“解”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
27.6%
わか23.3%
21.2%
ほど8.3%
ほぐ4.9%
かい4.7%
とけ1.1%
0.9%
0.9%
とき0.8%
0.8%
わけ0.6%
ほご0.6%
ほつ0.6%
0.5%
とか0.4%
わから0.4%
0.4%
とく0.3%
とい0.3%
げす0.2%
とけん0.2%
ひら0.2%
きこ0.1%
0.1%
とりのぞ0.1%
どけ0.1%
0.1%
はづ0.1%
ほどき0.1%
キイ0.1%
0.1%
トイ0.1%
ホド0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なかいたやうな……藤紫ふじむらさきに、浅黄あさぎ群青ぐんじやうで、小菊こぎく撫子なでしこやさしくめた友染いうぜんふくろいて、ぎんなべを、そのはきら/\とつてた。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
チュルゴーはこの派の人ではない。フィジオクラットは、彼らの著作の書名でわかるように、経済学の領域を制限せずむしろ拡張した。
「無断でへやへ踏みこむのみか、いきなり縄をかけて、武士らしくとは、何たる暴言。この郁次郎にはせませぬ、理由をっしゃい」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
盲目的な閃光せんこうが、やたらに、前の空を斬った。ぎりぎりと、歯ぎしりを鳴らして、足と喉の束縛を、ふりほどこうとしてもがくのだった。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おくみは鋏を入れては縫ひ糸をほぐしながら、その抜いて行く糸の一筋づゝに、さつきからの、小さびしい自分の心が読み返された。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
寶鼎はうてい金虎きんこそんし、芝田しでん白鴉はくあやしなふ。一瓢いつぺう造化ざうくわざうし、三尺さんじやく妖邪えうじやり、逡巡しゆんじゆんさけつくることをかいし、また頃刻けいこくはなひらかしむ。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
およそ雪九月末よりふりはじめて雪中に春をむかへ、正二の月は雪なほふかし。三四の月にいたりて次第にとけ、五月にいたりて雪全くきえ夏道なつみちとなる。
そのうちに大きくなったらかる事と思って、自分一人の秘密にしたまま、忘れるともなく次から次に忘れていた。
木魂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「ほんに待兼ねていなさったえ。あの、笛の音ばかり気にしなさるので、私もどうやらめなんだが、やっと分ったわな、何んともお待遠でござんしたの。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あけて内より白木しらきはこ黒塗くろぬりの箱とを取出し伊賀亮がまへへ差出す時に伊賀亮は天一坊に默禮もくれいうや/\しくくだんはこひもとき中より御墨附おんすみつきと御短刀たんたうとを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
また組んずぐれつの肉闘にくとうや、一団の武者と一団の武者との陣列的じんれつてき搏撃はくげきなど、いまやここの終局は悽愴せいそうきわまる屍山血河しざんけつがを描いていた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こうして全くの遁世の生活を、人里離れた大原山の雪深い所に送る様になってからもう長い間の時が経ち、何回かの春秋を送り迎えしたわけである。
現代語訳 方丈記 (新字新仮名) / 鴨長明(著)
一団の塊まりはばらばらにほごれて点となる。点は右へと左へと動く。しばらくすると、無敵な音を立てて車輛しゃりょうの戸をはたはたと締めて行く。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おふさの沈んだ頸足えりあしに髮のほつれのさがつてゐるのをかこつけに、ものゝたしなみのない、自墮落な女だと言つて八釜しく叱りつけたりした。
金魚 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
「頭の禿げた、よくふとつた中年者は、大喰ひだから、朝寢坊にきまつて居ますだよ、二階から降りる時だつて、帶ひろけて、眼やにだらけで」
が、父は要心のためだといって、今度は茶碗へとかした「熊の胃」を、京山の枕許へ持って来ていた。
曲亭馬琴 (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
女には幾分女でなければわからぬという点も前に申した通りでありましょうが、同じく「人」である女の大部分が男の方に解らぬはずはないでしょう。
産屋物語 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
身の女姪メヒが神隱しにあうたあの話か。お身は、あの謎見たいないきさつを、さうるかね。ふん。いやおもしろい。女姪の姫も、定めて喜ぶぢやらう。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
春も稍深やゝふかくなれば雪も日あたりはとけあるひは焼火たきびの所雪早くとくるにいたりて、かの屋根のそんじたる処木羽こばの下たをくゞりなどして雪水もるゆゑ
尋ねて呉しぞ先々草鞋わらんぢといて上るべし二人づれか御前樣大きに御苦勞なり先々御あがりなされ是々お初おくめ我等は何を胡亂々々うろ/\して居やる早く洗足せんそくの湯を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
竜神より神仏へくういふ普通ふつうせつなれど、こゝにめづらし竜燈りうとうの談あり、少しく竜燈をげすべき説なればしばらくしるして好事家かうずか茶話ちやわきようす。
冬の雪のこほらざるは湿気しめりけなくかわきたるすなのごとくなるゆゑなり。これ暖国だんこくの雪に異処ことなるところなり。しかれどもこほりてかたくなるは雪とけんとするのはじめなり。
白糸は帯の間より白縮緬ちりめん袱紗ふくさ包みを取り出だせり。ひらけば一束の紙幣を紙包みにしたるなり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どうも可訝おかしい、絵が上手になりますように、踊が、浄瑠璃じょうるりが、裁縫おしごとが、だとよくきこえるけれども、小説は、ほかに何とか祈念のしようがありそうに思われる。作者だってそう思う。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「なにか、毒をす薬はないか」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『西遊記』第十三回〈虎穴に陥って金星厄をとりのぞく〉といえる条に「〈伯欽う風哬是個の山猫来れり云々、只見る一隻の班爛虎〉」とあり云々」、これも伯欽が勇をたのんで虎を山猫と蔑語したのだ。
この通り、ト仕方で見せて、だらしなくつ拍子に、あの人もずるりと足を取られた音で、あとは黙然だんまり、そらどけがしたと見える、ぐい、ぐい帯を上げてるが陰気に聞えた。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それだけでは何の本だかみ込めないらしく、中味を二三ペエジめくつてみて、やつと自分達にはとても解りさうにない本だといふ事だけが解つたらしかつた。
見る者なかりしとこゝ浪人體らうにんていさむらひの身には粗服そふくまとひ二月の餘寒よかんはげしきに羊羹色やうかんいろの羽織を着て麻のはかま穿はきつかはづれし大小をたいせし者常樂院じやうらくゐんの表門へ進みいらんとせしが寺内の嚴重げんぢうなる形勢ありさま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見ればつれの男見えぬ故扨こそ奴つに相違なし今に取押とりおさへれんと空鼾そらいびきをかきよく寢入ねいりし體に持成もてなせば曲者は仕濟したりと彼胴卷をほどきてそろり/\と引出すゆゑ半四郎は少しからだ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
僕はすぐ、これは単純な種類のもの——だが、あの船乗りの頭には、キイがなければ絶対に解けないと思われるような、そんな程度のもの——だと心を決めてしまったんだ
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
フタツマナコシュトイテ。鏡ノオモテソソゲルガゴトク。上下ウエシタ歯クイチゴウテ。口脇クチワキ耳ノ根マデ広クケ。マユウルシニテ百入塗モモシオヌリタルゴトクニシテ。額ヲ隠シ。振分髪フリワケガミノ中ヨリ。五寸計ゴスンバカリナルコウシノ角。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一度につかむ髻髪タブサカモジホドけて乱れ髪、乱心か、白妙の雪を蹴立てゝ挑みしが、拾ひ上げた傘の柄に、羽曳野があばらを一当て。
玉手御前の恋 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)