“旅人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たびびと62.9%
りょじん6.9%
りよじん6.9%
たびにん6.0%
たびと5.2%
たびゞと4.3%
タビト2.6%
たびうど1.7%
たびゝと1.7%
りよにん0.9%
エトランゼ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
堀川百首ほりかはひやくしゆ兼昌かねまさの哥に、「初深雪はつみゆきふりにけらしなあらち山こし旅人たびびとそりにのるまで」この哥をもつても我国にそりをつかふのふるきをしるべし。
其の芋茎ずいきへ火縄を巻き付けて、それを持って追剥おいはぎがよく旅人りょじんおどして金を取るという事を、かねて龜藏が聞いて知ってるから、そいつを持って孝助を威かした。
もよひてさぶ馬士まごの道々語りて云ふ此宿も今は旅人りよじんを當にもなさず先づ養蠶一方なり田を作るも割に合はぬゆゑ皆な斯樣かやうに潰して畑となし豆を作るか桑を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
旅人たびにんだよ、この通り、旅路だから草鞋わらじ脚絆きゃはんという足ごしらえだあな、まずゆるゆるこれを取らしておくれ——それ、お洗足すすぎの用意用意
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しな照る 片岡山かたをかやまに いひて こやせる 旅人たびとあはれ 親無おやなしに なれりけめや 剌竹さすたけの きみはやき いひて こやせる 旅人たびとあはれ
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
こんなうるさいはいでも、道連みちづれとなればなつかしくおもはれたかして、木曾きそはいのことを發句ほつくんだむかし旅人たびゞともありましたつけ。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ことし、四十を二つ三つ越えたばかりの大伴家持オホトモノヤカモチは、父旅人タビトの其年頃よりは、もつと優れた男ぶりであつた。併し、世の中はもう、すつかり變つて居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
身動みじろきうと旅人たびうどの雲のはたてに消ゆる時。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
冬の雪はやはらかなるゆゑ人の蹈固ふみかためたるあとをゆくはやすけれど、往来ゆきゝ旅人たびゝと宿しゆくの夜大雪降ばふみかためたる一すぢの雪道雪にうづまみちをうしなふゆゑ、郊原のはらにいたりては方位はうがくをわかちがたし。
素行は木の葉のやうに寒さうに身体からだふるはせた。媼さんは闇をすかしてうそうそ旅人りよにん容子ようすを嗅ぎ分けるらしかつた。
旅人エトランゼは先ず大通グランブールヴァルのオペラの角のキャフェ・ド・ラ・ペーイで巴里パリの椅子の腰の落付き加減を試みる。
巴里のキャフェ (新字新仮名) / 岡本かの子(著)