“彼”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
44.3%
かれ23.7%
15.8%
あれ6.8%
かの3.9%
あの0.9%
かん0.9%
あゝ0.4%
0.4%
かに0.4%
0.3%
あん0.3%
ああ0.2%
0.2%
カレ0.2%
あのひと0.1%
0.1%
やつ0.1%
0.1%
オン0.1%
あと0.1%
あり0.1%
かう0.1%
かり0.1%
0.1%
その0.1%
つか0.1%
てき0.1%
ヒイ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こまかきあめははら/\とおとして草村くさむらがくれなくこほろぎのふしをもみださず、かぜひとしきりさつふりくるはにばかりかゝるかといたまし。
雨の夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たとえば、きかん坊主ぼうず秀吉ひできちが、先生せんせいにしかられて、この運動場うんどうじょうたされたとき、かれかなしくなって、しそうになりました。
学校の桜の木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
じつおどろきました、んなお丈夫ぢやうぶさまなおかたうして御死去おなくなりになつたかとつて、宿やどものよろしうまうしました、さぞ力落ちからおとしで……。
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「一体あれは将来何になるつもりなんでせう。私はそんなことは関はないんですが、いつまであゝやつてゐたつて仕方がないでせう。」
夏ちかきころ (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
かの尖帽宗カツプチヨオの寺の僧にフラア・マルチノといへるあり。こは母上の懺悔を聞く人なりき。かの僧に母上はわがおとなしさを告げ給ひき。
「だって、あの男に及第が出来ますものかね。考えて御覧な。——もし及第なすったら藤尾を差上さしあげましょうと約束したって大丈夫だよ」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それはもう何ともかんともいえない秘めやかな高貴な芳香が、歯の根を一本一本にめぐりめぐって、ほのかにほのかに呼吸されて来る。
狂人は笑う (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それでも私は斯うしたいのあゝしたいのと、勝手な熱を吹くことは出来ませんから、お若も是非がない、義理にせめられて
がら/\/\と位牌が転がり落る騒ぎ、何うかうか逃げましたが、いまだに経机の角で向脛むこうずねを打ったきずは暑さ寒さには痛くってならねえ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いつの間にやらだんだん口がおごって来て、三度の食事の度毎たびごとに「何がたべたい」「かにがたべたい」と、としに似合わぬ贅沢を云います。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
の人の眠りは、シヅかに覚めて行つた。まつ黒い夜の中に、更に冷え圧するものゝ澱んでゐるなかに、目のあいて来るのを、覚えたのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
正「花魁が何んであんなお客に惚れましょう、私は大嫌い、あの屁っぴり侍の屁ッチョロな、のくらいいやなお客は有りません、あの屁っぴり侍」
児太郎は、機嫌にまかせ、どうしたらああいう目になるだろうと思われるくらい、つややかに光をうるませ、微笑んで自分でうなずいて見せた。
お小姓児太郎 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
女『アノナハーン、アエヅダケァガナハーン、昨日キノナスアレー、シタアナーハン。』
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
出すまゝの声が、カレの「女」を表現した。小ぶりに身を動して、肩と手とに美しくシナしながら、下体は飛び立つ様な動作をする。
つらあてにでもそのひとを村一番の美人だなんて言ひ出さないにも限らないわ! でも、そんなことはないわ、あのひとはあたしを愛してるんだから。
しかも其上に前述べた通り、国情の差違さゐならびに批評家の誇張などを念頭に置いて、是からトライチケを一瞥しやうとするのである。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「俺か、俺はやつう約束があって、やって来たが、すこし具合の悪いことが出来て、よして他へ往くところだ」
水魔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
にほとりの 葛飾早稲カツシカワセニヘすとも、カナしきを、に立てめやも(万葉集巻十四)
古代生活に見えた恋愛 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
いいえ、オンですよ、ね、バルシク、この猫は手術を受けたんですよ。その前は太ってころころしてたんだが痩せちまった。
俊子が一人離れて側道わきみちれてしまへばそれでいゝのだが、帰途かへりの都合からそのなかの一人と途連みちづれになるやうな事があると、あとの二人は何だか物寂しい、だまされたやうな気持になるのださうだ。
全国に出しますもんな。ありば引っ張ってう。今度呼子においでたなら、そりゃよか、学校ん生徒でん何でんお迎い出すちいよる。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
尊い上人様の御慈悲は充分了つて居て露ばかりも難有う無は思はぬが、あゝどうにもかうにもならぬことぢや、相手は恩のある源太親方、それに恨の向けやうもなし
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「さびしゅうしてならんけん。だりかりもぐうぐういびきばかりかいとって、始末におえん。甲板さん出て見たっちゃ、真っ暗闇で、歩けもせん。星も出とらん。雨でん降りまっしゅごたる。」
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
しな照る 片岡山かたをかやまに いひて こやせる 旅人たびとあはれ 親無おやなしに なれりけめや 剌竹さすたけの きみはやき いひて こやせる 旅人たびとあはれ
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
鳰鳥におどりの葛飾早稲わせにえすとも、そのかなしきを、に立てめやも
最古日本の女性生活の根柢 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
かれ與吉よきち無意識むいしき告口つげぐちからひどかなしく果敢はかなくなつてあとひとりいた。憤怒ふんぬじやうもやすのにはかれあまりつかれてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「おんしゃら、一ちょう浪花節掛けエ! 虎造の森の石松やぜ。虎造はよう読みよる。んしょ、てきは声が良えさかいな」
俗臭 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
二人は何か争ひを始めたのか? 「あいつ」といふのは「ヒイ」の意で「おいらはなあ!」といふのは「自分が考へる処に依ると」といふ意味だと百合子が教へたが
南風譜 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)