“かけはし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カケハシ
語句割合
桟橋40.6%
18.8%
12.5%
棧橋10.9%
桟道4.7%
懸橋3.1%
掛橋3.1%
3.1%
足場1.6%
階段1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雪がそのままの待女郎まちじょろうになって、手を取って導くようで、まんじともえ中空なかぞらを渡る橋は、さながらに玉の桟橋かけはしかと思われました。
雪霊続記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
はなれ家の座敷があって、廊下がかけはしのようにのぞかれる。そのあたりからもみじ葉越しに、駒鳥こまどりさえずるような、芸妓げいしゃらしい女の声がしたのであったが——
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何の信仰! 何の希望! 木村は葉子がえた道を——行きどまりの袋小路を——天使ののぼり降りする雲のかけはしのように思っている。あゝ何の信仰!
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
棧橋かけはしというところまで行きますと、わたしはおさるさんに会いました。そのおさるさんは休み茶屋に飼われていたのです。
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
喰い終る頃、うっすらと、下の谷間は霧がれかかって来た。敵の搦手からめてだ。——しょく桟道かけはしを思わすような蔦葛つたかずらの這った桟橋かけはしが見える。絶壁が見える。巨大な青苔あおごけえた石垣やらさくなども見える。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
信濃の国司に藤原陳忠という男があったが、任を果して京へ帰ることとなり深山を越えて行くと、懸橋かけはしの上で馬が足をすべらして諸共に谷底へ落ちてしまった。
土の中からの話 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
番頭新造ばんとうしんぞう掛橋かけはしに訊くと、花魁は急に癪が起ったので医者よ針よと一時は大騒ぎをしたが、やっと今落ち着いたとのことであった。
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
木曽のかけはしかけし世も
県歌 信濃の国 (新字新仮名) / 浅井洌(著)
(ドックの足場かけはしの上は人の往来もしきりである。博物館には古版本が保存されている。この地の驚くべき唯一のことは、紅毛の女子が日本語をよく解することである。)
西航日録 (新字新仮名) / 井上円了(著)
横死した父のうらみを晴らし、一度取潰された井上家を起して、立身の階段かけはしに足を踏み掛けようという、孝道第一の首途かどでに、企みに企まれた罠にちて「秘巻」を敵の手に奪い取られたことは
江戸の火術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)