“梢”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
こずえ77.1%
こずゑ17.2%
うれ2.0%
こづゑ0.7%
うら0.6%
やや0.6%
すえ0.4%
うらき0.2%
こづえ0.2%
さき0.2%
(他:5)0.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三方から縁日の空が取囲んで押揺おしゆるがすごとく、きらきらと星がきらめいて、それから富坂をかけて小石川の樹立こだちこずえへ暗くなる
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
霧はいよいよ深くなって、路をさえぎる立木のこずえから冷たいしずくがばらばらと笠の上に降って来ました。草鞋はだんだんに重くなりました。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
台傘の朱は、総二階一面軒ごとの毛氈もうせんに、色映交さしかわして、千本ちもと植えたる桜のこずえくるわの空に咲かかる。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いつやらの暴風に漁船が一艘ね上げられて、松林の松のこずゑに引つかかつてゐたといふ話のある此砂山には、土地のものは恐れて住まない。
妄想 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
一郎はまたすこし行きました。すると一本のくるみの木のこずゑを、栗鼠りすがぴよんととんでゐました。一郎はすぐ手まねぎしてそれをとめて、
どんぐりと山猫 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
壕水ほりみづつる星影寒くして、松のこずゑに風音すごく、夜も早や十時になんなんたり、立番の巡査さへ今は欠伸あくびながらに
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
短夜みじかよはいまだ暗きに小嵐さあらしほほの木のうれを搖りぬまさしく
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
短夜みじかよはいまだ暗きに小嵐さあらしほほの木のうれを揺りぬまさしく
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
病鶏やまひどりかぎろひなやむ日のさかりかやの木のうれはすこし風あり
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
としはゞ二十六、おくざきはなこづゑにしぼむころなれど
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「こんなに年老としよるまで、自分じぶんこづゑで、どんなにお前のためにあめかぜをふせぎ、それとたゝかつたかれない。そしておまへ成長せいちやうしたんだ」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
そなたのこづゑは波のやうに逆立さかだち、
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
御神木と云うのはうられた杉の木で、此はやしろうしろで高処だけに諸方から目標めじるしになる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
藪に続いた一方は雑木林で、さっと黒髪をさばいたごとく、うらが乱れ、根が茂る。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うら枯れかかった槻の木に
春と修羅 第三集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
黎元れいぐわん撫育むいくすることやや年歳としを経たり。風化ふうくわなほようして、囹圄れいごいまむなしからず。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
乾ききつた寒中の夜の風は、外套の袖をつらぬく程であつた。折角せつかく暖かになつた二人の身体はまた凍り付くかと思はれた。種田君はややたしかな歩調を運ばせ乍ら、
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)
セバト連嶺は大黒山の下に千八百二十米を超えている長い頂上を展開した後、一段低くなり、更に二つ許りの峰を小野子山の上に擡げているが、其平な頂上がまさに低下しようとする所から、やや円味を帯びて殆ど直線に近い空線を描いた一座の山が、前記の二峰の上にのり出している。
望岳都東京 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
アカザの葉心は鮮紅色の粉粒を布きすこぶる美麗である。そしてその苗が群集して一処にたくさん生えわかすえを揃えている場合は各株緑葉の中心中心が赤く、紅緑相雑わって映帯し圃中に美観を呈している。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
支那人の頭は御存ごぞんじでしょう、三ツに分て紐に組ます、といても癖直しをせぬ中は此通りのくせが有ますもとからすえまで規則正しくクネッて居る所を御覧なさい夫に又支那人の外には男で入毛する者は決して有りません支那人は入毛をするのみならずそれたらねば糸を入れます、此入毛と云い此縮れ具合と云い是が支那人で無ければ私しは辞職します
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
うなだるる下枝しづえうらき
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
薄茶色うすちやいろを全体に吹いて、やわらかいこづえはじてんつゞく所は、糠雨ぬかあめぼかされたかの如くにかすんでゐる。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
怖いわねえ! この辺には一本だつて天までとどくやうな樫の樹はないのね。だけれど、どこかしら遠い遠いお国に、さきが天国までもとどいて、ゆらゆら揺れてゐる樹が一本あるつてことよ。さうして復活祭の前の晩になると、神様がその樹をつたつて地上へ降りていらつしやるんだつて。
暴風がしんをわたる森の胸をひらき
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
自分達は澤木せうさんとその友人の西村さんとにれられて度度たび/″\ポツダム・プラアツのかどにあるロステイと云ふ珈琲店カツフエへ行つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
がけやゝ倦みそめぬ、つたかづらの
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「ほ」の原義は知れないが、「うら」と似た筋路に立つ事を思へば、ウラウラウラ(うら<うれ)同様、の義だとも言へる。
万法蔵院は、村からは遠く、山によつて立つて居た。暁早い鶏の声も、聞えぬ。もうコズヱを離れるらしい塒鳥ネグラドリが、近い端山ハヤマ木群コムラで、羽振ハブきの音を立て初めてゐる。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)