“階段”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かいだん38.7%
きざはし26.9%
はしご14.0%
はしごだん12.9%
かけはし1.1%
きぎはし1.1%
だん1.1%
だんだん1.1%
ふみだん1.1%
エタアジユ1.1%
ステージ1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おかみさんは、ちょうど階段かいだんの上に立っていて、いまなかにはいろうとしているところでした。おかみさんは漁師の手をとって
『えゝ、』彼女は、高い階段きざはしの先を見上げた。その高い階段きざはしは、また先の方に暗くなつて、登つただけ、再びりなければならなかつた。
幸福への道 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
灯のつくころ、中田に来て、いつもの通り階段はしごを上がったが、なじみでない新造しんぞが来て、まじめな顔をして、二階の別のへやに通した。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
二人はそのままいっしょに下宿へ帰った。上靴スリッパーかかとを鳴らして階段はしごだんを二つのぼり切った時、敬太郎は自分の部屋の障子を手早く開けて
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
横死した父のうらみを晴らし、一度取潰された井上家を起して、立身の階段かけはしに足を踏み掛けようという、孝道第一の首途かどでに、企みに企まれた罠にちて「秘巻」を敵の手に奪い取られたことは
江戸の火術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
といって階段きぎはしにも、締りにも、中台にも、異常があるのではございませんが、南波止場みなみはとばのところの猪牙ちょきに動きがあるようですから、引返して、御殿の方と
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その祠の階段だんに腰を掛けると、此処よりは少許すこし低目の、同じ形の西山に真面まとも対合むかひあつた。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
小児一 じゃあ、階段だんだんから。おい、ほうきの足りないものは手で引掻ひっかけ。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
吉里は一番後れて、階段ふみだんを踏むのも危険あぶないほど力なさそうに見えた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
と教へてれた。それでよく夜明よあけがたに階段エタアジユを昇つて帰つて来る靴音を聞いたことも合点がてんが行つた。この下宿の食事の時間が遅いのも、あの女どもが正午ひる過ぎまで寝込んで居るからであつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
川に沿いて、一、二丁も溯り、正東まひがしの沢へと入る、石の谷というよりも、不規則に、石を積みかさねた階段ステージである、石からは水が声を立てて落ちている、石の窪みには澄んだ水がたたえている、その上に
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)