柳田国男
1875.07.31 〜 1962.08.08
“柳田国男”に特徴的な語句
遣
只
故
僅
好
頻
伊豆
唱
路
処
区々
譬
暫
印旛
丈
何故
仙北
類
薪
後
後
甚
聯想
往
児
途
遁
怖
外
元
門
供物
聴
繩
棄
遥
悦
近江
算
祀
夙
被
謂
堪
物忌
炉
場処
伴
是非
視
著者としての作品一覧
アテヌキという地名(新字新仮名)
読書目安時間:約5分
『民間伝承』第十二号四頁の高木君報告に、当貫または苦楝木と書いて、アテヌキと呼ぶ地名が香取郡東部に多いとあるのは、自分には興味がある。苦楝は本名オウチ、すなわち古書に誤って樗の字を …
読書目安時間:約5分
『民間伝承』第十二号四頁の高木君報告に、当貫または苦楝木と書いて、アテヌキと呼ぶ地名が香取郡東部に多いとあるのは、自分には興味がある。苦楝は本名オウチ、すなわち古書に誤って樗の字を …
家の話(新字新仮名)
読書目安時間:約24分
士農工商という語を日本で用い初めたのはいつ頃のことであろうか。天保八年にできた『燕居雑話』という書物には、「世俗よく士農工商ということをいえども何に出でたることを知らず云々」の話が …
読書目安時間:約24分
士農工商という語を日本で用い初めたのはいつ頃のことであろうか。天保八年にできた『燕居雑話』という書物には、「世俗よく士農工商ということをいえども何に出でたることを知らず云々」の話が …
家を持つといふこと(新字旧仮名)
読書目安時間:約14分
自然と人生と、二つは向き/\に進み、又時としては抗立相剋せんとするものゝ如く思ふ人が、此頃多くなつたやうに感じられる。如何なる世が来ても草木は依然として美しく、うたゝ国破れて山河在 …
読書目安時間:約14分
自然と人生と、二つは向き/\に進み、又時としては抗立相剋せんとするものゝ如く思ふ人が、此頃多くなつたやうに感じられる。如何なる世が来ても草木は依然として美しく、うたゝ国破れて山河在 …
伊豆大島の話(旧字旧仮名)
読書目安時間:約2分
○ 大島の野増村にはシツナ神といふ女體の神があつて、近い頃までも稀には男を呪ふ女が祈願をかけたといふ話を聽いたが、本當のことであらうか。其神像は特に陰相を誇張した女姿であり、或は陰 …
読書目安時間:約2分
○ 大島の野増村にはシツナ神といふ女體の神があつて、近い頃までも稀には男を呪ふ女が祈願をかけたといふ話を聽いたが、本當のことであらうか。其神像は特に陰相を誇張した女姿であり、或は陰 …
おばけの声(新字新仮名)
読書目安時間:約5分
オバケ研究の専門雑誌が、最近に盛岡から出ようとしている。又宮崎県の郷土志資料には、あの地方の妖怪変化の目録が、先々月から連載せられている。ばけ物はもちろん至って古い世相の一つではあ …
読書目安時間:約5分
オバケ研究の専門雑誌が、最近に盛岡から出ようとしている。又宮崎県の郷土志資料には、あの地方の妖怪変化の目録が、先々月から連載せられている。ばけ物はもちろん至って古い世相の一つではあ …
海上の道(新字新仮名)
読書目安時間:約6時間4分
私は三十年ほど前に、日本人は如何にして渡って来たかという題目について所感を発表したことがあるが、それからこの方、船と航海の問題が常に念頭から離れなかった。その中の一つで是非ともここ …
読書目安時間:約6時間4分
私は三十年ほど前に、日本人は如何にして渡って来たかという題目について所感を発表したことがあるが、それからこの方、船と航海の問題が常に念頭から離れなかった。その中の一つで是非ともここ …
垣内の話(新字新仮名)
読書目安時間:約14分
垣内(カイト)は思いのほかこみ入った問題であった。最初からもしこれがわかっていたら、あるいはまだしばらくは手を着けずにいたかもしれない。私たちが興味を持ち始めた動機は、垣内が日本の …
読書目安時間:約14分
垣内(カイト)は思いのほかこみ入った問題であった。最初からもしこれがわかっていたら、あるいはまだしばらくは手を着けずにいたかもしれない。私たちが興味を持ち始めた動機は、垣内が日本の …
潟に関する聯想(旧字旧仮名)
読書目安時間:約12分
△日本海岸風景の特色は潟に集まる日本海岸では風景の特色が潟に集まつて居ります。妙な事には太平洋岸の潟と日本海岸の潟とは趣が全く違つて居るのです。例へば鳴海潟や清見潟などの如きは遠淺 …
読書目安時間:約12分
△日本海岸風景の特色は潟に集まる日本海岸では風景の特色が潟に集まつて居ります。妙な事には太平洋岸の潟と日本海岸の潟とは趣が全く違つて居るのです。例へば鳴海潟や清見潟などの如きは遠淺 …
かはたれ時(新字新仮名)
読書目安時間:約4分
黄昏を雀色時ということは、誰が言い始めたか知らぬが、日本人でなければこしらえられぬ新語であった。雀の羽がどんな色をしているかなどは、知らぬ者もないようなものの、さてそれを言葉に表わ …
読書目安時間:約4分
黄昏を雀色時ということは、誰が言い始めたか知らぬが、日本人でなければこしらえられぬ新語であった。雀の羽がどんな色をしているかなどは、知らぬ者もないようなものの、さてそれを言葉に表わ …
幻覚の実験(新字新仮名)
読書目安時間:約7分
これは今から四十八年前の実験で、うそは言わぬつもりだが、余り古い話だから自分でも少し心もとない。今は単にこの種類のできごとでも、なるべく話されたままに記録しておけば、役に立つという …
読書目安時間:約7分
これは今から四十八年前の実験で、うそは言わぬつもりだが、余り古い話だから自分でも少し心もとない。今は単にこの種類のできごとでも、なるべく話されたままに記録しておけば、役に立つという …
故郷七十年(新字新仮名)
読書目安時間:約8時間32分
神戸新聞は今年満六十年を迎えるという話である。人間でいえば還暦というわけであろう。ところが初めて私が生れ故郷の播州を出て関東に移ったのは、それより十年以上も古い昔のことであった。そ …
読書目安時間:約8時間32分
神戸新聞は今年満六十年を迎えるという話である。人間でいえば還暦というわけであろう。ところが初めて私が生れ故郷の播州を出て関東に移ったのは、それより十年以上も古い昔のことであった。そ …
こども風土記(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間29分
子どもとそのお母さんたちとに、ともどもに読めるものをという、朝日の企てに動かされたのであったが、私にはもうそういう註文に合うような文章を書くことができなくなっているらしい。「こども …
読書目安時間:約1時間29分
子どもとそのお母さんたちとに、ともどもに読めるものをという、朝日の企てに動かされたのであったが、私にはもうそういう註文に合うような文章を書くことができなくなっているらしい。「こども …
祭礼名彙と其分類(旧字旧仮名)
読書目安時間:約5分
現在我々の同胞の持傳へて居る生活ぶりの中から、どの程度にまで固有信仰のうぶな姿と、永い歳月に亙つた變遷の跡とを、窺ひ知ることが出來るかといふことは、日本民俗學の最も大切な力だめしで …
読書目安時間:約5分
現在我々の同胞の持傳へて居る生活ぶりの中から、どの程度にまで固有信仰のうぶな姿と、永い歳月に亙つた變遷の跡とを、窺ひ知ることが出來るかといふことは、日本民俗學の最も大切な力だめしで …
産婆を意味する方言(旧字旧仮名)
読書目安時間:約4分
又一つ新しい問題を提出して見たい。産婆を單にバアサンといひ、又はババ、ババサ若くはオンバといへば、此職業の婦人をさす處も少なくは無いが、それでは不便である故に、地方で工夫し出した色 …
読書目安時間:約4分
又一つ新しい問題を提出して見たい。産婆を單にバアサンといひ、又はババ、ババサ若くはオンバといへば、此職業の婦人をさす處も少なくは無いが、それでは不便である故に、地方で工夫し出した色 …
私生児の方言(旧字旧仮名)
読書目安時間:約2分
前號以後に知り得たる二三の例。 近江伊香郡でツキヨゴ、三十餘年前の縣の方言調査書に出て居る。私通をツキアヒといふ土地もあるが、此郡ではどうであらうか知らぬ。もし月夜兒であつたら面白 …
読書目安時間:約2分
前號以後に知り得たる二三の例。 近江伊香郡でツキヨゴ、三十餘年前の縣の方言調査書に出て居る。私通をツキアヒといふ土地もあるが、此郡ではどうであらうか知らぬ。もし月夜兒であつたら面白 …
私生児を意味する方言(旧字旧仮名)
読書目安時間:約3分
民法に所謂私生子、東京などで普通にテテナシゴといふものを、地方で何と呼んで居るかといふことを考へて見るのは、婚姻制度研究の一方法として價値がある。今までに知れて居る二三の實例を掲げ …
読書目安時間:約3分
民法に所謂私生子、東京などで普通にテテナシゴといふものを、地方で何と呼んで居るかといふことを考へて見るのは、婚姻制度研究の一方法として價値がある。今までに知れて居る二三の實例を掲げ …
児童語彙解説(旧字旧仮名)
読書目安時間:約8分
或は庭遊びと謂つた方が、軒遊びに對してわかりがよいかも知れない。ホカもソトも本來はさう遠くのことでは無く、なほ屋敷うち、家のまはりだけを意味して居た。九州地方ではホカといふのが表庭 …
読書目安時間:約8分
或は庭遊びと謂つた方が、軒遊びに對してわかりがよいかも知れない。ホカもソトも本來はさう遠くのことでは無く、なほ屋敷うち、家のまはりだけを意味して居た。九州地方ではホカといふのが表庭 …
信濃桜の話(新字旧仮名)
読書目安時間:約13分
子供が桃や柿の芽生えを見つけて来て、庭の片隅に栽ゑて置くやうな心持で、棄てもせず忘れてもしまはず、時々来て見るといふ程度の問題が、私には十ばかりも有る。いつ実がなるといふ当ては無い …
読書目安時間:約13分
子供が桃や柿の芽生えを見つけて来て、庭の片隅に栽ゑて置くやうな心持で、棄てもせず忘れてもしまはず、時々来て見るといふ程度の問題が、私には十ばかりも有る。いつ実がなるといふ当ては無い …
食料名彙(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間1分
諸君の『食習採集手帖』が整理せられたら、この語彙はまた大いに増加することであろうが、それを促す意味をもって、まず自分の今までに控えておいたものを並べてみる。この中には救荒食物は入っ …
読書目安時間:約1時間1分
諸君の『食習採集手帖』が整理せられたら、この語彙はまた大いに増加することであろうが、それを促す意味をもって、まず自分の今までに控えておいたものを並べてみる。この中には救荒食物は入っ …
食料名彙(旧字旧仮名)
読書目安時間:約59分
諸君の食習採集手帖が整理せられたら、この語彙は又大いに増加することであらうが、それを促す意味を以て、先づ自分の今までに控へて置いたものを竝べて見る。此中には救荒食物は入つて居ない。 …
読書目安時間:約59分
諸君の食習採集手帖が整理せられたら、この語彙は又大いに増加することであらうが、それを促す意味を以て、先づ自分の今までに控へて置いたものを竝べて見る。此中には救荒食物は入つて居ない。 …
書物を愛する道(新字新仮名)
読書目安時間:約12分
岩波文庫をはじめ、今日弘く行われて居る数々の「文庫もの」に対して、我々古い人間の包みきれない不満は、あまりにも外国の著作が多過ぎるという一点である。西洋は国の境がもとはそうはっきり …
読書目安時間:約12分
岩波文庫をはじめ、今日弘く行われて居る数々の「文庫もの」に対して、我々古い人間の包みきれない不満は、あまりにも外国の著作が多過ぎるという一点である。西洋は国の境がもとはそうはっきり …
人狸同盟将に成らんとす(旧字旧仮名)
読書目安時間:約2分
狸の化けた憑いたは皆大いなる寃罪で、永い間人と狸との感情を疎遠せしめて居た主因は「カチ/\山童話」であつたと云ふことが、此頃漸く明瞭ならんとするのは自他の爲慶すべき傾向である。狸は …
読書目安時間:約2分
狸の化けた憑いたは皆大いなる寃罪で、永い間人と狸との感情を疎遠せしめて居た主因は「カチ/\山童話」であつたと云ふことが、此頃漸く明瞭ならんとするのは自他の爲慶すべき傾向である。狸は …
瀬戸内海の海人(旧字旧仮名)
読書目安時間:約2分
藝州御手洗(豐田町大崎下島)の邊で聽いた話。此附近ではリョウシと謂へば海人のことである。即ち頭の上に物を載せてあるく、他の地方でイタダキ、オタタ、カネリなどといふ女の一族を意味して …
読書目安時間:約2分
藝州御手洗(豐田町大崎下島)の邊で聽いた話。此附近ではリョウシと謂へば海人のことである。即ち頭の上に物を載せてあるく、他の地方でイタダキ、オタタ、カネリなどといふ女の一族を意味して …
瀬戸内海の島々(旧字旧仮名)
読書目安時間:約5分
自分は大崎下島に於いて、此職業の女を招いて、仔細に内側からの觀察を聽取つた。今記憶して居る二三を記すならば、御手洗はもと神の社から出た名であるが、帆前船の時代に風待ちの湊として發達 …
読書目安時間:約5分
自分は大崎下島に於いて、此職業の女を招いて、仔細に内側からの觀察を聽取つた。今記憶して居る二三を記すならば、御手洗はもと神の社から出た名であるが、帆前船の時代に風待ちの湊として發達 …
蒼海を望みて思ふ(旧字旧仮名)
読書目安時間:約7分
私はいつかこんな折が有つたら、御話をして見たいと思つて居たことがあります。日本が四箇の大なる島から成立つて居るやうに考へることは誤つて居る。此誤は何時の時代からか知らぬが、兎に角全 …
読書目安時間:約7分
私はいつかこんな折が有つたら、御話をして見たいと思つて居たことがあります。日本が四箇の大なる島から成立つて居るやうに考へることは誤つて居る。此誤は何時の時代からか知らぬが、兎に角全 …
大唐田または唐干田という地名(新字新仮名)
読書目安時間:約2分
トウボシという稲について、本誌紙上質問の第一号に答を求めたのは自分であった。残念ながらこの稲の特殊の由来に関してはいまだ多く得るところがない(郷土研究一巻二五一頁、六三七頁等参照) …
読書目安時間:約2分
トウボシという稲について、本誌紙上質問の第一号に答を求めたのは自分であった。残念ながらこの稲の特殊の由来に関してはいまだ多く得るところがない(郷土研究一巻二五一頁、六三七頁等参照) …
狸とムジナ(新字新仮名)
読書目安時間:約13分
すこしのんきな話をしてみよう。本年五月の末、十数名の元気のいい文士の一行に加わって、北海道へ海上の旅をした。船は満員で皆入込のごろ寝をした中で、長谷川如是閑と自分と二人だけは、老人 …
読書目安時間:約13分
すこしのんきな話をしてみよう。本年五月の末、十数名の元気のいい文士の一行に加わって、北海道へ海上の旅をした。船は満員で皆入込のごろ寝をした中で、長谷川如是閑と自分と二人だけは、老人 …
地名の研究(新字新仮名)
読書目安時間:約5時間52分
始めて自分が日本の地名を問題にしたのは、この本の中にもある田代・軽井沢であった。田代がどこに往ってもかなりの山の中にばかりある理由が何かあるらしく思われたのが元であった。算えてみる …
読書目安時間:約5時間52分
始めて自分が日本の地名を問題にしたのは、この本の中にもある田代・軽井沢であった。田代がどこに往ってもかなりの山の中にばかりある理由が何かあるらしく思われたのが元であった。算えてみる …
峠に関する二、三の考察(新字新仮名)
読書目安時間:約10分
ビョルンソンのアルネの歌は哀調であるけれども、我々日本人にはよくその情合がわからない。日本も諾威に劣らぬ山国で、一々の盆地に一々の村、国も郡も村も多くは山脈を以て境しているが、その …
読書目安時間:約10分
ビョルンソンのアルネの歌は哀調であるけれども、我々日本人にはよくその情合がわからない。日本も諾威に劣らぬ山国で、一々の盆地に一々の村、国も郡も村も多くは山脈を以て境しているが、その …
遠野物語(新字旧仮名)
読書目安時間:約1時間16分
この話はすべて遠野の人佐々木鏡石君より聞きたり。昨明治四十二年の二月頃より始めて夜分をりをり訪ね来たり、この話をせられしを筆記せしなり。鏡石君は話上手にはあらざれども誠実なる人なり …
読書目安時間:約1時間16分
この話はすべて遠野の人佐々木鏡石君より聞きたり。昨明治四十二年の二月頃より始めて夜分をりをり訪ね来たり、この話をせられしを筆記せしなり。鏡石君は話上手にはあらざれども誠実なる人なり …
遠野物語(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間16分
この書を外国に在る人々に呈す この話はすべて遠野の人佐々木鏡石君より聞きたり。昨明治四十二年の二月ごろより始めて夜分おりおり訪ね来たりこの話をせられしを筆記せしなり。鏡石君は話上手 …
読書目安時間:約1時間16分
この書を外国に在る人々に呈す この話はすべて遠野の人佐々木鏡石君より聞きたり。昨明治四十二年の二月ごろより始めて夜分おりおり訪ね来たりこの話をせられしを筆記せしなり。鏡石君は話上手 …
歳棚に祭る神(新字新仮名)
読書目安時間:約6分
いわゆる三が日の本当の正月に対して、十五日を小正月と呼ぶ地方は多い。或は一方の年越を大年といい、小正月を特に若年という場処もある。そうして若木若餅の如くワカの名のつく行事が却って多 …
読書目安時間:約6分
いわゆる三が日の本当の正月に対して、十五日を小正月と呼ぶ地方は多い。或は一方の年越を大年といい、小正月を特に若年という場処もある。そうして若木若餅の如くワカの名のつく行事が却って多 …
どら猫観察記(新字新仮名)
読書目安時間:約12分
瑞西に住む友人の家では、或日語学の教師の老婦人が、変な泣顔をして遣って来たそうである。市の蓄犬税が三割とか、引上げられるという際であった。私たちの生活では、とても今度のような税は払 …
読書目安時間:約12分
瑞西に住む友人の家では、或日語学の教師の老婦人が、変な泣顔をして遣って来たそうである。市の蓄犬税が三割とか、引上げられるという際であった。私たちの生活では、とても今度のような税は払 …
日本の伝説(新字新仮名)
読書目安時間:約3時間19分
日本は伝説の驚くほど多い国であります。以前はそれをよく覚えていて、話して聴かせようとする人がどの土地にも、五人も十人も有りました。ただ近頃は他に色々の新に考えなければならぬことが始 …
読書目安時間:約3時間19分
日本は伝説の驚くほど多い国であります。以前はそれをよく覚えていて、話して聴かせようとする人がどの土地にも、五人も十人も有りました。ただ近頃は他に色々の新に考えなければならぬことが始 …
年中行事覚書(新字新仮名)
読書目安時間:約4時間30分
日本の年中行事が、近頃再び内外人の注意をひくようになったことは事実だが、その興味の中心というべきものが、これからどの方角へ向おうとしているのか、久しくこういう問題に携わっている者に …
読書目安時間:約4時間30分
日本の年中行事が、近頃再び内外人の注意をひくようになったことは事実だが、その興味の中心というべきものが、これからどの方角へ向おうとしているのか、久しくこういう問題に携わっている者に …
母の手毬歌(新字新仮名)
読書目安時間:約3時間16分
この書を外国に在る人々に呈す 皆さんは村に入って、うちに静かに暮らしているような時間は無くなったけれども、その代りには今までまるで知らずにいた色々の珍らしいことを、見たり聞いたりす …
読書目安時間:約3時間16分
この書を外国に在る人々に呈す 皆さんは村に入って、うちに静かに暮らしているような時間は無くなったけれども、その代りには今までまるで知らずにいた色々の珍らしいことを、見たり聞いたりす …
ひじりの家(新字旧仮名)
読書目安時間:約5分
日向路の五日はいつも良い月夜であつた。最初の晩は土々呂の海浜の松の蔭を、白い細かな砂をきしりつゝ、延岡へと車を走らせた。次の朝早天に出て見たら、薄雪ほどな霜が降つて居た。車の犬が叢 …
読書目安時間:約5分
日向路の五日はいつも良い月夜であつた。最初の晩は土々呂の海浜の松の蔭を、白い細かな砂をきしりつゝ、延岡へと車を走らせた。次の朝早天に出て見たら、薄雪ほどな霜が降つて居た。車の犬が叢 …
服装語彙分類案(旧字旧仮名)
読書目安時間:約3分
一、晴着、よそ行き 最初晴着をどういふ場合にこしらへ、又如何なる場合に是非着たかを、注意してかゝる必要がある。現在行はれて居るものは形が皆新らしく、是によつて經過を察することは六つ …
読書目安時間:約3分
一、晴着、よそ行き 最初晴着をどういふ場合にこしらへ、又如何なる場合に是非着たかを、注意してかゝる必要がある。現在行はれて居るものは形が皆新らしく、是によつて經過を察することは六つ …
祭のさまざま(新字旧仮名)
読書目安時間:約11分
村に生れた者は、誰でも少年の頃の祭の嬉しさをよく覚えてゐる。たゞ正月や盆の日とはちがつて、故郷を出てしまふと他所の祭に出逢ふことが少なく、めつたに其話を人とする折がないだけである。 …
読書目安時間:約11分
村に生れた者は、誰でも少年の頃の祭の嬉しさをよく覚えてゐる。たゞ正月や盆の日とはちがつて、故郷を出てしまふと他所の祭に出逢ふことが少なく、めつたに其話を人とする折がないだけである。 …
水海道古称(新字新仮名)
読書目安時間:約5分
地名の呼び方は、時とともに変って行くのが普通で、現代はことにその例が多くなった。たいていは外から来た人たちが、文字だけを見て自分の思った通りに読んでしまうからである。著明な例として …
読書目安時間:約5分
地名の呼び方は、時とともに変って行くのが普通で、現代はことにその例が多くなった。たいていは外から来た人たちが、文字だけを見て自分の思った通りに読んでしまうからである。著明な例として …
名字の話(新字新仮名)
読書目安時間:約47分
多くの日本人が想像するように、昔というものが現代と無関係のものでないということを証明するがために、名字の話をしようと思う。 我々が十人寄れば多くの場合には十の名字があって、鈴木とか …
読書目安時間:約47分
多くの日本人が想像するように、昔というものが現代と無関係のものでないということを証明するがために、名字の話をしようと思う。 我々が十人寄れば多くの場合には十の名字があって、鈴木とか …
木綿以前の事(新字新仮名)
読書目安時間:約5時間54分
女と俳諧、この二つは何の関係も無いもののように、今までは考えられておりました。しかし古くから日本に伝わっている文学の中で、是ほど自由にまたさまざまの女性を、観察し描写し且つ同情した …
読書目安時間:約5時間54分
女と俳諧、この二つは何の関係も無いもののように、今までは考えられておりました。しかし古くから日本に伝わっている文学の中で、是ほど自由にまたさまざまの女性を、観察し描写し且つ同情した …
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間60分
この二冊の小さな本のように、最初思った通りに出来あがらなかった書物も少ない。私は昭和二年の秋、この喜多見の山野のくぬぎ原に、僅かな庭をもつ書斎を建てて、ここを一茶のいうついの住みか …
読書目安時間:約1時間60分
この二冊の小さな本のように、最初思った通りに出来あがらなかった書物も少ない。私は昭和二年の秋、この喜多見の山野のくぬぎ原に、僅かな庭をもつ書斎を建てて、ここを一茶のいうついの住みか …
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記(新字新仮名)
読書目安時間:約2時間45分
暫らく少年と共に郊外の家に住むことになって、改めて天然を見なおすような心持が出て来た。少なくとも今までの観察の、大抵は通りすがりのものだったことを感ずる。旅は読書と同じく他人の経験 …
読書目安時間:約2時間45分
暫らく少年と共に郊外の家に住むことになって、改めて天然を見なおすような心持が出て来た。少なくとも今までの観察の、大抵は通りすがりのものだったことを感ずる。旅は読書と同じく他人の経験 …
山の人生(新字新仮名)
読書目安時間:約3時間51分
山の人生と題する短い研究を、昨年『朝日グラフ』に連載した時には、一番親切だと思った友人の批評が、面白そうだがよく解らぬというのであった。ああして胡麻かすのだろうという類の酷評も、少 …
読書目安時間:約3時間51分
山の人生と題する短い研究を、昨年『朝日グラフ』に連載した時には、一番親切だと思った友人の批評が、面白そうだがよく解らぬというのであった。ああして胡麻かすのだろうという類の酷評も、少 …
幽霊思想の変遷(旧字旧仮名)
読書目安時間:約10分
今年などは、自分の此官舍の前の大通りを、所謂赤毛布式の東京見物が少くとも二萬人は通つて居る。今日のやうに地方人の旅行が、殊に大都會との交通が盛んになつては、數百年間何の變化なしに保 …
読書目安時間:約10分
今年などは、自分の此官舍の前の大通りを、所謂赤毛布式の東京見物が少くとも二萬人は通つて居る。今日のやうに地方人の旅行が、殊に大都會との交通が盛んになつては、數百年間何の變化なしに保 …
雪国の春(新字新仮名)
読書目安時間:約4時間30分
二十五、六年も前からほとんど毎年のように、北か東のどこかの村をあるいていたが、紀行を残しておきたいと思ったのは、大正九年の夏秋の長い旅だけであった。それを『豆手帖から』と題して東京 …
読書目安時間:約4時間30分
二十五、六年も前からほとんど毎年のように、北か東のどこかの村をあるいていたが、紀行を残しておきたいと思ったのは、大正九年の夏秋の長い旅だけであった。それを『豆手帖から』と題して東京 …
夢と文芸(新字新仮名)
読書目安時間:約14分
是は信州北部の山村を見てあるいた友人の手帖に、書留めてあった話である。五月代掻き馬を里の方に貸して居る家で、急にその馬が病気になったという沙汰が来たので、親爺さんが出掛けて行った晩 …
読書目安時間:約14分
是は信州北部の山村を見てあるいた友人の手帖に、書留めてあった話である。五月代掻き馬を里の方に貸して居る家で、急にその馬が病気になったという沙汰が来たので、親爺さんが出掛けて行った晩 …
予が出版事業(新字新仮名)
読書目安時間:約10分
人を笑わせるつもりで私はこの見出しを付ける。さて素人にしてふいと本を出して見たくなる者は幾らもあるが、私のは業と名づけてもよい程に出版道楽が年久しく、又悔いるということを知らない。 …
読書目安時間:約10分
人を笑わせるつもりで私はこの見出しを付ける。さて素人にしてふいと本を出して見たくなる者は幾らもあるが、私のは業と名づけてもよい程に出版道楽が年久しく、又悔いるということを知らない。 …
和州地名談(新字新仮名)
読書目安時間:約15分
「さらぎ考」という論文を、『大和』誌上に見出した時から、私はいつかは一度、大和の地名という問題を考えてみたいと思っていた。明治十九年以前にできた地理局の小地名調査は、奈良県の分は相 …
読書目安時間:約15分
「さらぎ考」という論文を、『大和』誌上に見出した時から、私はいつかは一度、大和の地名という問題を考えてみたいと思っていた。明治十九年以前にできた地理局の小地名調査は、奈良県の分は相 …
忘れ難い郷里のたべ物(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
『新岩手人』の九月号に、斯ういふ見出しで遠くに出て居る岩手県の出身者から、答を求めて居るのは一寸眼新らしい。町から出た人は子供の頃に買つて食べた店売菓子の名などを挙げて居るが、中に …
読書目安時間:約1分
『新岩手人』の九月号に、斯ういふ見出しで遠くに出て居る岩手県の出身者から、答を求めて居るのは一寸眼新らしい。町から出た人は子供の頃に買つて食べた店売菓子の名などを挙げて居るが、中に …
私から(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
私から特に諸君に願つて置きたいのは、世話人も皆忙しい片手間だから、出来る限り手数を掛けぬやうに、協力して載きたいことである。会報の発送を以て会費の受取書に代へるといふのは私の提案だ …
読書目安時間:約1分
私から特に諸君に願つて置きたいのは、世話人も皆忙しい片手間だから、出来る限り手数を掛けぬやうに、協力して載きたいことである。会報の発送を以て会費の受取書に代へるといふのは私の提案だ …
“柳田国男”と年代が近い著者
今月で没後X十年
今年で生誕X百年
今年で没後X百年
ジェーン・テーラー(没後200年)
山村暮鳥(没後100年)
黒田清輝(没後100年)
アナトール・フランス(没後100年)
原勝郎(没後100年)
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット(没後100年)
郡虎彦(没後100年)
フランツ・カフカ(没後100年)