかせた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
いくらたたいても誰も来ないので、変に思って下へ降りて来ますと、大きな風呂敷包みをかついだ一人のお爺さんを捕まえて、みんなで、
豚吉とヒョロ子 (新字新仮名) / 夢野久作三鳥山人(著)
そうすると、見るみるうちにリイの足は岩の上から離れて、刀と鉄砲をかついだまま月の世界の方へ飛んでゆきました。
奇妙な遠眼鏡 (新字新仮名) / 夢野久作香倶土三鳥(著)
枳園は阿部家をわれて、祖母、母、妻かつ、生れて三歳のせがれ養真の四人を伴って夜逃よにげをしたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
抽斎の友森枳園きえんが佐々木氏かつを娶って、始めて家庭を作ったのも天保四年で、抽斎が弘前に往った時である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
徐大盡じよだいじんかつり、とこに、これも自慢じまんの、贋物にせものらしい白鞘しらさや
画の裡 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その證拠にはときどき私がかつとしてむかつてゆくと彼は一騎打ちをしずにうまく逃げて遠巻きにひとを苦しめようとする。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
われいまかつて見ざりつる絶壁! あやふしとも、可恐おそろしとも、夢ならずしていかでか飛下り得べき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かつ朝日島あさひじま生活中せいくわつちう櫻木大佐さくらぎたいさ此事このことかたつたとき
それでも足りないでかつえ死ぬ人が多くありまして、わしらが見ても、街道筋にゴロゴロ行倒れが毎日のように倒れました。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
すると、向うの方で、大ぜいのおおかみと大ぜいのくまとが食べものにかつえて大げんかをしていました。
黄金鳥 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
かつ、戛、戛、石ころを蹴る馬のひづめに坂路はんろの急は度を加えてくる。たまたま、谷へ落ちてゆく石の響きはひどく大きい。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
云いすてて帳外へ濶歩して行った。周瑜は、そこへ使者を引き出させて、何か大声で罵っていたが、たちまち剣鳴けんめいかつ、首を打ち落して、
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もしこの超人にかつをいれて、彼をさますことができたとしたら、「超人X号」は、ここに始めてこの世に誕生するわけになる。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
フランス文学にあらわれているこういう真面目な収穫は、今日の所謂いわゆる事変かつの入った作家たちに深く暗示するところあるわけなのだが。
此花このはなうしたんです。かつたんですか」といた。三千代はだまつて首肯うなづいた。さうして、
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
さけびんかつ勘次かんじあたへることさへ不自由ふじいうかんじもしなければ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
右にそばだつ丸櫓の上より飛び来る矢がかつと夜叉の額をかすめてウィリアムの足の下へ落つる。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
笑い興じていると、すぐ下の河原のふちで、馬蹄ひづめの音が、かつっ――と石に響いた。
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
運命、人生――かつて芳子に教えたツルゲネーフの「プニンとバブリン」が時雄の胸にのぼった。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
去年か今年か、なんでもかつてこんな楽しい記憶があったように思いながら、小坂部はそれが何時いつのことであったかを、はっきりと思い出すことが出来なかった。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そのむこうの空のぬれた黝朱うるみの乱雲、それがやがてはかつとなり、黄となり、朱にあかに染まるであろう。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
ひと口に紅葉と云うものの、こうして眺めると、黄の色も、かつの色も、紅の色も、その種類が実に複雑である。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「おやおや、こん畜生、行儀がよくていやがらあ、こんなにせっこけてかつえているくせに」
ほんたうに親子拾何人がかつゑるでせう。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
そして、そのすべてがかつゑて死んだ餓鬼の如く痩せ衰へた姿で、どうして呉れる、どうして呉れると叫ぶのである。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
かつえた雄鷄おんどり一生懸命いつしやうけんめいさがしはじめました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
近づいたナと思ふと、骨の髄までキリ/\と沁む様な、或る聴取り難き言葉、否、叫声が、かつと許り自分の鼓膜を突いた。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
其樣そんなにわたしにくいんですか。憎いなら憎いやうに………」とかつとしたていで、突ツかゝり氣味ぎみになると、
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
というのは、クリストフはすべての人間を一かつした虚無から、自分をもけっして取り除かなかった、ただオリヴィエだけを取り除いていた。
それで、彼から自作のあるものを見せられた者らは、よく見てみようともせずに、ドイツのワグナー末派にたいする軽蔑のうちに、彼をも一かつしてしまった。
こいつは、やっぱりかつがれたかなと思って、首を引込めると、ムクが勢いよく外へ飛び出しました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
『君、真実ほんたうかい――戯語じようだんぢや無いのかい――またかつぐんだらう。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
あるとき惡戯好いたづらずきかね博勞ばくらう勘次かんじかついねを、これなんだえといた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其處そこその翌日あくるひ愈〓いよ/\怠惰屋なまけや弟子入でしいりと、親父おやぢ息子むすこ衣裝みなりこしらへあたま奇麗きれいかつてやつて、ラクダルの莊園しやうゑんへとかけてつた。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
字引じびきを見ると、かつの字はもと家をささうる材木の意味であり、したがって人の場合には重荷をになってえる意を含ませてあるとくが、これはいわゆる勝つ所以ゆえんを最もよく表したものと思う。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
いわゆる強さの形が変化するというは、かつの字について前の「説文せつもん」にいえるがごとく、重荷をになうて堪えること、すなわち辛苦艱難しんくかんなんに堪える、耐忍たいにんの力あることをもってその強さが計られる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
寮といっているが、この十年来、メートレスの役をしている、加津かつという女にやらせている待合を、便宜的な名義で保持しているので、そのことは柚子もうすうす知っているらしかった。
春雪 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
腕におぼえの直江志津を抜き放ち、眼の前なる青竹の矢来を戞矢かつ々々と斬り払ひて警固のたゞ中に躍り込み、
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「どうれ、けえつて牛蒡ごぼうでもこせえべえ、明日あした天秤棒てんびんぼうかついで支障さはりにならあ」剽輕へうきん相手あひておもしたやうにいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「どうせ、おめえやうに紺屋こんや弟子でしてえな手足てあし牛蒡ごばうでもかついであるくのにや丁度ちやうどよかんべ」復讎ふくしうでも仕得しえたやうな容子ようすぢいさんはいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)