“区々”のいろいろな読み方と例文
旧字:區々
読み方割合
まちまち83.0%
くく11.3%
まち/\5.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これに対して生活機構の複雑になった社会では、原因動機が区々まちまちになっているから、そう簡単に地名を理解することができぬのも当り前である。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
北伊勢八郡の兵は、みな城主山路弾正やまじだんじょうの手足だったが、城内との聯絡が取れないため、その力は区々まちまちに分裂されてしまった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いろいろ経済的救済法あるいは社会改良法など区々まちまちに行われているが、なお最後の解決よりははるかにへだたっておることは誰しも感ずることである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
勿論僕は愛用したが、一杯十五銭だったり、十七銭だったり、日によってその時の仕入れ値段で区々まちまちだったが、東京から来る友達は顔をしかめて飲んでいる。
日本文化私観 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
しかし彼女は最初からの蛇体であるのか、あるひは入水じゅすいのち龍蛇りゅうだと変じたのか、その議論は区々まちまちついに決着しなかつた。
梟娘の話 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
ええ、こうなる上は区々くくたる浮世の事に乱されずに、何日いつもお前の糸のを聞いてお前の側にいるも好かろう。
俊寛 しかしそれは区々くくたる小役人こやくにんのすることだ。大いなる役人は文書の意のあるところをくみとるべきだ。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
防ぐ側、押しかける側、半夜は攻防区々くくみ合いだった。劉高の寄手のうちには、武芸師範の猛者もさが二人もいて、これが指揮をとり、勢いさかんだったからである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こいねがわくば国民の選挙に対する態度が、帝国将来の運命に至大の関係を有することを深く考慮し、区々くくたる地方的感情や利己的小利害を棄てて、あくまで選挙の神聖を保つ事につとむると同時に
選挙人に与う (新字新仮名) / 大隈重信(著)
信念の巌は死もこれを動かす能はず、いはんや区々くくたる地上の権力をや。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
坂本はそれまでの事には及ばぬと思ひ、又指図の区々まち/\なのを不平に思つたが、それでも馬一頭を借りて蒲生がまふを乗せて、大筒を取り寄せさせに、玉造口定番所ぢやうばんしよへ遣つた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
僕なんぞは只真理を目掛けて、一直線に進んで行く。この場合に僕が君に対してしてゐる説明は、その非常な軽捷な体と、例の不思議な、鋭い、又は叫ぶやうな声とを連係させて考へて貰はうとするにあるのだ。あの証人共が区々まち/\な聞き取りやうをした、詞に組み立てられてゐなかつた声と連係させるのだね。
鉛字えんじの世となつてから、経と書しかうと書し、諸書区々まち/\になつてゐる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
君の云ふのは証言其ものであつて、その目立つのが何物だと云ふことにはなつてゐない。さうして見ると君にはその特別なところが分からないらしいが、たしかに特別なところがあるのだよ。君の云ふ通りどの証人も所謂いはゆるそつけない声に就いては異論がなかつた。ところが所謂鋭い声となると区々まち/\なことを云つてゐる。
攘夷論の猶盛であつた当時、毀誉の区々まち/\であつたのは怪むに足らない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)