“拍子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひょうし65.3%
ひやうし20.7%
びょうし4.1%
ひようし2.6%
びやうし1.0%
ぴょうし1.0%
へうし1.0%
べうし1.0%
とき0.5%
ぴやうし0.5%
テムポオ0.5%
テンポ0.5%
ハヤシ0.5%
バウシ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ちょうどそのこえは、ぶなのがざわざわとからだすってうたうのに、調子ちょうしわせて、頓狂とんきょう拍子ひょうしでもるようにきかれたのでした。
縛られたあひる (新字新仮名) / 小川未明(著)
犬は、ぱつとけだして逃げる、と思ひのほか、同じ場所に首をれてじつとしてゐるのでした。鳥右ヱ門は拍子ひやうしぬけがしました。
鳥右ヱ門諸国をめぐる (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
それから先は、とんとん拍子びょうしに嬉しくなって、曲れば曲るほど地面が乾いて来る。しまいにはぴちゃりとも音のしない所へ出た。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
不器用ぶきようなればお返事へんじのしやうもわからず、唯々たゞ/\こ〻ろぼそくりますとてをちゞめて引退ひきしりぞくに、桂次けいじ拍子ひようしぬけのしていよ/\あたまおもたくなりぬ。
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「行きますよ、親分。——あつしが行つたからには、御手拍子びやうし三つ打つうちに、首尾よく下手人を擧げてお目にかけますよ」
「おれは急に西へ立つから、お前はお前で、別に身の落ちつきを考えなおすがいい」と、いわんばかりな、拍子ぴょうしもない言葉。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燈光とうくわうはパツとえる、船長せんちやうおどろいてかわ拍子へうしあし踏滑ふみすべらして、船橋せんけう階段かいだんを二三だん眞逆まつさかさまちた。
この拍子べうしそろつたるは、益々ます/\斯學しがくため努力どりよくして、たれでもらなければならぬことの、たれでもくわしくれずにる一だい問題もんだいを、たれにでもれるやうになるために、研究けんきうすゝめてかねばならぬ。
いうにもお前が全盛な花魁だから、中々ゆる/\話してることが出来ないじゃないか、少し話しかけると廻しに出ていくしさ、おばさんが迎いに来るかとおもえば、また拍子ときで出られるしよ
八五郎のせりふは、相變らず拍子ぴやうしもなく彈みきつて居ります。
しかも時代の変遷はおのずから節奏リトムの変化を促し、旋律メロデイは同じでも、拍子テムポオが速くなる。
『新訳源氏物語』初版の序 (新字新仮名) / 上田敏(著)
今日我我のいふ韻律の語意は實に「拍子テンポ」と「旋律メロヂイ」の兩屬性を包括する概念、即ち「言葉の音樂それ自體」を指すのである。
青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
拍子ハヤシ物を持つて居るのが多かつたし、拍子物の実体は囃すからはやし物でなく、さうしたひき物があり、ねりの中心になつてゐた事は考へなくてはならぬのです。
春日若宮御祭の研究 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「ぼし」は疑ひなく拍子バウシである。白拍子の、拍子と一つである。舞を伴ふ謡ひ物の名であつたに違ひない。
信太妻の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)