“昇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のぼ73.2%
あが14.1%
のぼる3.5%
のぼり2.8%
1.4%
しょう1.4%
さしのぼり0.7%
0.7%
たかま0.7%
0.7%
ノボ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ゆうすなわちとくとくすなわちゆうと考えられていた。かかる時代にはよしや動物性が混じ、匹夫ひっぷゆう以上にのぼらずとも、それがとうとかった。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
空は澄むかぎりな清明を見せて、大路から捲きあがる黄いろいほこりが、いくら高くあがっても、そのあおさに溶け合わないくらいであった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お政にものぼるにもモデルがあるといって、誰それであろうと揣摩しまする人もあるが、作者自身の口からは絶えてソンナ咄を聞かなかった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
一日の朝、おほ雪を冒して、義雄は、陸軍演習參觀から歸つて來た北海メールの社長、のぼり敏郎を大通り一丁目のかどなる本宅に訪問した。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
右大臣久我こが長通が、すすんで彼へ辞令をさずけた。先の位記いきを一階げ、あわせて武蔵守、鎮守府将軍に任ず、という朝命だった。
しょう導きまいらせてかんに至れば、あたかすでに薄暮なりけり。陸路よりして楊応能ようおうのう葉希賢しょうきけん十三人同じく至る。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
やがてさらしをはらんとする白ちゞみをさらすをりから、朝日のあか/\とさしのぼり玉屑平上ぎよくせつへいしやうつらねたる水晶白布すゐしやうはくふ紅映こうえいしたる景色けしき、ものにたとへがたし。
黙って俯向うつむいて線香を供えた。細い煙が、裏すいて乱るるばかり、墓の落葉はうずたかい。湿った青苔に蝋燭ろうそくささって、揺れもせず、燐寸マッチでうつした灯がまっすぐに白くった。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
地勢はこのへんから急にたかまって、石にはばまれたり窪地で途切られたりする、曲りくねった小径こみちが一筋かすかに続いているばかり。漆のような闇の中から突然浮び出す白骨のような樺の朽木。
赤く潰れたをかしなものがてくるといふ
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
御子白壁王不意ニ高御座ミクラノボラセ給ヒテ、此皇子モ田原天皇ト追尊セラレ給ヒ、皇統今ニ相ツヾケルモ此歌ニモトヰセルニヤ
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)