“区劃”のいろいろな読み方と例文
旧字:區劃
読み方割合
くかく65.6%
しきり18.8%
くぎ6.3%
くぎり6.3%
くくわく3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは雪国の旧家というものが特別陰鬱いんうつな建築で、どの部屋も薄暗く、部屋と部屋の区劃くかくが不明確で、迷園の如く陰気でだだっ広く
石の思い (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
といって、余処よそのお祖母ばあさんでもないが、何だか其処に薄気味の悪い区劃しきりが出来て、此方こっちは明るくて暖かだが、向うは薄暗くて冷たいようで、何がなしにこわかった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
第一の客車は、単に振動を少なくする目的のために着けられた。第二の客車は、例によって、一等室と一等喫煙室、二等室と二等喫煙室という四室に区劃くぎられていた。
一坂ひとさか戻って、段々にちょっと区劃くぎりのある、すぐに手を立てたように石坂がまた急になる、平面な処で、銀杏いちょうの葉はまだ浅し、もみえのきこずえは遠し、たてに取るべき蔭もなしに
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こま/\した幾つかの小さな畑に区劃くくわくされ、豆やら大根やらきびやらうりやら——様々なものがごつちやに、ふうざまもなく無闇むやみに仕付けられた。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)