“かい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カイ
語句割合
甲斐28.1%
櫂15.5%
階7.6%
効7.5%
解6.0%
貝4.7%
介4.5%
峡2.3%
怪2.3%
会1.8%
戒1.7%
書1.5%
掻1.5%
橈1.2%
回1.2%
快1.2%
買1.2%
塊1.0%
界0.9%
海0.6%
隗0.6%
帰0.5%
描0.5%
飼0.4%
晦0.4%
楫0.4%
痒0.4%
皆0.4%
開0.4%
囘0.2%
悝0.2%
疥0.2%
蝦夷0.2%
誡0.2%
復0.1%
花彙0.1%
華夷0.1%
削0.1%
可医0.1%
喙0.1%
嗅0.1%
層0.1%
懐0.1%
槐0.1%
欠0.1%
発0.1%
缺0.1%
蓋0.1%
薤0.1%
螺0.1%
詮0.1%
諧0.1%
間0.1%
餉0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女は、おそれおののいている夫の腕のなかに倒れかかろうとし、夫は狂気のようにその一撃を避けようとするが、その甲斐(かい)はない。
つい、彼のすぐ眼の前で、櫂(かい)をあやつっている男は、まるで鏡の中を覗いたように、中野五郎ソックリ、寸分の違いもない男なのだ——。
地図にない島 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
上杉(うへすぎ)の隣家(となり)は何宗(なにしう)かの御梵刹(おんてら)さまにて寺内(じない)廣々(ひろ/\)と桃(もゝ)櫻(さくら)いろ/\植(うゑ)わたしたれば、此方(こなた)の二階(かい)より見(み)おろすに雲(くも)は棚曳(たなび)く天上界(てんじやうかい)に似(に)て
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
老臣の分別や重役の支(ささ)えも何らの効(かい)なく、得物を取って宮津武士の百人余りは今しも愛宕へ差して海嘯(つなみ)の如く襲(よ)せようとしていた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのためか、往生要集の解(かい)も、無事にすんで、範宴は、翌年の夏までを一乗院の奥に送っていたが、やがて秋の静かな跫音(あしおと)を聞くと
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
補佐役の青木主膳(あおきしゅぜん)という侍から「あれは寄手(よせて)が追い崩(くず)される物音です」とか、「今度は味方が門内に引き揚げる合図の貝(かい)の音(ね)です」
わずかに雪の蒼白い光が四辺(あたり)におぼめくばかりである。しかし修験者は意にも介(かい)せず歩み慣れた道を行くがように歩調を早めて進んで行く。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
昼の雲が、静かな峡(かい)のあいだを、ふわりと漂っていた。母も妻も子も、また家もない自分の境遇と似ている雲を、彼は、じっと見ていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
首尾(しゅび)よく、鷲(わし)ぬすみのはなれ業(わざ)をやりとげて、飛行天行(ひこうてんこう)の怪(かい)をほしいままに、たちまちきたのは家康(いえやす)の采地(さいち)浜松の城下。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
愛は偏狭(へんきょう)を嫌(きら)う、また専有をにくむ。愛したる二人の間に有り余る情(じょう)を挙(あ)げて、博(ひろ)く衆生(しゅじょう)を潤(うる)おす。有りあまる財を抛(なげう)って多くの賓格(ひんかく)を会(かい)す。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
御出家の方では先(ま)ず飲酒戒(おんしゅかい)と云って酒を戒め、邪淫戒と申して不義の淫事を戒めてあります。つまり守り難いのは此の戒(かい)でございます。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
取上て見れば牡丹(ぼたん)の繪に裏(うら)には詩を書(かい)て有り又此通り親骨(おやぼね)に杉田三五郎と記してあれば全く敵は三五郎に相違無(さうゐな)し是に依(よつ)て先生に助太刀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「しかしタッタ今聞えたのは確かに爆薬(ダイナマイト)の音だ。ほかに船が居ないから貴様達に違いあるまい」と睨み付けると頭を掻(かい)てセセラ笑いながら
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
今にして思へば政海の波浪は自(おのづ)から高く自から卑(ひく)く、虚名を貪り俗情に蹤(お)はるゝの人には棹(さを)を役(つか)ひ、橈(かい)を用ゆるのおもしろみあるべきも
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
回(かい)と終日話していても、彼は私のいうことをただおとなしくきいているだけで、まるで馬鹿のようだ。ところが彼自身の生活を
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
しきりに彼女らの恥ずかしがる言葉をささやいて、ひそかに復讐(ふくしゅう)の一種を遂げることが、森林ではできない。そういう快(かい)を行(や)る機会がないのだ。
ヤトラカン・サミ博士の椅子 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
「雨のびしょびしょ降る時には、油舐坊主(あぶらなめぼうず)だの、とうふ買(かい)小僧(こぞう)だのって……あるだろう。」
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
また大声が、眼の前に爆発して、暗黒が凝(こ)ったかと見える一塊(かい)の人影が、ノッソリ立ち現われた。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
倭文子がお尋ねものであることは、もう界(かい)わいに知れ渡っているのだ。それを三谷は、一体全体どうして抜け出す積りであろう。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「とうぶんお天気がいいようだから、あしたあたり、バルト海(かい)をこそうと思っているよ。」と、言いました。
こういう立場から遠慮なく申せば、現代陶工の所作にあきたらないものがありまして、先(ま)ず隗(かい)より始めよという訳で研究を進めている訳であります。
近作鉢の会に一言 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
アラ入(い)らしつたよ、チヨイとお母(つか)さん旦那(だんな)が、何(ど)うもまア貴方(あなた)は本当(ほんたう)に呆(あき)れるぢやアありませぬか、過日(こなひだ)お帰(かい)んなすつた切(ぎり)入(い)らつしやらないもんですから
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「三四郎」には大学生の事を描(かい)たが、此(この)小説にはそれから先の事を書いたからそれからである。
『それから』予告 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
エンキ(善鬼)とか鳩の飼(かい)とかというものもある。悪魔は実に綿密に網を張っているのである。そういう網のなかで日本人は、死者を葬るために実に壮麗な行列や儀式をやっている。
鎖国:日本の悲劇 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
顕(けん)にして晦(かい)、肯定にして否定とは正に『それだけだ』の謂(いい)でありましょう。
侏儒の言葉 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
孕ませて行く。それが文芸懇話会の使命でありたい。楫(かい)をとるもの、艪を操るものには元より個々の力の働きがあるであろう。しかし進み行くべき針路は定っている
今日の文学の展望 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「おゝ痒(かい)い」とぴしやり手(て)で蚊(か)を叩(たゝ)いた。彼(かれ)の唄(うた)に連(つれ)て各自(めいめい)が更(さら)に唄(うた)つた。皆(みな)箸(はし)で茶碗(ちやわん)を叩(たゝ)いて拍子(ひやうし)を合(あは)せた。さういふ騷(さわ)ぎに成(な)つてから酒(さけ)は減(へ)らなかつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
皆(かい)くれ分らず、荷車について、ぐるぐる廻ってる、日は暮れる、暗くなる、二三時(とき)もかかったので、間が抜けてるじゃありませんか、と曳子(ひきこ)はぶつぶつ叱言(こごと)をいう。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
往々身体(しんたい)の健康を傷(そこな)いて失敗するものあり、いわんや海の内外土地の開(かい)未開(みかい)を問わず、その故郷を離れて遠く移住せんと欲するもの、もしくは大に業を海外に営まんと欲するものの如きは
囘(かい)は何という賢者だろう。一膳飯に一杯酒で、裏店(うらだな)住居といったような生活をしておれば、たいていの人は取りみだしてしまうところだが、囘は一向平気で、ただ道を
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
一子悝(かい)が父圉(ぎょ)の後(あと)を嗣(つ)いだことにはなっているが、名目だけに過ぎぬ。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
但し俳句狂歌の類みだりに壁上に疥(かい)するは願ふ所にあらず
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
後に我が国においてエミシと云えば蝦夷(かい)以外には目立ったものがなくなったが為に、ついには「蝦夷」と書いて直ちにエミシまたはエビスと読むに至った実例を逆に行ったものである。
間人考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
殺人の誡(かい)だけを、その宗門の聖典から、けずり去っている集団です。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
学校の往(い)き復(かい)りなぞに出遭(であ)うことありましても、何や気イさして、前みたいに顔しげしげと見守ること出来しませなんだ。
卍 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「またもう一遍(いっぺん)学生時代に復(かい)ったような気イするなあ」などいいますから、「夫婦づれで自動車で通う学生あったらおかしいやないか」いいましたら、あはあは笑うたりなんぞして上機嫌(じょうきげん)でした。
卍 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
『花彙(かい)』のジャコウソウの文中にはこれを誇張して述べ「茎葉ヲ採リ遠ク払ヘバ暗ニ香気馥郁タリ宛モ当門子(ジャカウ)ノ如シ親シク搓揉(モム)スレバ却テ草気(アヲクサシ)アリ」
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
松岡恕菴の『蘭品(らんぴん)』並に島田充房(しまだみつふさ)の『花彙(かい)』に先生の描かれた見事な図がある。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
国の最も大なりとする所のものは、華夷(かい)の弁なり。今、天下は如何なる時ぞや。君臣の義、講ぜざること六百余年、近時に至りて華夷の弁を并せて、またこれを失う。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
もしそれ彼らと時を同じうしたる、革命風雲児の魁(さきがけ)たる藤田東湖に至りては、また大いに殊(こと)なるものなくんばあらず。王覇(おうは)の別、華夷(かい)の弁に至りては、藤田は一種の水戸的執迷を脱する能(あた)わざりき。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
男はこれに構わず、膳の上に散りし削(かい)たる鰹節を鍋の中(うち)に摘(つま)み込(こ)んで猪口(ちょく)を手にす。注(つ)ぐ、呑(の)む。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
『鉄心遺稿』に「至日(しじつ)邸舎小集、磐渓(ばんけい)、嶺南(れいなん)、畏堂(いどう)、可医(かい)、枕山、湖山、南園、秋航、雲如、豹隠(ひょういん)、蘆洲(ろしゅう)、瓦雞(がけい)ノ諸子ト同ジク賦ス。(略)コノ日歓甚シ。痛飲シテ兵ヲ談ズ。」
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
わたくしは安政二年に抽斎が喙(かい)を時事に容(い)るるに至ったのを見て、是(かく)の如き観をなすのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
誰も居なければ盗んでやろうか。他(ひと)の小便を嗅(かい)でおこうか。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
義男の力が、みのるの今まで考へてゐた男と云ふものゝ力の、層(そう)にしたならその一(ひ)と層(かい)にも足りない事をみのるは知つてゐた。その頼りない男の力にいつまでも取り縋つてはゐたくなかつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
しかし善直と京水とが同人ではあるまいか、京水が玄俊の子でなくて、初代瑞仙の子ではあるまいかという疑(うたがい)が、今に迄(いた)るまでいまだ全くわたくしの懐(かい)を去らない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
拾遺(しゅうい)の三代集に、後拾遺、金葉、詞花、千載、新古今の五つを加えて、世にいう八代集をはじめ、源実朝卿の金槐(かい)集、西行坊主の山家集、まった吉野朝三代の新葉集にいたるまで、凡そ歌の書(ふみ)にして
猿飛佐助 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
次にお定りの抹茶の器具を出される、予はかかる際にどうかこんなことはおよしなされてといえど、物固い母堂はこの頃までも決してこの設備を欠(かい)たことはなかった
竹乃里人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
馬は泡立つ汗をびっしょり発(かい)て、それが湯滝のように顔を伝う、流れて目にも入る。白い鼻息は荒くなるばかりで、烈しく吹出す時の呼吸に、やや気勢の尽きて来たことが知れる。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
けれども僕(ぼく)の故郷(くに)は二萬石(にまんごく)の大名(だいみやう)の城下(じやうか)で、縣下(けんか)では殆(ほと)んど言(い)ふに足(た)らぬ小(ちひさ)な町(まち)、殊(こと)に海陸(かいりく)共(とも)に交通(かうつう)の便(べん)を最(もつと)も缺(かい)て居(ゐ)ますから、純然(じゆんぜん)たる片田舍(かたゐなか)で
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
祭に田楽舞があつた。混外は王子権現の別当であつたので、祭果てて後に、舞の花笠一蓋(かい)を榛軒に贈つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
魚鳥に七箇日の忌の候(そうろう)なる事。さもや候らん。えみ及ばず候。地体はいきとしいけるものは。過去の父母にて候なれば。くうべき事にては候わず。又臨終には。酒魚鳥葱(そう)薤(かい)蒜(ひる)などは。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
幟(のぼり)と馬が先に歩き出すと、その後から大勢の者が、螺(かい)をふいたり、鉦(かね)を叩いたり、笛太鼓も入れて、囃(はや)し立てて行くのだった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乳母に相談かけても、一代そう言う世事に与った事のない此人は、そんな問題には、詮(かい)ない唯の女性(にょしょう)に過ぎなかった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
何というわけもなく、私は紳士のその諧(かい)ぎゃくにだけは噴(ふ)き出した。
メリイクリスマス (新字新仮名) / 太宰治(著)
ある夜、清兵衛が徒歩で、城(しろ)の外に出ていったのを知った城兵(じょうへい)二、三人は、うまやにしのんで、朝月をころして食おうとした。そして、槍(やり)をひねってつき殺そうとした、間(かい)一髪(ぱつ)
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
道益は朝の餉(かい)にしている牛の乳(ちち)を金椀(かなまり)でやりつけながら、まず、は、は、はと思出し笑いをし、それから、昨夜、磧で聞いた鰻掻(うなぎか)きの下人どもの側言(そばごと)をおどけた口で話してきかせると
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)