“梢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こずえ77.3%
こずゑ16.8%
うれ2.1%
こづゑ0.7%
うら0.7%
やや0.5%
すえ0.3%
うらき0.2%
こづえ0.2%
さき0.2%
しん0.2%
せう0.2%
やゝ0.2%
ウラ0.2%
ウレ0.2%
コズヱ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何気なく隣境の空を見上げると高い樹木のこずえに強烈な陽の光が帯のようにまつわりついていて、そこだけがかっと燃えているようだった。
苦しく美しき夏 (新字新仮名) / 原民喜(著)
にごれるみづいろへて極彩色ごくさいしき金屏風きんびやうぶわたるがごとく、秋草模樣あきくさもやうつゆそでは、たか紫苑しをんこずゑりて、おどろてふとともにたゞよへり。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「さく花は千種ちぐさながらにうれおもみ、本腐もとくだちゆくわが盛かな」という和歌を添えてつくづくにねがいあげた。
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「こんなに年老としよるまで、自分じぶんこづゑで、どんなにお前のためにあめかぜをふせぎ、それとたゝかつたかれない。そしておまへ成長せいちやうしたんだ」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
さくらうらを、ぱつとらして、薄明うすあかるくかゝるか、とおもへば、さつすみのやうにくもつて、つきおもてさへぎるやいなや、むら/\とみだれてはしる……
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
其平な頂上がまさに低下しようとする所から、やや円味を帯びて殆ど直線に近い空線を描いた一座の山が、前記の二峰の上にのり出している。
望岳都東京 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
そしてその苗が群集して一処にたくさん生えわかすえを揃えている場合は各株緑葉の中心中心が赤く、紅緑相雑わって映帯し圃中に美観を呈している。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
うなだるる下枝しづえうらき
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
薄茶色うすちやいろを全体に吹いて、やわらかいこづえはじてんつゞく所は、糠雨ぬかあめぼかされたかの如くにかすんでゐる。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
怖いわねえ! この辺には一本だつて天までとどくやうな樫の樹はないのね。だけれど、どこかしら遠い遠いお国に、さきが天国までもとどいて、ゆらゆら揺れてゐる樹が一本あるつてことよ。
暴風がしんをわたる森の胸をひらき
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
自分達は澤木せうさんとその友人の西村さんとにれられて度度たび/″\ポツダム・プラアツのかどにあるロステイと云ふ珈琲店カツフエへ行つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
がけやゝ倦みそめぬ、つたかづらの
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「ほ」の原義は知れないが、「うら」と似た筋路に立つ事を思へば、ウラウラウラ(うら<うれ)同様、の義だとも言へる。表面・末端の義から、さうした出現形式に言ふのだと説けばわかる。
神南備カムナビの 樫の冬葉の散りしきる風低くして、ウレさやぐなり
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)
もうコズヱを離れるらしい塒鳥ネグラドリが、近い端山ハヤマ木群コムラで、羽振ハブきの音を立て初めてゐる。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)