“曇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くも75.8%
くもり14.9%
うる2.6%
ぐも2.6%
どん2.1%
くもら1.0%
くもつ0.5%
くもる0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やまうえへとつづいているみちは、かすかにくさむらのなかえていました。そして、やまいただき灰色はいいろくもって、雲脚くもあしが、はやかったのです。
谷にうたう女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
章一は羽織と袴をとって単衣ひとえを脱ぐと女はまくらを持って来た。しかし、章一は女の眼の下のくもりの深い肉の落ちた顔が気になっていた。
一握の髪の毛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
お島がてたような顔をして、そこへ坐ったとき、父親がかたい手に煙管きせるを取あげながら訊ねた。お島はうるんだ目色めつきをして、黙っていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「みどり児の乳乞ちこうがごとく、あまつ水仰ぎてぞ待つ、あしひきの山のたをりに、の見ゆるあまの白雲、海神わたつみの沖つ宮辺みやべに、立ち渡りとのぐもり合ひて、雨も賜はね」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
と云って、別に平然ともしていない。気がついたのは、ただその眼である。老人はどんよりと地面の上を見ていた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
少しは声をくもらしたもののその調子は長吉の満足するほどの悲愁を帯びてはいなかった。長吉はしばらくしてからまた突然に
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
宵月よいづきころだつたのにくもつてたので、ほしえないで、陰々いんいんとして一面いちめんにものゝいろはいのやうにうるんであつた、かはづがしきりになく。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
天寒のつよきよわきとによりて粒珠つぶの大小をす、これあられとしみぞれとす。(ひようは夏ありそのべんこゝにりやくす)地のかんつよき時は地気ちきかたちをなさずして天にのぼ微温湯気ぬるきゆげのごとし。天のくもるは是也。